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わくわく異世界冒険?  作者: りんごはるさめ
3章
90/102

82話 咬ませ犬幹部様による打切りエンド

どうもあけましておめでとうございますm(_ _)m

え?遅くないかって?……すみませんm(_ _)m休日をエンジョイしてました。

いや〜5連休なんて普通じゃもらえませんからね。

食う、酒、寝る、とかなりぐうたらな生活をさせてもらいましたw


一応は2018年最初の投稿ですので一応抱負的なものを……

今年は描写の表現力とかを上げられる様に頑張りたいです。……語彙力が課題なんです。

長々と書きましたが、2018年も宜しくお願いしますm(_ _)m


2018年1月15日に改稿してます


 82話 咬ませ犬幹部様による打切りエンド


 ゆっくりとゲルバルドへと歩み寄りララは口を開いた。


「ゲルバルドさん、貴方はハヅキ様と手合わせをしたいと仰っていましたが、その程度・・・・の実力でハヅキ様と戦われるおつもりですか?」

「……それは我に対する侮辱ととっても良いのか?」


 ゲルバルドがそう言うと辺りに撒かれていた殺気がさらに強くなり、ガルムたちが息を飲むのが分かった。

 それに対しララは非常に落ち着いた微笑みを浮かべながら、まるで小さな子供をあやすかのように……って、え?ララさん?何してんすか?なんで急に煽ってんの?そんなこと言ったら怒るに決まってんじゃん。

 しかし、ララの言葉はそこで終わらない。


「いえ、侮辱等ではございません。私は事実・・を申しているだけです。貴方程度では私にすら勝つ事は出来ないでしょう。それなのに遥か高みにいらっしゃるハヅキ様と戦うだなんて身の程知らずにも程があります。」


 そこまで言い切るとララは俺の方に向き直って完璧にやりきったぞと満面の笑みを向けて来た。まるで『ハヅキ様のお望みの通り私が片付けます』とでも言いそうな……ってか今、小声で言ったな!

 さっきの嫌な予感はこれだったのか!全く望んでねぇよ!


「クハハハ!そこまで主人のことを信じるか!それなら貴様を殺してハヅキとかいう男も殺すだけだ!」


 ゲルバルドはそう笑って腰に吊るした長剣を抜き放ち、ララへと肉薄する。

 最悪の展開に思わず膝を付きそうになるが、それは状況が許してくれない。ララでもあいつの相手は問題なく出来るとは思うが心配である事に変わりはない。

 一瞬、止めに入ろうと思ったがララに目で『私に任せて下さい』と言われたので任せる事にした。

 本当にやばそうだったら無理にでも割って入ろう。

 そう心に決めたことで俺はララの戦いを見守る。


 まだ、ララの持つ武器、白虎と黒龍では届かない距離。ゲルバルドの獲物だけが届くその距離でゲルバルドは鋭く袈裟斬りを放つ。

 いくら身体を魔力で強化をしているとはいえSTRは倍以上の差がある。正面から受け止めれば、ただでは済まないだろう。

 そんな攻撃の中ララは前へ出ながらゲルバルドの攻撃を往なす。

 その判断の結果、ゲルバルドだけでなくララの攻撃も届く間合いへと変化した。


 左肩から迫ってくる長剣を右手に持つ黒龍で受け流しつつ、鎧の継ぎ目をめがけて白虎で切りつける。

 しっかりと継ぎ目を切りつけたララだったが、その攻撃はゲルバルドには効いていないようだった。

 そのことを瞬時に判断し、ララは別の攻撃へと移った。

 切りつけた反動をそのまま活かして蹴りを放つ。回し蹴り気味に放った蹴りは綺麗にゲルバルドの胴を捉え、さらにその反動で一度距離をとった。まさに攻防一体とはこの事だろう。


「ふむ、反応は良いな。だがそんな攻撃で我を倒すなど笑止!」

「……なるほど。普通の攻撃では通りは悪そうですね。」


 獰猛に笑う二人は楽しそうに再び距離を詰める。

 ……ララさんや。君はいつからそんなに好戦的になったんだよ。


 そんな俺の心の叫びはララには全く届かず、激しい攻防は続く。

 ゲルバルドの突きをララは紙一重で躱し、一瞬にして背後をとった。そして次の瞬間、空気が爆ぜる。


 バンッッ!と空気が爆発したかと思うとゲルバルドが宙を舞い、たたらを踏む様にして何とか着地した。


「ぐふっ!な、なんだ今のは!」

「……なるほど。この攻撃は有効なんですね。」


 有効な攻撃が分かったと一人頷くララに対し、俺を除いた面々はみんな疑問顔だ。


「今の攻撃はなんだ!?目で追えなかったぞ!」

「そうですね。一瞬で背後を取った技術もそうですが、ラナンキュラスさんの戦闘技術は普通では無いです。」

「え〜!?お二人にも分からなかったんですか!?」

「……ランちゃん?俺はどうかって聞いてくれないの?」

「………ケイトにわかる筈が無い。それくらい、私でもわかる。」

「ハハ……ハハハ〜………。」

「それひどくねぇ!?」


 本当にこいつらはシリアスという言葉を知らないのか?真面目にしてる時の方が珍しいぞ?

 そんな俺の心の声が漏れたのかガルムの矛先がこちらに向いた。


「おい!ハヅキ!今のはどういう事なんだよ!お前ならわかるんだろう!?」


 確かに俺は全部見えてたから何が起こったとか全て分かるんだが……これは喋っても良いのだろうか?態々仲間の技を説明してやる事も無いとは思うんだが……。


「……今のは鎧通しって技術で、鎧や外装には傷をつけずに体の内部に衝撃を与えて内側から破壊する体術なんだ。」

「……聞いた事の無い技術だぜ。それであんな爆発音が出るのか?」

「いや、鎧通し自体はあんな衝撃音は出ないよ。言葉通り衝撃は突き抜けるから。ただ、ララの場合は違う。今のは掌底を風魔法で加速させてさらに魔力を衝撃波として流しこんだんだ。」


 悩みはしたが、俺は素直に話すことにした。というのも別に知っていたところでどうこう出来る話では無いし、そもそも真似しようにも出来ないからだ。

 鎧通し自体、秘伝や奥義に位置する様な技だし、見よう見まねで出来る事では無い。

 ララがこの技を使えるのは毎朝の特訓中に俺がやろうとしたのを見たからで、俺が出来ないこれをララはたった一回で成功させた。………体術の練度は俺の方が高いんだけどなぁ。


「それであんな音が出るのか。」

「まぁ、あの音は掌底の速度が速すぎてソニックブーム……って言っても分かんないか。ざっくり言うと掌底が音よりも速くなったせいであんな音が出るんだよ。」

「……なに言ってるか分かんねぇが、すげぇって事は分かった。」


 そう、ララの拳(掌底)は齢17にして音を置き去りにした!……すみません言いたかっただけなんです。会長大好きなんです。許して。

 そんな俺たちの緊張感のかけらもないやり取りとは真逆にララの方は実に緊迫感のある空気が流れていた。そんな中、ララは口を開く。


「……大層な事を仰っていましたが、この程度なのですね。」


 ポツリと呟くほどの実に小さな声。しかし、ゲルバルドの耳に入るには十分な声量だった様でゲルバルドの態度が豹変した。


「クックック。クハハハハハ!……あまり調子に乗るなぁぁ!小娘ガァァァ!!!」


 ゲルバルドは一度笑い出したかと思ったら一気に魔力を放出し、叫んだ。その衝撃で周りの木々が揺れるのが分かる。

 しかし、ララがその事で驚く事はなかった。それどころか小さく笑い挑発する。


「ふふふ。化けの皮が剥がれていますよ?」

「黙れぇぇぇ!小娘風情が調子に乗りやがってぇぇぇ!!!」


 挑発するララにそう叫びながら突進するゲルバルドの速度は今までの比では無かった。魔力による強化を全力で行い、ララに肉薄する姿からも本気具合が誰の目から見ても分かる。

 だが、俺はその時点でララの勝利を確信した。何事も戦いにおいて冷静さを欠けばその時点で負けが決まるからだ。


 今までの技術・・に裏打ちされた攻撃とは違う、ステータスや身体能力に依存した直線的な一撃。

 それは普通なら必殺の不可避の一撃としてたり得た攻撃だろう。しかし、ララは普通ではなかった。


 最上段から振り下ろされる長剣をするりと避け、すれ違いざまに4回切りつけた。

 最初の攻防で見せた様子見の攻撃ではなく、武器までもを魔力で纏い強化した本気の攻撃。その攻撃は最初の攻撃の様には弾かれず、その鎧を綺麗に断ち切った。

 一瞬の静寂の後、ガラガラと音を立ててゲルバルドは崩れ落ちる。

 そして手足と胴の5つに分かれたゲルバルドを前に優雅に一礼し、ララは一言だけ口を開いた。


「貴方が如何に身の程を弁えない発言をしていたか、ご理解いただけたでしょうか?」


 ゲルバルドの答えは聞かず、満面の笑みでこちらに歩み寄ってくるララを俺は出迎えた。


「ララ、お疲れ。」

「ありがとうございます、ハヅキ様。」

「見事な戦闘だったんだけどさぁ……。別の手段とかは無かったの?」

「ハヅキ様があまり戦闘はしたくなさそうな雰囲気でしたので私が始末しようと思ったのですが……。」


 確かに俺は戦いたく無かったし、その通りなんだけどさ。それはララにも戦って欲しくはなかったんだよなぁ。だって結局目立つ事になりそうだし。……いや、そんな心配をするのは今更か?でもなぁ……。

 未練がましくもっと他に目立たないいい方法があったんじゃないか?と頭を悩ます俺をこちら側に引き戻すかの如く、ゲルバルドが叫んだ。


「クッハハハハ!面白い!面白いぞ小娘!だがな、我を倒したところで良い気になるなよ!我は魔王軍幹部ではあるがその中でも末席、最弱なのだ!第2、第3の我よりも強い刺客が貴様ら人間を滅ぼすぞ!ハーッハハハハ!」


 ……そのセリフだけはダメだと思うんだけどなぁ。

 さっきまで出ていた強い奴っぽい雰囲気が一気に無くなって、今はもうただの咬ませ犬にしか見えない。あと、手足と胴が5つに別れてる中喋るなよ。気持ち悪すぎるわ。

 気持ち悪い高笑いを続けるゲルバルドを前にドン引いて何も言えないでいた俺だったが、そんな奴を前に一人、ふざけるなと言わんばかりに魔法を唱える奴がいた。


「そんな事はさせません!そのために私たちがいるんですから!リターンオブアンデット!!」


 ランが魔法を唱えた途端ゲルバルドを強烈な光が包み、消し去った。恐らく光魔法の類だろう。

 奴には耐光属性のスキルがいくつかあったが、ララとの戦いのせいで瀕死だったんだろう。特に対抗している様子もなくどんどん体が薄れていく。

 ……なんかランのそのセリフ、主人公っぽさが凄いんだけど。いや、言ってみたいかと聞かれれば絶対にお断りなんだけどなんか引っかかるというかさ。

 一瞬、最後の方に『私たちの冒険はまだまだこれからだ!○○先生の次回作にご期待下さい!』みたいな文字が見えたんだよね……。いや、気のせいか。


 ゲルバルドが綺麗に消えた次の瞬間、ガルムたちから大きな歓声が沸いた。










一応、この物語は打切りにはなりませんw


ご視聴ありがとうございます。

ブクマ、評価ありがとうございます!


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別作品の宣伝を少し失礼します
お時間がありましたらこちらもお願いします
私、勇者召喚に巻き込まれて死にました?
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