35話 交渉のお時間です
ようやく噛ませ犬2号が出てきましたw
私はこのキャラ好きなんですがキャラ名を覚えられないんですよね……
毎回コピペしてますw
11月2日に改稿してます
35話 交渉のお時間です
「ボルチーニさんの言い分はわかりました。その上でいくつか質問をさせてもらいます。その内容によってはお話を受けてもいいと思います。」
「……内容によるが分かった。」
爺さんは嫌な予感がするといった様子で答える。
いやいや、そんな無茶振りはしないよ?
「まず、俺たちはこの国に留まるつもりはありません。連合王国に行きます。ここでBランクに昇格した時に何か義務のようなものは発生しますか?」
「ん?連合王国に行くのか?……まぁ嬢ちゃんのことを考えればそりゃそうか。質問の答えに関しちゃ無いな。ギルドの緊急依頼なんかはどのランクだろうと強制参加だし、冒険者は基本的に国には束縛されない。この国の貴族に抜擢されるとかなれば話は変わるが……その様子じゃ受けることはなさそうだしな。」
ふむ、大前提はクリアと。
「次に、試験を受けないといけないと言っていましたがそれの免除はできますか?できない場合はどう言った内容になりますか?」
「試験の免除は悪いが出来ない。………が、今回はまぁいいだろう。Sクラスでもなけりゃ単独討伐できないような獲物を倒したんだ。文句はでまい。」
え?通るんだ?うーん、でも流石にこれは無理かな?
「最後にですが、指名依頼についてです。先ほども言った通り俺はそういった柵が嫌いです。なので俺に対する指名依頼の受諾や紹介といった行為をギルドで行うのはやめてもらいたいんですが可能ですか?」
「うーむ。使命依頼の完全拒否か……。お前のところに直接いった場合はどうするんだ?」
「その場合は俺の方で処理しますよ。……そもそも、冒険者に直接の依頼は出来ないんじゃないんですか?」
「たまにあるんだよ。こっちで不適切と判断した依頼を直接冒険者に持ち込むバカ貴族が。基本的にそういった依頼を受けた場合は自己責任になるしギルドは手助けしないから確認が必要なんだよ。……悪事に手を染めた場合はギルドから除名したり色々しないといけないからな。」
まぁ、そうだよな。受けることはないだろうしその場合は自己責任が普通だ。自分の失敗をギルドになすりつけるのは八つ当たりもいいところだろう。
「うーむ。使命依頼の拒否というがどの程度なんだ?さっきの話からだと貴族連中の依頼は受けないということなのか?」
「……それは判断が難しいですね。物によっては受けてもいいと思うんですが相手が相手ですから。では依頼を精査する段階で俺に教えて下さい。依頼してきた相手、内容、報酬なんかを。それを聞いて俺が判断します。もちろんギルド側で受理できないというなら俺の判断に関わらず拒否してもらって結構です。」
全部を拒否ってのは無理だからこの辺が落とし所だろうが……無理だろうなぁ。これじゃ顧客の情報をよこせって言ってるもんだし。
「分かった。それでいいだろう。」
「…………は?」
「だから、それで問題ないと言っている。」
この爺さんは何いってるんだ?俺は個人情報を流せって言ってるんだぞ?なんで許可できるんだよ。
「なぜ許可が出るといった様子だな。」
「まぁ。そうですね。」
爺さんはニヤッと口端を歪めて説明を始めた。
「いや何、俺はもっと無茶な要求をされると思ったんだ。……今回Aランクでも単独討伐が難しい魔物を討伐したのにBランクにしか昇格できないのに疑問はなかったか?」
「単純に実績が足りないんでしょう?腕っ節だけでいばれるほど頭の悪い業界でもないでしょうに。」
「………ま、まぁそうなんだが。今回のランクアップには他の支部のギルドマスターも口を出したりしている。その大半はAランクに昇格すべきだといっていたんだ。だが反対派の意見もあり、様子見ということでBランクに昇格だと伝えて『本人がAランクを希望すれば無条件で昇格』するようにという結論になったんだ。」
「つまりどういうことですか?」
「Aランクに無条件で昇格させるよりも、条件付きで Bランクに昇格させる方が俺の仕事の量が少なくて済むってことだ。」
あーね。そゆことね。仕事量が減るのは願ったり叶ったりだよな。数ヶ月しか社会人やってないけど痛いほどわかるわ。
「……分かりました。あなたの言葉を信じましょう。この話、さっきの条件で受けます。」
「そうか!本当か!いやー、断られるとスッゲェ面倒だったんだよ。いやマジで。なんにせよ助かったぜ。そしたらギルドカードを預かってもいいか?ランクアップが完了したら渡すから。そうだな、今回の条件を通すのに少し時間がかかるからな……明日の昼頃にまた来て貰っていいか?」
「分かりました。」
まぁ、ある程度は話をしてあるんだろうな。思ったよりも早い。
因みに今は大体夕方になりかけているくらいだ。まだ日は暮れていない。
「よし、確かに受け取った。じゃあ遅くなったが下で嬢ちゃんと合流して報酬を受け取ってくれ。あーあと、これは独り言なんだが、召喚された勇者ってのは黒髪に黒目で4人いるらしいな。お前もにたような見た目だから熱狂的なファンと間違えられないようにしろよ。」
「…………どーも。」
忠告を受けた俺は下に降りてララを探そうとしたんだがなんだか騒がしい。
具体的にいうとカウンターあたりで揉め事?が起きているっぽい。
「……っ!?長耳風情が生意気な!僕を誰だと思ってる!『炎剣』のベレッチェ・ドゥーイ・コンフィだぞ!」
関わりたくないなーと思いながら騒ぎの起きている方をチラッと見ると、その中心には赤い髪をキザにまとめて喚き散らす少年と……ララがいた。
関わり合いが確定した瞬間だった。
………。
「なんでこうなるかな………。」
俺の切実な願いは誰にも聞かれることなく喧騒に飲まれていった。
ご視聴ありがとうございます。
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