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わくわく異世界冒険?  作者: りんごはるさめ
プロローグ つまり導入部分なわけです
4/102

プロローグ4 女性は視線に敏感なんです!

少し長めです

キリがいいところだとこのくらいになるんや……


2017年10月29日に改稿してます

2018年1月19日に再改稿してます

 プロローグ4 女性は視線に敏感なんです!


 辺りを見渡すとさっきまでの草原と変わって、一面真っ白な世界に包まれていた。その場所は一目で神聖な場所なんだと理解させるほど幻想的で力強さを感じさせる。


 幻想的ではあるがずっとこの場所にいたら発狂しそうだなぁ。


 そんな事を思っていると目の前に美女?が現れた。

 確かに美女なんだが、人と言うには些か顔の作りが人間離れし過ぎている。ある種芸術品の様に整えられた小さな顔に目、鼻、口、耳とが完璧な左右対称になる様に配置されている。

 そして少し視線をずらすと胸が目に入るんだが……でかい。EいやFは堅いな。まぁ童貞なんで生乳なんて見たことないしサイズもテキトーなんですけどね。


「………。(ゴクリ)」


 いやいやいや、生唾を飲み込んでる場合じゃない……ってか胸見過ぎだろ俺。

 今更ながらジロジロ見るのも失礼かと思い、顔をあわせるとニコリと笑われた。

 

 ひっ!すみません!女性は視線に敏感だっていいますし分かりますよね。


 改めて視線を上げて顔を見るがやはり不気味なほどに整っている。腰まで届く金髪はきめ細かく柔らかそうで、こちらを見つめる碧眼は強い意思を持って訴えてくる。小さくも筋の通った鼻の下には薄いピンクの唇g……


「初めましてハヅキ様。今回はお越し頂きありがとうございます。私は精霊王のレティシアと申します。」

「え?あ!す、すみませんジロジロ見て。お、俺は雨宮葉月と言いまsy。」


 金髪碧眼の美女に先に挨拶され俺も挨拶を返すが噛んだ。

 ……仕方ないじゃん!童貞だし女性との接点なんてあるわけないじゃん!しかもこんなに美人なら緊張だってするよ!……くそ、やり直したい。


「ふふふ、よろしくお願いしますね、私のことはレティとお呼びください。」


 あぁ黒歴史がフラッシュバックしてくる。……中学時代に今みたいに笑って話してくれた女子と仲良くなったつもりで告白して……あぁ死にたい。てか死のう。


「えーっと過去になにがあったかは分かりませんが、死なれると非常に困るのでやめて頂きたいのですが……。」


 心を読まれた……だと…?


「え?あぁ、えぇっと……レティシアさん?話があr……」

「レティとお呼びください。(にこっり)敬語も必要ありませんよ?(ニコニコ)」

「え、でも……」

レティ・・・とお呼びください。(ニッコリスマイル)」

「わ、わかったよ。レティ。」


 こえーよ!笑ってたけど笑顔が黒いよ!……女性って難しいorz。


「それでは改めまして、私はレティシアと申します。ここで精霊王なんてものをやっております。今回ハヅキ様をお呼びしたのは私と精霊契約をしていただこうと思ったからなのです。……精霊契約についてはご存知ですか?」

「うん、大まかなことはアリエスに聞いたよ。」

「分かりました。アリエスもお疲れ様です。」


 レティにそう言われたアリエスは見るからに嬉しそうに飛び回っている。


「なぁレティ。さっき精霊契約するために俺を呼んだって言ってたけど良いのか?聞いた感じだと精霊たちにメリットがほとんど無いように感じたんだが。」

「そうですね、それなら私のことからお話しないといけませんね。私は『精霊王』と人族に呼ばれていまして精霊たちの中で最も力が強いんです。なので無闇にこの隔離された世界から出ると外の世界に良くも悪くも大きな影響を与えてしまうのです。……ハヅキ様はこの世界をどう思われますか?」

「幻想的で綺麗だと思うけど……。」

「……それだけですか?」


 意味ありげに口を尖らせながら上目遣いで聞いてくる。可愛いんだけどなぁ……さっきのニッコリ笑顔(威圧)が頭から離れない。


「……まぁ、ずっといるのは辛いだろうな。」

「!?そうです!そうなのです!ずっとここにいても退屈なのです!私は外の世界に行きたいのです。ですが先ほども言った通り影響力が大きすぎるのでこのままではいけません。そこで!精霊契約をすれば私の力はハヅキ様が基準になるので外の世界に出ても問題がなくなるのです。」


 うおぉい!顔が近い!ジリジリこっちに詰め寄ってくるのは少し待ってくれ。外に出たい気持ちはわかったから待ってくれ。なんかいい匂いがするけど緊張するから待ってくれ!


「あーうん。レティが外に出たいのは分かった。でもなんで俺?他の人じゃダメだったの?」


 いや、美女と関わりを持つのが嫌なわけじゃないんだよ?むしろ嬉しいよ?だけどなんかこう……テンプレ展開すぎて怪しくなってきたんだよ。

 だって流れ的には俺とレティが契約→チートが加速って事だろ?願ったり叶ったりだけどうまくいきすぎてな……。


「はい、私は精霊王と言うだけあって属性が全属性なのです。なのでなかなか適合者が見つからなくて……。」

「……?適合者?属性?なにそれ?」

「??契約の説明はお受けになったのでは……?」

『あっ!』


  アリエスが思い出したと言わんばかりに声を上げて気まずそうにレティに謝った。


『ごめんなさいレティシア様。属性の説明をするのを忘れていました。』

「あらそうだったの。そんなに落ち込まなくてもいいのよアリエス。誰にでも間違いはあるから。」


 少し離れたところで心配そうにアリエスを見ていたフィーラとシルフィだったが、レティが怒っていないのを見るとホッとした様に息をついていた。

 アリエスもレティにお咎めなしにされて二人の処へと戻り無邪気に飛び回っている。

 和むなぁ。


「では、属性の話から致しましょうか。魔法にはそれぞれ属性がありまして、どの属性を持ち合わせているかというのは先天的に決まっております。大抵は二属性か三属性です。稀に四属性を持つ者がいたりします。五属性を扱えるとなるとなると相当珍しく、六属性になると殆ど英雄の域です。」


  成る程ね。普通は何でもかんでも使える訳じゃ無いと。


「その為全属性を持ち合わせている者など、それこそ神話のレベルでしかいなかったのです。そして精霊にも其々属性があります。……もうお気づきだと思いますが精霊契約をするには精霊と契約者の属性が一致、つまり精霊の持つ属性を全て契約者が持ち合わせていないと契約できないのです。」


 神話レベルという事に顔が引きつるが話の流れで大体察した。

 つまりはレティは精霊王で全ての属性を持ち合わせていて、彼女は外に出たいが精霊契約をしないと外には出られない。しかし、契約は属性が一致しないと出来なくて困っていた。そんな中俺は此処へ連れてこられたと……。

 神話レベルの話かぁ、バレたら面倒ごとになる気しかしない。


「ハヅキ様をお呼びしたのは貴方様が全属性の適性をお持ちで、私と契約出来る可能性があったからなのです。勝手なのは勿論存じております。ですがハヅキ様にも損は無いお話だと思うのです。どうか私と契約が出来るか調べさせては頂けないでしょうか?」


 レティは此処まで言うと深く頭を下げた。暇を持て余して外の世界に夢見る美女でも精霊の頂点だ。普通はただの人間に頭を下げたりはしないのだろう。その証拠に三人組が驚いている。


 これを断るのは俺には無理だなぁ。……いや、美女のお願いだからとかじゃないよ?ほんとだよ?

 ただ命の危険があるとかなると話は別なので念のために確認だけしておく。すると彼女は一瞬ぽかんとした表情を見せ物凄い勢いで首を振った。


「いえいえいえいえ!そんな事はありません!私の命に掛けてお誓いします。」

「……いや重いよ。それで一体何を調べるの?」

「あっ、はい。調べるのは魔力量です。属性が受け入れる器の質だとしたら魔力量は器の大きさみたいなものです。一応私は精霊王なのでかなりの魔力量が必要なのですが……。」


 そう言ってレティは俺の手を取って魔力量を調べ始めた。

 美人さんにいきなり手を握られてかなりドキドキしているが顔に出さずにポーカーフェイスを貫く。(俺は出来ていると思ったが後からレティに全く出来ていなかったと笑われたが)

 調べている間、手の感触を楽しもうと思っていたのだが、体の中を弄られている様な変な感覚がしてそれどころではなくなった。

 10秒程だろうか、変な感覚と格闘しているとレティが酷く落ち込んだ様子で話し掛けてきた。


「ありがとうございました。……残念ですが魔力量が足りない様です。人族としてはかなり多い方なのですが、私と契約するには足りないようです。」


 なるほど、このMPは普通よりはかなり多い方なのか。それなら他のステータスも高めなのだろうか?まぁ、別にそれは後でも良いか。

 しかし、MPが高めだとは言っても俺はまだレベル1。レティには悪いが、俺はいきなり契約が出来るとは思っていなかった。

 この先レベルを上げていけば契約できる日が来るかもしれないが、フィーラ達には記憶喪失だって言ってるんだよなぁ……。明らかに最初に言った事が嘘だって分かるしなぁ……。どうしよう。

 

 期待が大きかった分ショックも大きいのだろう、レティは見るからに落ち込んでいる。


「……レティ、それとフィーラ達も聞いて欲しい。フィーラ達には此処に来る前に俺は記憶喪失と言ったけどゴメン。あれ、実は嘘なんだ。信じられないかも知れないけど俺はこの世界の住人ではなくて別の世界から来たんだ。だから、レティ達が分かるかは分からないけどレベルだってまだ1のままなんだ。騙したりしてゴメン。」


 俺はそこまで言って頭を下げた。まぁ人によっては大した事ないと言う人もいるだろうが、嘘をつかれて気持ちのいいものでは無い。

 やはり軽蔑されるだろうか……。

 そんなふうに怯えていた俺の考えは予想の斜め上を行くように裏切られた。


「……は、はぁぁぁぁあああ!?異世界!?えっ!え?ハヅキ様は勇者様だったんですか!?それよりもレベル1!?」

『『『…………。』』』


  ……彼女達にとっても予想外だったみたいだ。







ご視聴ありがとうございます

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