34話 家族計画って妄想が膨らむよね
最近サブタイが長くなって考えるのが面倒になりつつある今日此の頃ですw
連休に入るので、この間にイベント海域を終わらせてガンガンストックを作っておきたい(;´Д`)
11月2日に改稿してます
34話 家族計画って妄想が膨らむよね
「悪かったな無理を言って。」
「本当ですね。これで貸借りはチャラですよ。」
「別に貸したつもりはなかったんだがな。まぁいいだろう。」
心外そうな顔をするが俺からしたら大きな借りだろう。……こんな小さなことで借りをチャラにしようとする俺も大概のはずなんだが、まぁ依頼を受けるまでの経緯やらなんやらで相殺ということにしておこう。うん。
「これからが本題なんだがな、ハヅキ。お前どうやってあのゴブリン・ハイロードを倒した。」
「秘密です。」
「こう言っちゃあなんだが、あれは登録してすぐの新人が倒せる相手じゃねぇぞ。それこそBランクやAランクの冒険者たちがパーティーを組んでようやくって代物だ。……まぁSランクの奴らからすれば赤子同然だろうが。」
………聞いてはいたがSランクの人たちってマジで人外なんだな、あれを赤子同然って。
「もう一度だけ聞くがどうやって倒した?」
「秘密です。」
何を言われようと話すつもりはない。
俺がゴブリン・ハイロードを討伐したことはいずれ広まるだろう。それに伴い俺の身なりや武器から戦闘スタイルまでおそらく推測されることも分かる。要はバレるのは時間の問題だろう。
ただ、それを自分の口から、しかも正確な情報を与えるのは別問題だ。
今の俺は権力も後ろ盾も何もない状態だ。そんな状態で皇国の王族や貴族を敵に回そうものなら俺たちのお先は真っ暗だろう。
それに勇者がこの国にいると言うことも気になっている。出来る事なら、と言うか関わりたくない。
つまり何が言いたいかと言うと、こんな碌でもない国(俺の主観)は何も情報を残さずさっさと出て行きたいと言う事だ。……若干手遅れな気もしなくもないが。
「はっはっは、まぁそうだよな。逆に自分の手の内を喋ったら神経を疑うところだったぜ。」
……なら聞くなよ。こっちは無理やり口を割らせられないか、爺さんから情報がダダ漏れにならないか心配で仕方が無かったて言うのに……。
「………ご期待に添えられたようで何よりです。」
「はっはっは。そう怒るなよ。それで話を戻すがお前はそれだけの相手を倒したんだ。それも一人で。」
「ララも一緒に戦っていましたよ。」
「いや、嬢ちゃんが言うにはハイロードと戦ったのはほとんどお前さんらしいじゃねぇか。そう言ったわけでお前さんをBランクに昇格させる。まぁ試験は受けてもらうが……よかったなぁ。数日でここまでランクをあげたやつなんていないぜ。試験のひd『お断りします。』りは……。」
爺さんは俺が途中で割って入ったことを不快に感じると言うよりも、信じられないことを聞いたと言った様子でぽかんとしている。
「………い、今なんて言った?断るって?」
「ええ、お断りします。」
「い、一応理由を言ってくれ。」
爺さんはなんとか落ち着いて話をしようとしているが顔が引きつっている。まぁ普通は断ったりはしないだろうしな。
「理由ですか?そんなに難しいことじゃないですよ。ただ目立ちたくないんです。冒険者に登録して数日でBランクになったとか知れ渡ったらそれこそ注目の的じゃないですか。それに、指名依頼とかも面倒で嫌なんですよね。」
「そんなことでかよ(ぼそっ)。………依頼が嫌なら断ればいいだろう。」
「指名依頼はほとんど命令に近いと聞きましたよ、拒否権はないに等しいとか。俺、貴族とかそういった権力者とはあんまり関わり合いになりたくないんですよ。」
すでに依頼を受けておいてなんだが本心だ。権力争いとかの道具になるのはごめんだ。何度も言うが最悪戦争の道具になるんだぞ?
「……指名依頼の方はなんとも言えないが、目立たずにいたいってのは無理だと思うぞ。」
「………なぜですか?」
「既にゴブリン・ハイロードを討伐したのがお前だってことはこの街の冒険者どもには知られている。それに前に買い取った魔石も市に少しずつだが流れるんだ。かなりの量があったし出所を完全に誤魔化すのは無理だろう。」
ですよねー。なんか嫌な予感したんだよ!だって捜索隊を組んだって言ったし、ララが事情を説明したって言ったし……。
あぁくそっ。ため息しかでねぇ。
………ま、まぁ?そろそろこの国を出るし?連合王国に行くからここで騒がれても大したことないし?向こうでおとなしくしていればいいだけだし?
「それに……言っちゃあなんだが、これは嬢ちゃんのためでもあるんだぜ?」
「ララのため?」
「あぁ。嬢ちゃんはお前の奴隷だろ?この国は知っての通り人族至上主義だ。俺みたいに種族に口を出さない奴は少数派だ。エルフの嬢ちゃんがこの国で生きるにはちと厳しい。しかも奴隷というだけで好き勝手しようとする馬鹿な奴は必ず現れる。たとえ他人の奴隷でもな。」
確かに、そういった事もあるだろう。というか既に絡まれたな。モブさんに。
……モーブだっけ?
「だが、その主人がヤバイ奴だって分かってれば手を出そうとする奴もグッと減るだろう。下手に手を出して主人の怒りを買えば取り返しがつかなくなるかもしれないからな。……誰だって死にたくはないんだよ。特にそういった甘い汁だけを吸いたいと考えてる奴ほどな。」
「ヤバイ奴って……。」
「側から見りゃ、ゴブリン・ハイロードを一人で討伐し、数日でBランクまで昇格したやつなんて化け物以外の何者でもねぇよ。それに俺個人の事情を言わせてもらえば、最上位種を一人で討伐出来るような奴をDランクのままにしておくなんて、他のギルマスに知られたらなんて言われるか分かったもんじゃねぇ。」
「いや、知らんがな。」
どうでもいいカミングアウトに思わず素でツッコミをしてしまったが……どうしたもんか。
確かに、爺さんのいう通りララを守るっていう点ではランクを上げるっていう手は有効だ。しかし、それ以上に貴族たちに目をつけられるともっと嫌な目に遭わされそうなんだよなぁ。
準備が出来次第この国を出て連合王国に行くから差別問題は大丈夫だと思いたいが……。
仕方ない、俺とララの明るい未来のために少しだけ頑張りますか!
………そういえば昔、明る◯家族計画ってのがあったな。
ご視聴ありがとうございます。
ブクマ、評価ありがとうございます!




