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スマホ?

次の朝は騒々しい始まりだった。


朝食を済ますとニコルとライルが俺の部屋にやってきた。その結果、彼らの供回りがギスギスした感じになっている。


「空気が悪い」

「それは仕方ないだろう」

「だね、それより前言った君の奴隷と交渉させてもらいたいんだけど」

「そうだな、ティアとクレアこっちに来てくれないか」


一応同じ部屋に居るんだが来客があるんで少し離れた所に居る二人を呼ぶ。


「なによ?」


ここに呼ぶなって雰囲気を出しながら近づいてくる。


「こちらの殿下たちが君たちと交渉したいんだとさ」

「交渉?」


そういえばこの城に来てから、二人は部屋と訓練場を行き来しかしてないからほとんどの情報を持ってないか。


「説明するとだな、――――」


これまでのことを掻い摘んで話した。


「―――、というわけだ」

「なるほど、それは私に皆の居場所を教えろってことね」


ティアとクレアの表情が険しくなった。


「簡単に言うとそういうこと」

「なめないで、私たちは絶対に仲間を売ったりはしない。たとえ自分の命が掛かっていたとしても」


これはめんどくさいな、しかも今の発言で周りの貴族たちがピリピリしだした。俺はライルとニコルにアイコンタクトをした。


(通じてくれよ)


「すまんがティアよ、このままでは亜人が戦争の一端を担うことになってしまう、君はそれでもいいのか」

「私たち亜人がが一つの脅威であると知られ迫害されることが無くなるとしたら、私たちは戦争でためらい無くその腕を振るうでしょう」

「それでは死んだ家族が亜人を怨みさらに対立が激しくなる」


ライル、その問いはアウト。


「・・・・では今まで奴隷にされた者や殺された者の家族が人族を怨んでないとお思いですか」

(そうなんだよな現状亜人側のみが被害を被っている状態でその問いはまずいだろ)

「私の故郷では幼子が行方不明になることは多々あります。そのほとんどが人族(ヒューマン)による誘拐なのです」

「・・・・」

「そんな扱いの私たち亜人にまだ我慢しろと言うのですか。これは貴方たち人族(ヒューマン)がしてきたことの結果です」

「······」


ライル撃沈!!


「交代しましょうライル兄上」


さて次の選手はニコル選手だ〜!


「じゃあ率直に聞くと何を支払えば協力してくれる?」

「そうですね、私たちの同胞を即時返還、亜人と人族の双方の不干渉、亜人の土地の不可侵、そして奴隷狩りの殺害の容認です」

「それはそれは」


後ろの貴族たちは渋い顔してるな~、でもこれは妥当なんだよな、それがわかっているからニコルは突っぱねることができないんだよな。


するとニコルはこちらを見ながらニコリと笑った。


「ふむ、すまんがここに兄上とテオドールとティア殿を残して皆は外に出てくれないか」


これには二人についてきたものが講義を上げたが、ライルがニコルを支持したことで貴族たちはしぶしぶだが従って部屋の外に出た。


「さてこれで本音を話せるね、兄さん」

「はぁ~、で皆を外に出したのは何でなんだ?」

「それはテオが話してくれると思うよ」

「俺が?」

「君はこの交渉の答えを持っているだろう?」

「あることはあるが」


俺は一つティアを満足させる手札がある。


「話してくれないか?」

「いいよ、ティア」

「なんですか?」









「女王になる気はないか?」









この答えにティアとクレア、ライルは止まったがニコルは爆笑した。


「すごい、すごいね、そういうことか、その答えを出すか!」

「ニコルはこの案に賛成か?」

「うんそうだね、それが実現できるなら最適解になるよ」

「すまんが我々にもわかるように説明してくれないか」


それからいまいちわかってない三人に説明する。


まず亜人による国作ることでティアたち要望をすべて叶えることができるようになる。そのほかにも温和派が過激派を抑えて王弟の事件のようなことが少なくなる、そして時間が過ぎて互いに不和がなくなれば貿易などができるようになる、ほかにも多々あるがそこは話さないでおこう。


「でもどうやって実現するんだ、ティアを女王にするっていうがいろいろと足りてないと思うが」

「そこは大丈夫だ、これからティアには死んだほうがましって言うくらいの授業があるから」

「え!?」

「拒否権は無いぞ」

「拒否権ないの!?」

「だって亜人にとっては利益しかないんだぞ、なのに断るのか」

「私が女王じゃなくったっていいじゃない」

「そこは運が悪かったって事で」


ティアはまだ文句を垂れ流しているが無視する。


「それでクレアだが」

「私はティア様についていきますよ」

「それでいいよ、ただしティアと同じく教育は必要だからね」


そして殿下たちに向かい合う。


「この条件ならば問題ないでしょう」

「そうだが、この国に新しく仲のよくない隣国ができてしまうのだが」

「それは王となった人物の裁量によりますよ?」

「そうだろうが」

「大丈夫だよライルが王になるのはほぼ決まっているから」

「は!?いやだがニコルも」

「あ~兄上には話してなかったけど彼の報酬が本当なら僕は王の椅子は要らないよ、けどそれは今ここだから言えることで外に出たらそれなりの振る舞いはするけどね」

「てことで後はグランが継承権をあきらめればライルは王確定って事になる」

「・・・・ちなみに何を支払うのか聞いていいか」


といってもそこまで難しくない、天才だからこそそれを欲するものだ。


「その件はすべて終わったから話すよ、それよりティア返答は?」

「・・・・」

「・・・・ティア様、この話しお受けしたほうがよいと思います」

「クレア・・・」

「この話に亜人である私たちには必要です」

「・・・わかったわ、だけどテオドール」

「ん?」

「私たちはまだ弱い、もし国を作れたとしてもすぐに他の国に侵略されてしまうんじゃないの」

「そこは大丈夫だ、俺が100年くらいは国にとどまって国防に勤めるから問題ないよ」

「・・・あなただけ国防に参加してもたった一人では意味ないのでは?」

「運がよければあと少しで俺の実力がみれるから、それで判断してくれ」


そういえば俺はここに来てから戦闘したのって海賊と盗賊くらいか?あっ、あとニコルとの模擬戦くらいだな。


「それよりもだ、テオドール」

「なんだ」

「いくつかきかなければならない事がある」

「そうそう、まず一つは国を作るにしてもどこにするか、とかだね」


ここでヘクメス王国と周辺のことについて補足しておこう。まずヘクメス王国はこのミカラ大陸の東にあり海に面している国だ。そして周りには2つの国がある、まず一つは南と西で接しているラガラ国だ。ここは面積はこの国の二倍あるが土地の質が悪く、あまり食料を生産するのに適してない。代わりに鉱山とかが多いことからこの国と友好的だ。問題はもう一つだ、それは北に接しているはジクルス帝国だ、この国は大陸の三分の一を保有しているこの大陸で一番国力を持っている国だ。少し前に皇帝が代替わりしたのだが、この皇帝がこの大陸を帝国で支配しようとする考えしていて、周辺国家は帝国を警戒している。さらにベトロントがあてにしようとしているのがこの帝国だ。


ゆえにちょうどいい。


「それは簡単だ、せっかく広大な土地を持っている国があるんだそこから少し切り取らせてもらうよ。それにそっちのもメリットはあるだろ?」

「そうだなわが国と帝国との間に国ができれば、直接戦争する可能性が少なくなる」


俺がどの国のことを言っているか二人はすぐに理解したみたいだ。


「簡単言うがな、帝国の土地を切り取るとなるとすぐに潰されるだけだぞ」

「そこは大丈夫だ、強力な助っ人(・・・)を呼ぶから」


(グレールに動いてもらえば問題ないからな。正直あいつが本気で国を滅ぼそうとしたら1日も経たずにすべての土地が草木も残らなくなるだろうしな)


「まぁ、あてがあるならいい」

「けどさ、それはこの国の領土も少しは切り取るよね?」


ニコルなら気づくか。


「どういう意味だニコル」

「簡単さ国を作るにも大義名分が必要になる、それは何だと思うライル兄さん?」

「・・・・・・滅びた亜人の国ネルファイスか?」

「正解だよ」


そうだ、俺は滅びた国を復活させる気でいた。ティアを旗頭にしてネルファイスの土地を取り戻す。だがこれは帝国だけでなくヘクメス王国、ラガラ王国の領土も含まれる、それでも


「まだこの国の損失は相当少ないだろ」


実際、騎士爵領のいくつかで済むだろう。


「そうなのだが」

「ライル兄さんそこはあきらめるしかない。いくつかの貴族には他の土地を与えて領民にはそれなりの保障をすればいい、それとテオドール」

「なんだ?」

「そっちの国づくりに協力するんだ、その見返りはなんだ」


当然彼らも善意だけで協力するはずがない、それ相応の対価が必要になる。


それを見越していくつか作っておいた(本体が)。それを今取り出す。


「わかっているよ、まずはこれだ」


まず俺が取り出したのは3つ、黒い板を2個それと装飾された大きな水晶でできた板。


「これは何だ」

「簡単に言うとこれは遠距離で会話できる装置だ。まぁ魔法具の一種だな」

「・・・お前と一緒に居ると常識が崩れてくるよ」

「これくらいで崩れるなら、俺が計画している亜人の国は常識が通用しない国になるぞ」

「・・とりあえず続けてくれ」

「これはギルドデバイスって言うんだが、まぁこの後のことは実践しながら教えたほうが早いか、まずこの水晶ギルドコアで登録すんだ」

「登録だと?」

「そうこのデバイスを使用するにあたって登録しないとピクリとも動かないから、そうだなまずはクレア」

「はい?」

「この水晶に手を当てて」


クレアがガラスに手を当てるとガラスが淡く光った、そしてガラスの上に文字が表示される。


[対象を設定してください

名前:

種族:

登録地:

所属:

クラン:

ランク:

称号:


*名前と登録地は変更できません*]


と出る、これにみんなの視線が集まっているが水晶でできた板に注目している、これに俺は名前だけ書き込む。



[対象を設定してください

名前:クレア

種族:

登録地:

所属:

クラン:

ランク:

称号:


これでは仮登録になりますがよろしいですか?]


これに肯定して設定を終える。


「まぁこれだけ、これでクレアそのデバイスに魔力を流し込んでみ」

「は、はい」


皆に見えるように構え魔力をを流すと黒かった画面が変わりスマホの画面のようになった。


これには皆驚いていた。


表示されているのは。


・ギルド証

・リンク

・ライブラリ

・コア


この四つだ、ギルド証はさっきの画面が表示されるだけだ。リンクは登録した人物にメッセージを送る機能。三つ目にライブラリこれは電子書籍を購読することができる機能だ。なかには無料で見れるものもある。そんで最後がコア、これは簡単に言うとアプリストアだ。


こうした説明をざっくりとするし、使い方を一通り教える。


「というのが使えるようになる、ためしにリンクでメッセージを送ってみ」

「・・はい」

「ふむ『ティア様万歳』か」

「合ってます」


なにこのメッセ。


「ここまで言えばどんな価値があるかわかるんじゃないのか」

「質問だ、このデバイスとやらはドコでも使えるのか?」

「いやこのギルドコアの半径・・・ていってもこっちじゃ距離の単位はないからな、えっとこれを王都の中心におけば王都内ならどこでも使える。範囲外に出るとほとんどの機能が使えなくなる、ちなみに王都以外にもコアを置いたらそことのやり取りも可能になる。それと使用時間だが最大で1日持つかどうかだ、ちなみに肌身離さず持っていれば自動で魔力貯めてしてくれるから魔力切れの問題もないよ」

「ほう」

「それはそれは」


王族二人はこの利便性に気づいたようだな。


「他にも利点はあるぞ、まず他の人のデバイスも使える。例えばクレアのデバイスをライルが使ったとするとそこにはクレアの情報ではなくライルの情報になるはずだ。他にも使用中は使用者以外はいくら動かそうとしても動かせないようにしてある」

「「なるほど」」

「一ついい?それを私たちに作らせるきなの?」

「違うよ、君たち亜人にはもっと別なことをやってもらうから」

「別のこと?」

「それは国ができてから話すよ、それでどうかなこれをこっちの国も実装するから代わりに国づくりに手を貸してもらえない?」


これの価値を正しく理解できるなら、ここで国づくりに協力すると思うんだが。


「わかった協力しよう」

「僕も協力するよ」


と俺らは協力体制を取り付けた、だがそのとき外が騒がしくなった、ライルとニコルは外に出る。


「何事だ!」

「殿下実は・・・」






夕方まで続いた話し合いがとある知らせで終了した。


俺は自室に戻り、ベットに横になる。


「タイミング最悪だな」

「何かあったのですか?」


椅子で本を読んでいたステラは俺の様子を見て話しかけてくる。




「実はな・・・・・・・ルナリア殿下が誘拐された」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?」


まぁ予想通りの反応だな。


「ルナが攫われたってどういうことですか!!!!!!!!!!!!!!!!」


そういいながら俺の肩をつかんで激しく揺さぶる。


数分後~


「はぁ、はぁ、はぁどういうことですか説明してください」

「俺も聞いた話だから詳しくは知らないが、何でもどこかのパーティーに招待された帰りに何者かの襲撃に会い行方がわからなくなった」

「・・・団の皆はどうなったのですか」

「そこは不明、誰が付いていったのかあの二人に聞けばわかると思うが、この知らせを聞いてすぐにすっ飛んでいったよ」


二人は俺がライルやニコルの説明を聞くとすぐにその場を離れていったのだ。


「今回居なくなったのは死んだもの以外には4人だ」

「4人?ルナリア様以外にも攫われたものがいるんですか?」

「そうだ、さっき言ったルナリア殿下、それとメイド2人、最後にメルダ殿下だ」


そうルナリア以外にもメルダ殿下が攫われていたのだ。

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