54話 ノルンとゆかいな仲間たち
台風ですが皆さんは大丈夫ですかね?
私の住んでいるあたりは雨と風がすごいです。
11月7日に改稿してます
47話 ノルンとゆかいな仲間たち
8日目の早朝、いつものように岩石地帯へと向かうが、俺はいつもとは違う光景を目の前にしていた。
今日は今までしなかった魔法の練習をしようとしていたのだが、そこにはなんと先客がいた。と言っても俺のように何か素振りをしたり魔法を使ったりしているわけではなくて、どうやら野営をしていたようだ。
先客たちは見る限り4人組のパーティーで今は野営用のテントを片付けている。
できれば関わりたくないな〜、なんて考えていると彼らの中の一人が俺に気がついたようで仲間に知らせている。
「あっ、ばれたよ。……どうしようか。」
そもそも遮蔽物がなく、隠れるところがほとんどないこの辺りで彼らを見つけた時点で、俺も見つかるのはお察しなわけだが……。
ともあれこれからどうするかだが、まぁ逃げるは……ないよなぁ。変に盗賊とかに勘違いされても困るし話を聞くだけ聞いたら解散でいいか。
俺が覚悟を決めるのと同時にリーダーと思しき男が話しかけてきた。
「やぁ、こんなところに一人でいるなんてどうしたんだい?」
おそらく人族なんだろうが……くそっ。
俺の目の前には爽やかオーラ全開の金髪のイケメンが立っていた。彼に何か恨みがあるわけでは全くないがくそったれと言わざるを得ない。
「どうも、俺は冒険者をやってるんだがこの辺は人目がつきにくいと聞いてね……。少し自分を鍛えようと。」
肩をすくめ手を広げる。俺の軽い口調も相まってエセ外国人のジェスチャーにしか見えない。……一人でコントをしているようで悲しくなって来た。
そんな俺の様子を見て金髪の彼も俺に悪意はないと思ったのか、警戒を少し解いて自己紹介をしてくれた。
「そうだったのか。俺の名前はノルン、Cランクの冒険者だ。このパーティーのリーダーをしている。」
「俺はハヅキ。1週間前にブレストについたばかりだ。よろしく。」
お互いに名乗ったあたりで握手を交わす。ノルンはランクまで言ったが変に騒がれるのも面倒なので俺は名前だけ名乗る。
「こいつらが俺のパーティーだ。ドワーフの男がゲイルで獣人の犬人族の子がリーン、で最後に人族の女性がセーラだ。みんな俺と同じ冒険者でランクもCだよ。」
俺は紹介された面々を一瞥する。
ゲイルと紹介された男はおっさん顔でかなり小さい。140cmくらいしかないだろう。だが、鎧の隙間から見えるその体ははち切れんばかりの筋肉に覆われていて背にしている獲物は槌、ハンマーだろうがその大きさは彼よりも頭二つは大きい。
そしてドワーフとだけあって顔は実にむさ苦しいまでに髪の色と同じ茶色のヒゲが生えている。……俺のドワーフのイメージのままである意味嬉しかった。
次にリーンと紹介された獣人の子だがこちらもかなり小さい。身長もゲイルよりも少し高いくらいで全体的にちんまりとしている。顔も小顔で整っていてこちらを警戒するように逆立てている尻尾と耳がその佇まいと相まって非常に可愛らしい。
まぁ、日本で言えば小・中学生くらいの歳だろうし俺にロリコンの気はないのでどうというわけではないが。
言うまでももないと思うが女の子です。ちなみに髪の色は薄い青色だ。
最後にセーラと紹介された茶髪の女性だが……素晴らしいの一言に尽きる。一体何頭身だ?と思うくらいに顔が小さく整っていてスタイルも抜群だ。
おそらく神官なのだろうか身にまとっている修道着の上からでもその体のラインがくっきりとわかる。出るとこは出て引っ込むところは引っ込む。……素晴らしい。
「さっきも言ったが俺はハヅキ。1週間前にブレストに来たばかりだ。まぁよろしく。」
同じように挨拶するとそれぞれがバラバラと挨拶を返してくれた。
「おう、よろしく。」
「……はい、よろしく…です。」
「よろしくお願いしますね。」
ノルンを見たときにも思ったがみんな装備がいい。おそらくそれなりに経験を重ねた冒険者なのだろう。俺も早いとこ装備を更新しないとなぁ……。
挨拶が終わり一応の社交辞令として彼らの目的も聞いておく。ここですぐにバイバイなんて言っても感じ悪いしね。
「俺の目的はさっき言った通りだけどノルンたちはどうしたんだ?この辺は魔物も少ないって聞いたし依頼の帰りなのか?」
「いや、まさにこれから依頼に行くところさ。この先に森林地帯があるだろ?そこの魔物の様子がおかしいから様子を見てくるように言われてるんだ。」
確かにこの岩石地帯を超えた先に小さめの森林地帯がある。小さいと言ってもその規模はゴブリンたちしかいなかった皇国のところよりははるかに大きいが。
なるほど理由はわかったが……俺そんな話アリアから聞いてなかったんだけどなぁ。
「……そんな話ギルドで聞いてなかったんだけどこの辺りは大丈夫なのか?」
「あぁこの辺りは大丈夫だよ。だから俺たちもここで野営してたんだし。」
なるほど、この辺りは安全なのか。でもその先は危険だって言うのは教えてもらいたかったなぁ……。帰ったらアリアを問い詰めてやろう。
「そうなのかありがとう。……それじゃあ俺はこの辺で、依頼の邪魔をすると悪いしな。しばらくはブレストを拠点に活動するから何かあればお互い連絡を取ろう。」
そう言って俺はノルンに右手を差し出しこの場を離れようとした。
はたから見れば新人冒険者が先輩冒険者に媚を売っているようにしか見えないのがまたシュールだ。あぁ言うなでもなく初心者なのは俺ね。実際登録して1ヶ月と経ってないし。……ってあれ?さっきの例えって例えになってなくね?
「ん?あぁそうだね。こちらこs…『ノルン』…」
ノルンの言葉を遮って前に出て来たのはなんとリーンだ。物静かな雰囲気だったからちょっと意外だ。
そんな彼女は先ほどまで尻尾や耳を逆立てて警戒していた様子とは打って変わって、俺のことをジロジロと観察している。……な、なんだよ。俺はロリコンじゃないぞ。
「……あなた、もしかして皇国から来た…ですか?」
え?なんで知ってるの?どこかで会ったっけなぁ……。
「そうだけど、どうして?」
「あなたの腰の武器、珍しい…です。それに、最近真っ黒の装備の人が皇国から来たって、聞いた…です。」
一体どこから聞いたのだろうか……風の噂とはすごいものだ。
「でも、おかしい…です。確か話では、二人組だって聞いた…です。」
「あぁ、確かに俺たちは二人組でブレストに来たけど今は別行動中なんだ。」
俺の言葉に納得までとはいかないようだが理解したようでリーンは頷いて続ける。
「そうなのか…です。話では、Bランクの冒険者だって聞いた…です。ほんと…ですか?」
「「「「えっ!?」」」」
リーンの言ったBランクという言葉に俺を含めノルンや彼らは驚いた。
ノルンたちはその格好で?と言った様子だが、俺は一体どこのどいつがそんなことを言いふらしているのかとそっちの方に意識がいって彼らの反応に構っている余裕がない。
「……人違いじゃない?」
「人違いじゃない…です。そんな珍しい格好、間違えない…です。」
ならなんで聞いたし……。
俺の平穏(笑)な生活のため人違いを主張したかったが、間違いようがないとバッサリ否定され少し凹んだ。
というか誰が言いふらしたんだ?この街では目立たないようにひっそりと暮らそうと思っていたのに……。
「……誰から聞いた?」
「…?アリアから…です。」
あのアマ帰ったら絶対問い詰めてやる。余計なこと言いふらしやがって……まさかあの通り名まで伝わってないよな?
「他に聞いたことは?」
「うーん、特にない…です。珍しい武器を持ったBランク冒険者と仲間、としか聞いてない…です。」
……最悪の事態は防げたか。まぁあの街で生活していればいずれランクはバレるしそれが少し早くなっただけ、ということにしておこう。うん。
でもアリアは問い詰める。
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