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わくわく異世界冒険?  作者: りんごはるさめ
3章
82/102

74話 幸せのかたち

皆様の応援のおかげで総合評価が300ptを超えました。

本当にありがとうございます。

拙い作品ですがこれほどまでに支持して頂き重ね重ねありがとうございます!

これからも頑張って投稿して行きますので、変わらぬご声援を頂けると嬉しいです。


お待たせしました。第74話です。

この話から一応は新章という事で話を進めて行きますが……細かい事は決まって居ません(ドヤァ

……すみません。上手い事話が纏まる様に頑張ります。


2月22日追記:話数間違ってました。正しくは74話です。


 74話 幸せのかたち


「目を開けると世界が変わって見えた。」


 あっ、どうも。昨晩、男になった雨宮葉月です。

 え?さっきのセリフは何だって?いやー、卒業すると世界が変わって見えるって話だったんでそれっぽく言っておこうかなと。いきなりかましてごめんね?

 ……まぁ、実際に見えている風景というか、部屋というか、ベッド周りの有様はまるで違うんだよね。


 換気をしてないせいで匂いが部屋中にこもっているし、枕は床に落ちているし、綺麗に整えられていたシーツはぐちゃぐちゃ乱れ、白っぽいシミや赤っぽいシミなんかが沢山付着してしまっているし。

 他の空間は綺麗に整えられているだけあって、余計にこの空間の異質さが浮き彫りになってしまっている。まさにカオスと形容する他ない。


 ……うん、やり過ぎた。

 俺自身お風呂以降の記憶が凄く曖昧になっていて、何をどうしたかとかがいまいち思い出せない。


 自身の行いに顔が引きつっていると、ふと右手に温もりを覚えた。

 そこにはこんなにカオスな状況の中、穏やかに寝息を立てる彼女マイエンジェルの姿が……。


 ……俺、本当にこの子としたんだよな?この子が俺の彼女って事でいいんだよな?

 今更不安になってきた俺だったが、右手から伝わる温もりを感じ思わず顔がにやけてしまう。

 まるで彼女の気持ちが手を伝って俺に届いている様だ。


 日本にいた時は誰かにこんなにも一途に想ってもらった事は無い為、照れ臭くもあるがそれ以上に嬉しい。

 ……あと今更な上、関係無いが、彼女マイエンジェルは無いだろ、俺。


「……俺も頑張らないとな。」


 一人幸せを噛み締めているとララの瞼が小さく震えた。


「……っん………。…………?」

「あ、ごめん。起こしちゃったか……おはよう、ララ。」

「………ぅえ?……あっ!……おはようございます♡」


 どうやら完全に目が覚めたようで、ララは優しく目を細めてこちらを見る。


「申し訳ございません。ごsy……ハヅキ様よりも遅く起きてしまって。」

「いや、気にする事じゃ無いよ。……その、原因は俺にあるだろうしね………。」


 そう言ってベッド周りに目をやるとララも釣られて同じ方向を見る。

 すると昨日の出来事を思い出しているのだろう。

 見る見るうちに顔が耳まで真っ赤になって俯いてしまった。


 ……何この子?メチャクチャ可愛いんだけど。テイクアウトしてもいいですか?いや、昨日しっかりと完食しただろとかは言わないで。


「い、いえ。その……私も………嬉しかったですから♡」

「……そっか、俺も嬉しいよ。ありがとう。」

「私の方こそありがとうございます。」

「「……ははは。(ふふふ。)」


 なにこれ。幸せすぎて溶けそうなんだけど。


「よっし!それじゃ今日も頑張りますか!」

「あっ!……少しだけよろしいでしょうか?」

「ん?なに?………んっ!」


 ララは完全に起き上がろうとする俺の首に腕を廻し、唇を重ねてきた。


「………んっ…っぁ………っちゅ………ぁはぁぁ。ふふふ。おはようのご挨拶です♡」

「………っっっ!あ、ありがとう。」

「はい♡」


 俺とララの間を銀糸が名残惜しそうに糸を引く。

 ……随分と過激な挨拶だな。事前に今日の予定を組んで、俺が鋼の精神を持っていなければ危うく昨晩の続きを始めるところだったぞ。


「……。(じー)」

「それじゃ今度こそ……?ララ?どうしたの?」

「……その…………。(///)」


 俺が立ち上がろうとしたところで、ララの視線が一点に固定されている事に気が付き視線の後を追う。


「?……あっ。」

「……。(///)」


 どうやら既に立ち上がっていたようです。……手と口で1度だけ優しく治めてもらいました。

 本当に締まらないなぁ。


 ☆ミ(十数分後)


 気を取り直した俺たちが最初に行った事は部屋の掃除だ。

 窓を開けてから風魔法で部屋の中と外の空気を無理やり入れ替えるようにして換気し、生活魔法でシーツのシミと皺を綺麗に落とす。

 ……ぶっちゃけ、ここがファンタジーな世界で魔法があって本当に良かったと今になって痛感した。魔法がなければここまで完璧な証拠隠滅は出来なかっただろう。

 そうなればこの部屋で何が起こったかモロバレで、恥ずかしさのあまり俺は部屋から出られなかっただろう。ララですら顔を真っ赤にしつつ掃除をしていたくらいだ。


「……じゃあご飯を食べてグレイヌさんのところに行くか。」

「はい。」


 俺たちは1階で朝食をとり、グレイヌさんのいる店へと足を運ぶ。

 宿からグレイヌさんの店までの距離は時間にして数十分のものだけど、今日はゆっくりと歩いていたため倍くらい時間がかかった。


 原因は言わずもがな俺だ。

 いや俺が直接的な理由ではないけど、ゆっくりした理由は『ララが少し歩き辛そうにしていた』からだ。いくら経験の少ない(昨日の1回だけ)の俺でも昨日は絶対ララに無理をさせてしまった事くらいは分かる。

 だから回復魔法を使って楽にさせてあげたかったが…


『じきに馴れるので問題ありません。……それに少し痛いですが、今はこの幸せを感じていたいのです。』


 と下腹部をさすりながら満面の笑みで言われれば流石に使えない。

 俺に出来る事は少しでもゆっくりと歩いてララの負担が大きくならないようにする事だけだ。

 ……なんというか。こういう時、男って無力だよなぁ。
















ご視聴ありがとうございます。

ブクマ、評価ありがとうございます!


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別作品の宣伝を少し失礼します
お時間がありましたらこちらもお願いします
私、勇者召喚に巻き込まれて死にました?
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