42話 決闘という名の演劇?
今〜私の〜♫ねが〜いごとが〜♪
かな〜う〜な〜らば〜♫
休みが〜♩欲し〜い〜♪
………いや今日は午後は休みなんですけどね?1日オフの日が欲しいなって思うんですよ。
11月6日に改稿してます
42話 決闘という名の演劇?
俺はまず相手の出方を見ることにした。
自惚れるわけではないが実力差は歴然だし、何をして来ても遅れは取らないだろう。何より、俺は依頼を爺さんから受けたためそれを反故にするような事は社会人として出来ない。
……なんで俺は異世界でもサラリーマンやってるんだろう?
そう考えての街だったのだが、今回はそれが大きな失敗となった。
それは突然とやって来て俺に不可避の一撃を深々とえぐった。
「行くぞ!僕の名は『炎剣』ベレッチェ・ドゥーイ・コンフィ!猛炎なる我が魂よ!全てを灰燼と化す煉獄となれ!抜刀!燃やし破壊する剣!!」
「…………っえ?」
彼は声を張り上げ腰に吊るしてあったゴテゴテと装飾された剣を抜きはなった。すると薄い金色だった刀身が赤く燃え上がり炎を纏った。
………え?なにあれ?
「ははは!恐ろしくて声も出ないか!この剣は燃やし破壊する剣だ!見ての通り炎を纏う剣だ!この炎は凄まじいぞ!骨も残らないと思え!ははは!」
………説明乙。
「貴様にもはや勝ち目はない!泣いて許しを乞うてももう遅いぞ!ははははは!」
………すみません勘弁して下さい。その手の攻撃は俺の精神にくるです。そういえばこの世界の美的センスは厨二よりなんだった!
くそっ、油断した!まさか俺の弱点を的確に攻撃してくるとは!
俺は膝から崩れ落ちそうになるのを堪えて刀を抜くがまずい。俺の黒歴史が震えているせいでいまいち集中出来ていない。
俺が戸惑っていると馬鹿貴族様は好機と見たのか燃える決闘を剣を最上段に構えながら突進してきた。
「……は?」
が、遅すぎる。正直突進という表現が正しいのか疑問に思う程には遅い。
辛すぎる精神攻撃に絶望を叩きつけられた俺だったが、それを上回る衝撃が目の前で起こったせいで一気に目が覚めた。
え?嘘だろ?アレで全力?……学生の時いたなぁ、無駄に走るのが遅くて格好が変な奴。
彼の攻撃が届く間合いになった頃には俺は完全にトラウマから脱していた。
最上段に構えられた剣が振り下ろされるが遅い。というか鈍い。
俺は余裕を持ってバックステップで躱し一度距離を開ける。彼の燃える剣の攻撃範囲が思ったよりも広そうだったので、大袈裟に避ける形になったが仕方がないだろう。
纏っている炎の温度がどれくらいのものか分からない以上攻撃を貰う訳にはいかない。炎を纏っていなくても喰らいたいものでは無いが。
「何!この一撃を躱すとは運のいい奴め!」
えぇ〜……。自信のあった一撃……なのか?
「だが貴様の悪運もこれまでだ!次の一撃は避けられないぞ!」
そう言って馬鹿貴族様は剣を再び上段に構えようとするが動かない。
何故なら先ほど振り下ろした剣が地面に刺さって抜けないのだ。
「……ッ!」
………学芸会かよ!何だそのベタなボケ!思わず突っ込むところだったぞ!
側から見れば、いや側から見ずとも馬鹿馬鹿しい光景だが一応は命のやり取りをしているのだ。俺の油断を誘う巧妙な罠かもしれない。
そうだ、ここで気を緩めてしまえば相手の思うツボだ。……ならここはこちらから仕掛けて誘いに乗ってやろう。
相手に読まれている奇襲は絶対的な優位をさし渡す事になる。
つまり、馬鹿貴族様がカウンターを狙っているなら、俺はそのカウンターを狙い撃つということだ。
行動が決まればあとは動くだけだ。
俺は開けた距離を詰め、突きを放つ。しかしそれは釣りで本命は切り返しの横薙ぎだ。
俺は馬鹿貴族様が突きに合わせて攻撃を起こした時に切っ先を引いて合わせようとしていた。していたんだが………。
「ひっ、ひぃぃ!」
肝心の反撃はこないどころか、馬鹿貴族様は目をつむり、悲鳴をあげて尻餅をついてしまった。
「……。」
えええぇぇぇえ……。なんだそれは、いくらなんでもお粗末すぎやしませんかね?
手加減してるっていっても決闘だよ?最悪死んだりするんでしょ?それなのに怖いから目を瞑るって。子供の喧嘩じゃあるまいし……。
そもそも…………。
「そこまで!勝者!ハヅキ!」
俺が内心ぐちぐちと愚痴をこぼしていると爺さんから止めの合図が出た。すると周りの観客もそれに合わせてワイワイと歓声をあげて騒ぎ出した。
……嘘だろ?これで終わり?俺が精神的に追い込まれただけじゃねぇか。
今ならドッキリの企画番組ですって言われても信じるぞ。
「……はぁ。向こうに着いたらもっと気をつけて過ごそう。もうこんな事はこりごりだ。……精神的な意味で。」
こうして壮大な決闘は幕を閉じた……。
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