81話 筋肉式超理論と魔王軍幹部
今年最後の投稿です。
今年の晩夏に投稿を始めてあっという間に年末まで来てしまいましたw
初心者丸出しな拙い文章ながらも、たくさんの方に応援、支持して頂けた1年?数ヶ月?でした。
来年はもっとうまく書けるように頑張ります。
長々としましたが本編をどうぞ。
2018年1月15日に改稿してます。
81話 筋肉式超理論と魔王軍幹部
鼻息を荒くするゲルバルドを前に俺が何も言えないでいると、待ったの声が掛かった。
「おいおいおい!俺たちは退けもんかよぉ!あぁん!」
……待ったの声、と言うより恫喝と言った方が表現としては近いんじゃね?ヤーさんかなんかかよ。
今時、N◯Kの集金業者でももっと穏やかだぞ。
しかし、そんな声に動じる事もなくゲルバルドはガルムに無い頭を下げるように向き直った。
「ん?あぁ、すまんな。別にお主たちを無視していた訳では無いのだ、強き者よ。ただ、彼ほどの強者を前にしてしまい、つい浮かれてしまったのだ。……許して欲しい。」
「……なるほど、一理あるな。」
「「「「「ねぇよ。(ないです)」」」」」
思わず、みんなしてハモった。
そりゃそうだろう。一体どんな筋肉式超理論を駆使すればそんな答えに行き着くんだよ。
全員(エリルは除く)からツッコミを受けた二人は必死に言い訳を始めた。
「いや待てよ。目の前に強い敵がいるんだぞ?戦いたくなるだろ!?」
「ならねぇよ旦那。いい加減その悪癖は何とかした方がいいぞ。」
「そうですよ、ガルム!そのおかげでどれだけ私が苦労しているか、あなたは知らないでしょう!?」
「いや、悪いとは思うがこれは武士としての性なんだ。どうしようもねぇよ。」
「悪いと思うなら少しは改善して下さい!そのせいで私の胃に穴が空いたらどうするんですか!?」
「そうだぜ旦那。あんたの事は尊敬してるがその悪癖だけはいただけねぇ。旦那が暴れた後の処理の大変さが分からねぇのか。」
「まぁまぁ、そこの二人共落ち着いて欲しい。強者は強者を求めるものなのだ。主ら程の強者ならわかる筈だろう?」
「「分からねぇよ!(分かりません!)」」
……ナニコレカオス。やっぱりこいつらは漫才集団だったのか。
数分間の実にくだらない言い合いの後、両陣営共ひとまずは落ち着いたようだ。
「とにかく、俺たちはゲルバルドの討伐の依頼を受けてここへ来たんだ。それならどの道戦うしかないだろう!」
「そう!そうだ!今、その強き者がいい事を言った!お主らは我の討伐に来たのだろう!?ならば戦うしかあるまい!」
……うん。落ち着いてはなかったな。
それにしても自分で『自分の討伐に来たのだから戦え』って言うなんて……。一体どんな頭の中身をしてんだよ。
間抜けな理由だなとは思うが、その二人の主張が通ったと言うか、尤もせいで話は決着した。
そして話が落ち着いた途端、先ほどまでのおちゃらけた雰囲気は消え失せ、辺り一帯に濃密な殺気が振りまかれた。
「……さて、巫山戯るのもこの辺にしてそろそろ戦おうではないか。強き者たちよ。」
ギャグっぽい雰囲気を作り出していたのはあいつも一緒だったはずなんだけどなぁ……。と言うか、今までのやり取りのせいでこの殺気も盛大な前振りにしか感じないんだけど……。
俺は感覚的に俺やララの方が強い事は分かってはいるが、念の為に魔眼でゲルバルドのステータスを確認する。
名前:ゲルバルド(首なし騎士)
称号:魔族領騎士爵
LV69
HP 2811/2811
MP 1019/1019
STR 2819
VIT 6192(+200)
DEX 1021
INT 102
AGI 2712
スキル(身体系):<魔力制御LV4><身体強化LV6><縮地LV3><闇の羽衣LV5>
スキル(その他):<魔王の祝福LV-><威圧LV-><騎士道LV->
スキル(武術系):<剣術LV6><盾術LV5><体術LV6>
スキル(魔法系):<闇魔法LV2>
<闇の羽衣>…光魔法に対する耐性が上がる。
<魔王の祝福>…光魔法に対する耐性が大幅に上がる。魔族軍幹部の証でもある。
<騎士道>…騎士職に就く者が志す信念の証。VITにステータスのボーナスがある。最大で250。
流石魔族とだけあってめちゃめちゃ強いな。
スキルの練度も結構高いしステータスも高い。
まぁ不幸中の幸いと言って良いのか、奴はスキルの<盾術>を持っているが盾を装備していない。その事はラッキーだったと言ってもいいだろう。まぁ、こいつの討伐を受ける事になった時点でラッキーもクソも無いようなもんだが。
それにしてもVITとかおかしいだろう。6000って何だよ。まぁ、闇堕ち?したとはいえ元は騎士だったんだろうし、仲間を守るって意味ではVIT特化なのは分からなくはない。
……でも6000はないわー。
ちなみに俺とララのステータスは……
名前:ハヅキ・アマミヤ
種族:人間
年齢:18
称号:鍔鳴り、皇帝殺し
LV44
HP 4011/4011
MP 14931/14931
STR 2900
VIT 2900
DEX 5700
INT 3500
AGI 5700
固有スキル:<真実の魔眼><刀神の器><賢者の器><精霊王の加護>
スキル(身体系):<魔力制御LV9><身体強化LV8><索敵LV4><隠密LV3><縮地LV6>
スキル(その他):<胆力LV-><威圧LV->
スキル(武術系):<刀術LV10><体術LV8><見切りLV7>
スキル(魔法系):<生活魔法LV-><火魔法LV10><水魔法LV10><風魔法LV10><土魔法LV10><氷魔法LV10><雷魔法LV10><光魔法LV10><闇魔法LV10><時空魔法LV10>
名前:ラナンキュラス
種族:エルフ
年齢:17
称号:メイドオブメイド、絶対たる従者
LV70
HP 1321/1321(+500)
MP 8012/8012(+500)
STR 967(+500)
VIT 1031(+500)
DEX 3091(+500)
INT 2781(+500)
AGI 4182(+500)
固有スキル:<空間把握LV7><影法師LV->
スキル(身体系):<魔力制御LV7><身体強化LV7><隠密LV7><縮地LV5>
スキル(その他):<奉仕LV7><料理LV7><家事LV7><威圧LV-><忠誠LV-><親愛LV->
スキル(武術系):<短剣術LV7><体術LV7><見切りLV6><二刀流LV5><暗殺術LV5>
スキル(魔法系):<風魔法LV7><光魔法LV5><闇魔法LV3><影魔法LV7><生活魔法LV->
備考:ハヅキの奴隷、ハヅキのメイド、ハヅキの女
……うん。言いたいことは分かる。
何だかステータスもスキルもおかしなことになっている事くらい俺でも分かる。むしろ自分の事だから良く分かってる。
レベルが31を超えたあたりから急にステータスの伸びが今までとは比べものにならないくらいに良くなって、気がつけばこんな事になってたんだよ。
まぁ3週間の間、毎日何十と魔物を討伐してればレベルも上がるわな。……それにしてもMP約1万5千は酷いと思うが……。
それと体術とかのスキルが上がっているのはララが帰って来てから毎朝、組手や模擬戦をする事にしたからだ。
『体術はどの武器を使おうとも戦闘の基礎になる』とララが師匠に教えて貰ったと言っていたので、ララはその修行の延長で、俺は一から基礎を叩き込むべく、取り入れる事にしたのだ。
ララの師匠仕込みだと言う体術に最初はなす術も無くボコられていたが、だんだんと慣れて来て2週目に入る頃にはついていけるようになり、3週目に入ると俺の方がかなり優勢に試合を運べるようになった。
ララは『たった2週間でここまで強くなるとは流石ハヅキ様です!』とか言っていたが、俺からすればチートスキル有りでこの結果なのだ。別に褒められたものでは無いと思う。
寧ろ、ララはチートスキル無し、しかも数日で人外オブ人外のお師匠さんについていけるようになったんだろ?どう考えてもララの方がすごくね?
……というか今更だけど実はララってとんでも無い天才だったりしないか?スキル云々とかじゃ無くて存在がチートな気がするんだが……。
魔物狩り、毎朝の特訓と続けていたおかげで俺たちのステータスもスキルもかなり上がった。
でも、ここまで強くなってもララは『私では師匠の足元にも及びません』とか言うんだぜ?師匠は一体どんなステータスしてんだよ……。
っと話が逸れたな。
とまぁ、ゲルバルドと俺のステータスを比較したところ、VITの高さでは完敗しているものの、STRを除き他では俺が圧勝している。
スキルの練度を見ても俺の方が高いし、ぶちゃけ俺の相手にはならないだろう。それどころかララの相手だって務まりはしないと思う。
だが、俺は奴を前に溜息を吐いた。
理由は奴が思ったよりも強かったからだ。
当然、ステータスもスキルの練度も俺やララの方が上だろう、戦っても瞬殺する自信がある。(一部は除く)けど、一般冒険者から見ればあいつは十二分に化け物のような強さを持っている。
それこそガルムたちにさりげなく手柄を譲るのは難しいくらいに。
当初考えていたプランが使えなくなり、一体どうすればいいんだ!と俺が頭を悩ませていると、突然ララが全て分かっていますよと言わんばかりに微笑み一歩二歩と歩み寄ってゲルバルドに話しかけ始めた。
……え?ララさん?急にどうしたんですか?
俺は何故か嫌な予感を感じ、背中に冷や汗が流れるのを感じた。
中途半端なところですみません……。
前書きでも書きましたが、これで2017年の投稿は最後です。
みなさんの応援のおかげで執筆が出来ていると言っても過言ではありませんw
本当にありがとうございます!
ここまでご視聴頂きありがとうございます。
ブクマ、評価など頂き本当にありがとうございます!




