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チール、君に決めた!

光が収まるとそこにいたのは白鳥だった、大きさは翼を開いたら10メートルはあるだろう巨体な大きさの。


「この鳥は」

「・・・・・・」

「君なのか?」

「・・・・・・・」

「そうか、ではこれからよろしく頼む」

「・・・・」

「我はライル、ライル・ザラ・ヘクメスだ」

「・・・・・・」


傍から見るとライルが独り言をしゃべっているように見えるがそれは間違いだ。これはライルと白鳥の魂につながりができたことにより二人の間で意思疎通ができるようになっている、まぁ念話みたいになことができる状態になったわけだ。やろうと思えばライルも言葉出さずににできるはずだが、まだできないのだろう。


「そうだなお前の名前はヂル、物語にある霊鳥の名前だ」

「・・・・・・」

「ああ、よろしく」

「・・・・・・・・・」

「これにしようかと思っているのだが」


ライルは腕輪を手のひらに乗せてヂルに見せる。するとヂルは嘴で腕輪に触れるするとヂルから出た魔力が腕輪に入っていくのが見えた。


「これでいいのか」

「・・・・・・・・」

「ああ、それではヂルすぐに呼び出すことになりそうだがこれからも頼む」

「・・・・・・」


何かしらの会話を終えるとヂルは腕輪に吸い込まれるように消えた。


なぜ吸い込まれたかというと腕輪は召喚魔法に加えて空間魔法で守護獣だけが入れる擬似空間が存在していて、そこに入れておくことができる。


「終わりましたか」

「ああ終わったよ」

「じゃあいくつか説明しておきます」


まず、生み出されたばかりの守護獣は不安定(魔力だけで構成されている【このことは話していない】)なので体が安定するまで基本的に腕輪以外に出さないほうがいい。ちなみに魔力で構成している体が食事によりすべてが物質で構成されたら安定する。それまでは契約者の魔力で体を構成するので契約者は魔力が回復しなくなる。


次に腕輪からの出し方なのだが、二つある。召喚魔法で呼び出す、もしくわ念話で語り掛け出てきてもらうの二択だ。


そして最後に腕輪が壊れた場合だこの場合、即座に召喚魔法が発動して緊急脱出するようになっている。


これらのことを説明し終えると最も重要なことを伝える。


「ライル殿下、ヂルは知識を持っているだけの子供です。何が正しくて何が間違っているかなどはわかっていませんのでご注意を」

「わかった」


子供はやってはいけないと教えられても、なぜやってはいけないのかを知っているのは稀だ。ゆえに知っていてもやってしまうことがあるので注意をしなければならない、きちんとなぜやってはいけないか教えなければ。それが産み出した者の役目だ。


俺らはもといた部屋に戻りこれからのことを話す。


「しかし我はヂルを手に入れたが、これからどうするのだ?」


チラッ


おいおい、ここは俺たちだけじゃないんだぞ。


「彼は大丈夫だ、情報を漏らすことは絶対ない」

「それはなぜですか?」

「彼は奴隷だ、心配はない」


術式を見る限りでは怪しい点はない。大丈夫か。


「なら大丈夫か、敬語もやめるぞ」

「わかった、それにしても敬語を使ってて笑いそうになったぞ」

「うるせえ、それよりもこれからのことを話そう」

「わかった」

「まずライルに聞きたいことがある」

「なんだ?」

「もし内乱が始まったとしてそのときベトロントが内乱をとめるときに使う手段は何だと予想する?」

「難しいな・・・・正直選択肢がありすぎて見当が付かん」


その後、意見を出し合った。



ルナリアを使い民を兵にし戦争に駆り立てる、私兵を独自に集めそれを戦争に使う、内乱の最中各派閥の貴族(ベトロントの駒)をルナリアに共感したなどの理由で寝返らせる、何かしらの魔法具などを使い内乱をとめる、実は他国とつながっており他国の兵を使い内乱に介入する、などなどベトロントが使いそうな手を考えたが決め手にかけている。そのときポツリとライルが言葉を漏らした。


「・・・ニコルならあるいは」

「ニコルは知っているのか」

「可能性はたぶんだがあるだろう」

「そうかニコルは内なる敵の選別はできているらしいから十分ありえるか」

「やはり・・・ニコルはとっくに気づいていたのか、だとしたらベトロントのとる策はある程度予測できているだろうな」

「なら、ニコルをこちらに引き入れたらどうだ?」

「できるのか?」

「わからんが、やってみるさ」


その後、城に戻りメイドにニコルとの面会を頼む。


すると返事はすぐ来て昼過ぎに会うことになった。


昼飯が終わりにニコルに会うために指示された部屋に向かう。中に入ると、ニコルの他に四人席について待っていた。


「早めに返事をもらえて嬉しいよ、テオドール」

「こっちも早め問題を解決したいからな」

「貴様、殿下に対して」

「いい、俺自身がこいつに許可した」


顔の厳つい貴族が注意しようとしたがニコルが抑えた。


「さて返事を聞こうか」

「あ〜悪いが、その前に提案がある」

「聞こうか?」

「俺と組まない?」

「へぇ~、ちなみに君と組んだらどんな利益が貰えるのかな」


その質問に対して俺は。


「この大陸の覇権をくれてやるよ」


その言葉に全員が固まった。貴族たちも俺の監視も護衛であるステラも。


「それはまた大きく出たね」

「嘘だと思うんならこの話を断ってくれていい、無論訓練の件は報酬次第で検討しよう」


俺とニコルは視線を合わせる、すると突然ニコルが笑いだした


「アハハハハハハハハハハハハハハハハ!、すごいすごいよなんでそんな大層な物をBETするなんて、しかもテオドールは一切嘘をついてる様子はないみたいだしな」

「どうだ悪くないだろう」

「悪くないでも僕がいちばん望んでいるものではない、俺が一番ほしいものを用意できるのなら君と・・いやライル兄上と組むよ」

「わかったじゃあ」


俺は近づいてニコルに耳打ちする、これだろ


「――――」

「・・・・ハハハハ!テオドールはあらかじめ知っていたのか」

「いや、本当に頭の良いやつが望むものだがらな」

「いいだろう、僕はその報酬が確かであるならお前と手を組もう」

「殿下!」

「問題ないムローシュク伯爵、ライフ兄上が内戦を止めようとしているのは知っているだろう」

「それはわかっていますが!」

「あ〜ニコル、この人たちは信用できるのか?」


こいつらに裏切られたら台無しだぞ。


「できるさ愛国心に溢れて内乱をよくは思はなく、更にはべトロントの息が掛かってない貴族だ信用して当然だろう」

「確かにな、ならここにいる人たちは問題ないのか」


完全にベトロントの手駒の選別を終えているようだな。


「それとここに来たのは、ベトロントが内戦を止める方法を聞きに来たのかな?」


予想できていたのか。


「そのとおり、俺もいくつか予測をしたんだが、情報が圧倒的に足りない。どれも決め手に欠ける」

「そうか、ならまずべトロントが使うのはどこの勢力にも属してない軍隊だよ」

「傭兵か?」

「無論、傭兵も雇うと思うがそれだけではない」

「じゃあどこだ」

「まず一つがジクルス帝国だ。この大国は今の帝王になってから各国に戦争を仕掛けていて、帝国は隣国が困っているって名目で宰相に手を貸すと思う」

「で、そのまま軍をいろいろ理由をつけて国に留まらせて時期になったらそのまま戦争をふっかけるわけか」

「うん、そうだと思うよでも彼の戦力はこれだけじゃない」

「他に当てがあるのか?」

「あるさ、全員から見下され使い潰されて虎視眈々とクーデターを起こそうとしている勢力が」


·····あれか!


「「亜人」」


どうやら正解みたいだ。


「だがどうやって亜人を引き込むつもりなんだ、多少の繋がりがあることは把握しているが」

「実はそれがわからなくてね〜、こっちも探っているんだけど。でも都合のいいことに君の奴隷に亜人の大物がいるよね」

「ティアのことか、でも彼女にどうやって協力してもらう?」

「奴隷なら命令すれば一発だろ」


たしかに命令すればそれで済むけど。


「すまんがそれは許容できない」

「は?」


ニコルは想定しなかった答えのようで少しの間固まった。


「なんで、君の奴隷を使えばベトロントの手を一つ潰せるのかもしれないのに」

「それはわかるが俺はあいつらに命令はしないって言ってるしな」

「いやそんな口約束のためだけに!」

「その口約束が重要なのはニコルもよく知っているだろ」

「わかるが、それは対等な者同士での場合だ、奴隷の場合関係ない」


そこからの話は平行線で最終的にティアに交渉して亜人の村まで案内してもらうようにすることが決まった。


「これでいい?」

「問題ないよ、あとはティアに決めてもらうから。にしてもずいぶん嫌われたな」


周囲の人の表情は良くない。


「それはそうでしょ、普通平民が僕の要請を無視してる時点で血統主義者の貴族がおもしろい訳がない。今回はそれに加えて奴隷に交渉するんだよ~面白いわけないじゃん!」

「それはあきらめてくれ」

「そういえばライル兄上に貢物したと聞いたんだが僕にはないの?」

「・・・・」

「聞いた話だと魔法具らしいじゃないか、そんな貴重なものを軽々しく献上出来るんだ~」

「・・・・」

「協力者であるライル兄上に献上したのに~」


自分も協力しているからこっちにもよこせって事か。


「・・・・・はぁ、一応聞くがどういうものがいい」


さすがにめんどくさいからこいつの要望は飲んどこう、あとでグチグチ言われるとヤだからな。それに王族の身辺強化って事で渡しても損はないだろう。


「そうだねできれば武具がいいな~、それも僕が使っている剣で」

「わかったよ、準備ができたら献上させていただきますよ」

「そうそう、それによって僕自身の防衛力も高まるから」


こいつ、俺が王族の守りを固めようとしているのも知っていたな。


「わかったよそれと訓練についてだが」

「それなら2日後の朝に模擬戦した訓練場でお願いしたい」

「わかった」


その後、俺は護衛と監視を伴って退室した。


当初の予定であるニコルと組むことはできた、これによりライルとニコルの協力を期待できる。


そして亜人の件はニコルとライルが一緒にティアに交渉に来る予定になった。


そう考えながら部屋に戻る道中でどこかに行こうとしているメルダ殿下にあった。


「こんにちはメルダ殿下、こちらで何しているんですか?」

「あっこんにちはテオドール様、次の予定まで少し時間が空いてどうしようか迷っていました・・・・・もしよろしければこれからお茶でもいかがですか?」

「これから予定もないですし、ご一緒します」


以前お茶会した庭園に来た。そこにはすでにメイドたちがテーブルなどを準備して待っていた。


「テオドール様はこの国に来るまでどのようにすごしていたんですか」

「・・・そうですね、この国に来る前は師匠の元で鍛錬ばかりしていましたね」

「お辛かったですか?」

「いえ、それのおかげでいろいろと便利になりましたから文句はありませんよ」


ふとメルダ殿下は近くの木に止まっている鳥を見て止まる。ちょっと気になったから声を掛けずにそのままにした。


「失礼しました、お話の途中なのに」


メルダ殿下は何で話を止めてまで鳥を見たのか・・・・・・・少し確認してみますか。


「メルダ殿下は動物がお好きなのですか?」

「ええ、小さい動物は可愛いので好きなのですが、怪我をさせるかもしれないから触れるのは控えるようにしているんです」

「そうなのですか」


ちょっと使えそうなんであいつには少し我慢してもらうか。


「メルダ殿下はリスはお好きですか」

「?ええ、可愛いですし」


なら問題ない、それとちょっと注意しておくか。


{今から呼び出すが。一つはしゃべるな、二つ目はこっちでの名はテオドールだからな間違えるなよ}

{はっ!?ちょっ!おい!}


俺は魔法でチールを呼び出す。


{なんや!いきなりすぎるわ!もうすこし説明しろや!}


現れた緑のリスは手足を振り回して不機嫌そうにしている。


今回は演出ナシで呼び出したから光らずただテーブルの上に緑色のリスが現れたように見えるだろう。周囲のメイドも驚いている。


{おい!毎度毎度わては暇やないんやで!さっきまでフィーシィーからもらったあの実を食べようとしたんや!どう責任取ってくれるんや我!}


うるさいさっきから頭にぐちぐちとこいつを呼んだのは間違いだったか。


{たく、これはあの木の実を・・・・・ん?なんや?}


ん?どうしたんだ?


様子を見てみるとメルダ殿下がチールのを見つめている。


{なあテオはん、この子に念話教えたんか?}

{おしえてないが、どうかしたのか?}

{さっきからこの子わてに「どこから来たの?」とか話掛けてきとるんやが}

{・・・・・少し会話して何でこういうことができるのか聞いてくれないか?}

{ええけど、人に頼むときはそれなりのものを用意してもらわんとなぁ}


このがめついリスめ、それとメルダはリスを見つめながら動かない。


{わかったよ、じゃあ果実を10個でどうだ}

{よっしゃ乗ったるで!5個でも儲けもんやと思うとったがその倍くれるとわな!}

{怪しまれないように頼むぞ、ちなみにお前は俺の使い魔って設定だからな}

{了解や!}


それからチールはメルダと向き合って少しの間、無音になる。


(ものすごいシュールな場面だな)


{わかったでテオはん!}

{どうだった?}

{まず、わての見立てでは特殊技能(ユニークスキル)や、聞くと生まれた頃から動物と話せるらしいで}

{わかったよ、それじゃあお前はこのままこの子の傍にいてやってくれ}

{やっと帰れ・・・・・ん?}

{いっとくがこれを断ったら果実はナシだからな}

{んな横暴な!}

{まぁここから送り返すにしても俺がやらないといけないしな}


それから喚くチールを無視してメルダに話しかける。


「さてこいつは私の友人であるチールですよ」

「友人ですか?」

「ええ、私は貴方と同じで動物に話しかけることができますので」

「・・・・本当ですか?」

「信じられないのも無理はないですねですので尋ねてみたらいかがですか」


そのチールは{真顔で友達とか言われて照れるやないか}と嬉しそうにしている。


{おい}

{はっ!}

「・・・・」

「いかかですか」

「本当・・・ですのね」


同じ能力を持つ仲間にあえて嬉しいのか笑顔を浮かべる。


「ええ、そうだ少しの間チールの面倒を見てみませんか」

「いいのですか」

「もちろんですよ」

「ではぜひ!」

{じゃあ頼む}

{あいあい、監視っちゅ~事でええか?}

{そうだ}


チールに腕を伸ばすとチールはするするっと肩に止まった。


「かわいいです」

「それはよかった」

「ですが本当にいいのですか?」

「ええ少しの間チールと遊んであげてください」


そのあと俺は自室に戻ってチールにある程度の情報を教えといた。その後夕飯を食べて何事もなく今日が終わった。

関西弁がおかしかったらすみません。


それとヂルのステータスです


name:ヂル

種族:白鋼鳥

年齢:0

状態:良好

生命力:573/573

魔力量:875/875

腕力:584

脚力:571

敏捷性:386

耐久力:1062

器用度:87

魔質:445

魔抗:465

視覚:D

聴覚:D

触覚:E

嗅覚:D

魔法適正:土・光

【種族特性】

体格変更:体の大きさを自由に変えられる

鋼の羽:羽を鋼のように硬くする、重さは変わらない

特殊技能(ユニークスキル)

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