76話 束の間の平穏と新しい依頼
大変お待たせしてすみませんm(_ _)m
リアルが多忙だった事と、
万全を期して挑んだ艦◯れの秋イベが完走出来なかった為に、き◯らファンタジアへ現実逃避して投稿が遅れました。(主にイベントのせい)
今日は休みなので、その代わりと言ってはなんですが、数話分投稿しようと思いますので
どうかご容赦下さいm(_ _)m
……それとご◯うさの参戦はまだですか?(真顔
1月11日に一部改稿しています。
76話 束の間の平穏と新しい依頼
俺とララは今日も依頼を終えてギルドへと向かっている。
実は俺とララの初夜の日から約3週間が経過している。その間に何があったかと言われれば何も無い。実に平穏な毎日を過ごしている。
毎朝起きて、ギルドで依頼を受注し、夕方には帰ってきて報告、報酬を受け取る。そして夜には二人でしっぽりと過ごす。
そう、俺が求める『まったりとした異世界ライフ』を満喫していたのだ。
そんな生活を3週間ほど続けていくつか分かった事がある。
まず、ララが購入した2振りの短剣はやはりと言うべきか素晴らしい業物だった。
ララの扱いが上手いと言うのもあるんだろうが、剣との相性が最悪だと言われるDランクの魔物のロックリザードを刃こぼれもなく綺麗に真っ二つにした時は驚いた。
特に『黒龍』の方はララが少しの魔力を纏うだけで切れ味が跳ね上がるらしい。これは武器がララを持ち主として認めているからなんだろうか?
そして非常に今更ではあるが、ララの体調に関しても気を付けておかなければいけない事がある。
所謂、女の子の日だ。
女性はその日が近づいて来ると著しく体調が悪くなったりして、中には立ち上がる事も難しくなる人がいるとか。そんな日に依頼を受けて戦闘にでもなれば危険なのは誰からの目でも明らかだ。
とまぁ、ここまで偉そうに言ってきたが、その事に気がついた理由は実に情けないもので、ララとすると最後は中に出してくれと絶対に譲らないので妊娠するんじゃ無いかと心配したからだ。
まぁ、種族が違うので妊娠を気にしなくても大丈夫だという事に気が付くのにはもう少し時間が掛かったが……。流石にこの歳で子供はなぁ……。せめて日本に帰る手段を見つけてからにしたい。でないと旅はできないだろうし。
とまぁ、最後の方は少し話が拗れた気がするが無理をしない範囲で依頼を受けて達成、ついでに魔物狩りをしていたのでお金の方はかなり順調に溜まっている。
まぁ貯蓄が出来ているのは収入が結構良いというのもあるが、一番の理由は宿を変えた事だろう。
まずそもそも考えて、宿代が1日白金貨1枚というのがおかしかったのだ。俺たちが頑張って稼いでも1日に金貨数枚だ。どう考えても赤字にしかならない。
そうなると必然的に宿を変える必要があるのだが、この世界でも風呂に入る事ができると知るとそこは妥協できないポイントで……駄目元でアリアに風呂付きの宿が他にないか聞いたところなんと1件だけあった。
紹介された宿屋は『満腹食い倒れ亭』と言ってご飯が美味しい宿だ。
なんでも黄金色の盃亭のように風呂を設置すれば貴族のように身なりが良く、お金を落としてくれそうな人が集まるのではないか?と当時の亭主が考えたらしいが、結果は失敗。
理由としては……ネームバリューの差と言わざるを得ない。普通に考えればポッと出の似非高級宿屋に止まろうとする貴族はいないだろう。
処分にしょうにもお金がかなりの金額掛かるとのことで、そのまま各部屋に置いてあるそうだ。大きさも俺とララの二人で入る事ができるし十分すぎる。
気になるお値段は朝晩の食事込みで一人一泊1銀貨。俺とララの二人でも銀貨2枚ですむ。風呂の湯を沸かすのを店にお願いすると黄金色の盃亭と同じく白金貨1枚かかるが自分たちで入れるため関係ない。
当時、というか今の亭主には悪いけど、俺としてはとても助かっている。
そしてこれは後になってアリアから聞いた事だが、黄金色の盃亭は上流階級の者も宿泊する宿だがその人達も泊まって数日くらいなものらしい。それ以上ともなると流石の貴族様も懐が厳しいとか……。
いくら俺が予算度外視でと言ってもそんな価格の宿を紹介するなよ。……まぁ、そのおかげで風呂の存在を知る事が出来たしよしとするか。
ともあれ俺たちは無理のない範囲で自重という事をせず、荒稼ぎしている。
理由はお金に余裕が無かったとか色々あるが、ぶっちゃけ実力を隠すのが面倒になったからだ。
いや、最初は俺も少しは隠そうと頑張っていたんだよね。けどさ、考えてみて欲しい。
俺が頑張って実力を隠すべく弱い魔物だけを討伐したとしよう。そうすると当然報酬が減ってしまい、生活が苦しくなる。流石にそれは許容出来ない。
いくら目立ちたく無いからと言って、自分たちがそれで貧乏生活を強いられるのは勘弁願いたい。
なら、弱い魔物を数多く討伐すれば?と考えるがそれでも目立ってしまうし、何よりそれをすると新人冒険者達の獲物が無くなってしまい、彼らの生活が苦しくなるかもしれない。
それを知っていて行える程俺は外道では無い。
そうなると残る道はそれなりに強い魔物を討伐する他ない。
幸いと言っていいのか、ララが修行に使っていたカヴァルトの森ではCランクやDランクの魔物が大量にいた為、獲物には困らなかった。
しかし、それらはおまけの様な理由で、俺の心を叩き折った理由はこれだ。
「おい、『鍔鳴り』と『絶対たる従者』が戻ったぞ。」
「嘘だろ!?あいつら朝に依頼を受けてたよな?まだ昼だぞ。もう完了したのか!?」
「……流石、『鍔鳴り』だぜ。普通じゃねぇよ。」
「はぁはぁ、ラナンキュラスたん可愛いでござるぅ。prprしたいですなぁ。」
「「「…………死にたくなけりゃやめとけ。」」」
……完全に二つ名が定着してしまっている。
目立たない様にするとかの話では無い。既に目立ってしまっているのだ。
ザ・厨二病な二つ名は大切なものを失って既に馴れてしまったが……恨むぞぉ、ケルヴィンとノルン達。あとなぜだかララにも二つ名が付いてしまっている。
ギルドに顔を出す度に二つ名を呼ばれてヒソヒソと噂をされるんだ。
居心地は最高に悪いが、仕事の為に此処へは来ないといけない。それならいっそ開き直ってしまえ、となり現在に至る。
と言うか、今考えたらBランクだって事は知れ渡ってしまっているし、実力の隠しようが無いじゃないか。……アホだな、俺は。
しかし、ここまで怖がられるとは思わなかった。……やはりアレが悪かったのだろうか?
グレイヌから武器と防具を買った俺たちはそのまま依頼を受けに行ったのだが、俺たちは不良冒険者に絡まれてしまった。
普段なら『ハイハイワロス』でテキトーに流すのだが、それを俺は容赦なく叩き潰した。
理由は俺ではなく、ララにちょっかいを出そうとしていたからだ。
流石に命を奪ったりはしていないが、絡んできた全員に腹パンをかまして、蹲っているところに殺気を振りまき、『次は無いぞ。』と脅しをかけたのだ。
それからと言うもの今迄の値踏みする様な視線や面倒な絡みは一切無くなったので、良かったと言えば良いが、代わりに『あいつの女に手を出すな。殺されるぞ。』と囁かれる様になってしまった……。
どうしてこうなった。orz
まぁ、理由はわかっている。俺はララの事になると自重という言葉が頭の中から綺麗に消えてしまうのだ。
あの時だってあいつらがララに触れる事が出来る筈が無いのは頭では理解していたが、体が先に動いてしまった。……反省する気は一切無いのだが。
しかも、それはララと一緒にいる程、ララと体を重ねる程、大きくなっている気がする。
それだけ俺の中で彼女の存在が大きくなっているのは、彼女が気を許してくれている気がして嬉しい反面、怖くもある。
なんだか、ドンドンはまってしまって依存してしまいそうなのだ。
もし『貴方にはもうついて行けません!』なんて振られでもしたら間違いなく首をくくるだろうなぁ。
……っと話が逸れた。
そう言った訳で俺たちは自由気ままにこの3週間を暮らしている。
今日も朝に受けた依頼を完了したので、ギルドに戻り報告をしているところだ。
「アリアさん、お疲れ様です。依頼の完了報告をしたいんですがいいですか?」
「はい、大丈夫ですよ。……それにしても本当に早いですね。この依頼ってどんなに早くても2〜3日はかかるものなんですが。」
「まぁ、彼女がとても優秀ですからね。」
「ふふふ、ハヅキ様はご冗談がお上手ですね。……そういったところも大好きです♡」
「ありがとう。」
「……あの〜すみませ〜ん。確認を取るのでギルドカードをお預かりしていいですか?」
おっと、どうやら二人の世界にトリップしてた様だ。最近は油断すると直ぐにこうだからなぁ。恥ずかしいのは恥ずかしいんだが……。馴れって怖いなぁ。
俺たちはカードをアリアに渡して数分の間待つ。
すると、いつもの様に小袋の中に報酬を入れてアリアが戻ってきた。………ケルヴィンを連れて。
「やぁやぁ、久しぶりだねぇ〜ハヅキくん。それにラナンキュラスちゃんも。」
「お久しぶりです、ケルヴィン様。」
「……どうしてあなたが一緒にいるんですかね。」
「それはそこに愛があるからさ!」(^_−☆
………うん、そうだよな。これは帰れってことだよな。
「……アリアさん今日は俺たち帰りますね。報酬は後日受け取りに来ます。それじゃあ。」
「かしこまりました、ハヅキ様。それでは皆様失礼致します。」
「え?え?」
「ちょ、ちょっと待ってよ!ごめん!ごめんって!僕が悪かったから帰らないで!」
なんだ。今日は帰れって事じゃないのか。……次やったらあの綺麗な顔をぐちゃぐちゃにしてやる。イケメンは有罪だからな。
俺は冷たい視線をケルヴィンに向けながら釘を刺す。
「……次は無いですよ。」
「ちょっとした悪ふざけじゃないか。」
「……。(しらーっ)」
「わ、分かったよ、ごめんって。こほん。……実は君たちに話があって来たんだ。それで、この後上に来てくれるかな?」
俺は思わず顔を顰める。
え?なにそれ?すげぇ面倒臭そうな話の予感なんだけど。
「……とても断りたいんですが。」
「そうすると君たちの宿までついて行かないといけなくなっちゃうんだよね〜。」
「………男のストーカーとか気持ち悪いのでやめて下さいよ。」
「ハヅキ様。どうしてもと言うのであれば、私が消しますのでなにも問題ありませんよ?」
うん?……一体何を言っているんだろう?俺の彼女は。怖いし、その発言自体が大問題なんだけど。
「いやいやいや!普通に話を聞きに行くよ。一応言っておくけど消しちゃダメだからね!?」
「承知しております。」
「えっと…………僕は命拾いしたって事でいいのかな?」
ララなりの冗談にしては肝が冷えたな。だって真顔で言うんだもん……普通に怖えよ。
「それじゃ、上で待ってるよ。……アリア、あとはよろしくね。」
「は、はい!了解致しました!」
うわー、アリアが軍人ばりの敬礼をしてる。ケルヴィンってギルマスの威厳とかがないって思ってたけどそんな事はないのかな?
「お待たせしました。こちらが今回の報酬です。」
「……ありがとうございます。」
俺は報酬を受け取りつつ、この先に待ち構えている面倒事にため息を隠せないでいた。
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