21話 お約束
今日の分はこれでラストです。
今回下ネタがきつめ?です。苦手な方はご注意ください。
10月30日に改稿してます
21話 お約束
俺たちはギルドに来ている。目的はララの冒険者登録をしてパーティーを組む事と、薬草採取の採取依頼を受けて本登録するためだ。
ギルド内は昨日来たときと同じく喧騒としている。
俺たちがギルド内に入ると一瞬喧騒がやんだと思ったがすぐに何事もなかったように騒ぎ出した。理由は黒づくめの二人が急に入って来たら誰でも見るだろう?しかし、その装備は明らかに新人のものだったのですぐに興味をなくしたと言った具合だ。
特に混雑しているわけでもなかったのですぐに受付までたどり着くことができた。
そして、目的の場所にはエリエットが座っていて仕事をしている。
「こんにちは、エリエットさん。今大丈夫ですか?」
視線を落としていたため急に声をかけられてびっくりしていた彼女だったが、俺を見て大丈夫ですよと営業スマイルを向けてくれた。
「今日はどうされました?薬草の納品ですか?」
「いえ、今日はこの子の登録をお願いします。そのあとパーティー登録もお願いします。」
そう言って俺はララに視線を向けると、エリエットは苦虫を潰したような顔になる。
「もしかして奴隷ですか?あまりお勧めはしないと言ったはずですが……。」
適当に笑って誤魔化しながら準備をしてもらう。まぁ、この人も親切心で言っているのだろうし面と向かって言うのも憚られる。
「それではこちらの用紙に記入をして下さい。あと一応この方がハヅキさんの奴隷かどうか確認させて下さい。逃亡奴隷とかだとまずいので。」
まぁ、確かに確認はしないとまずいよな。でもどうやって確認するんだ?まさかここでララに服を脱げと?(奴隷紋が背中にあるため)流石にそれは容認できないんだが……。
俺がどうしたらいいか頭を悩ませていると、エリエットがギルドカードに記入されているからそれを見せれば大丈夫だと教えてくれたのでカードを見てみる。
名前:ハヅキ
種族:人族
年齢:18
ランク:G
預金額:0G
契約:ラナンキュラス(奴隷)
本当だ。カードに備考欄が追加されてそこにララの名前が入っている。
よかった、ここで脱げとか言うことにならなくて。
そういったプレイは見られてるかもといった緊張感がいいのであって、本当に見られていたんじゃただの公開処刑だろう。
……何を言ってるんだ俺は。
ともあれ、無事にララの登録が終わり簡単な注意事項だけ聞き話は終わる。大体は昨日聞いたしね。
基本的に奴隷であっても冒険者としての資格は変わらないがいくつか違うところがある。
まず、奴隷は主人以外の人間とはパーティーを組めない。
これは奴隷は主人の持ち物という扱いなので、怪我で揉めたり報酬で揉めたりと面倒なことになるためで、ある意味当然と言える。
次に、奴隷はDランクまでしかランクは上げられないらしい。
理由は実にくだらないもので、Cランクになると指名以来が発生するのだが、その依頼主は大抵が貴族だ。
そして、その貴族たちは『奴隷なんぞに依頼など出せるか』という態度のため、奴隷は依頼発生が起こるCランクにはなれなくなったそうだ。
それなら依頼を出さなければいいだろと思うがそうも言えないらしい。
まぁ、どれも問題がなさそうだ。
俺はララ以外とパーティーを組むつもりはないため多分ずっと一緒に行動するだろうし、俺は今の所Cランク以上にはなるつもりはない。だって指名依頼とかめんどそうだし。
俺たちは近場で薬草が取れる場所を聞いてギルドを出ようと入り口へ向かっていたら怒鳴るように呼び止められた。
「おい!お前!」
声のする方を見てみると、如何にもと言った柄の悪い風貌の男達がこちらを見ていた。数は3人ほどでおそらく声を出したであろう男が先頭で他二人は斜め後ろに立ってニヤニヤとこちらを見ていた。
「俺のことですか?」
「そうだ!お前だ!」
どうやら、俺で間違いないらしい。……間違いであって欲しかった。
周りも俺とララが絡まれていることに気がついたらしく、騒がしかったギルド内は今はなりを潜めている。
基本的にギルドは冒険者同士の喧嘩には関わらない。昔は仲裁していたそうだがそう言ったいざこざは後を絶たないらしくあきらめたそうだ。まぁ、武器を抜いたりして命を奪ったりした場合はそうではないが。
俺たちが登録したばかりの新人ということもあって、冒険者やギルド職員の中にも止めようという人たちもいたが、ここではこういったことは日常的な事らしく、むしろどうやって俺があしらうか見ものだという雰囲気の者の方が多く、誰も止めに入っては来なかった。
……そこは止めてくれよ。
「何のようですか?」
「お前たち見たところ新人だろ、俺たちはDランクだ。特別に俺たちのパーティーに入れてやる。その代わり……。」
男はそう言うと下卑た視線をララへと向ける。
「そいつを俺たちによこしな!さっき聞いたが奴隷なんだろ?安心しろ、ブスでも俺たちがきちんと『使ってやる』からよ。それに明日には返してやるよ。まぁそん時には壊れてるだろうがな!」
男たち3人はゲタゲタと下品に笑う。
男たちの言葉を聞いた女性冒険者は明らかに顔をしかめるて、ひそひそと影口をしだした。
ここに来てララの名前を出したり、女性だと言うことを連想させるような物言いもしなかったが、どうやら俺の連れが女性だと言うことはバレているらしい。
こう言ったトラブルを防ぐために外套を買ったんだが、顔は隠せても女性特有のシルエットまでは隠せなかったみたいだ。
……はぁ。
しかし、イライラするなぁ。せっかく、こうならない様に色々準備したのに全部パァじゃねぇか。それにララに色目を使われている事にも腹がたつ。これが嫉妬とか独占欲というものだろうか?俺の女だと言うつもりはないが無性に腹がたつ。
あれか?仲の良い女友達に色目を使われた時にイラっとするとか言う感じか?まぁ、仲の良い女友達なんていなかったけどな!それどころか男友達もいなかったけどな!
……あれ?目から汗が………。
ララは何も言わずに俺を見ている。どうやら俺の言葉を待っているみたいだ。
どうしよう。
・丸くこの場を収める。 ←
・感情に流されて言葉を買う。
俺の基本行動方針なら上なんだが……。
なんだかなぁ。こいつら相手に丸く収める自信がない。絶対にララを差し出せって話になるだろう。どんだけ下半身に忠実なんだよ。ある意味男だな。
………よし決めた。どうせすぐにこの国を離れるんだ、少しくらい感情に流されたって大丈夫だろう。と言うか我慢の限界だ。
「大声を出さなくても聞こえてますよ。えっと……欲求不満なんですかね?女性をお求めでしたらプロの方々がいらっしゃいますし、その方々にお願いすればいいのでは?……あぁ、支払うお金がないんですかね?それとも……。」
俺はちらりと男たちを一瞥して鼻で笑った。
「モノが粗末すぎて門前払いにでもされましたか?」
「「「なっ!?」」」
「あぁそれと、パーティーの勧誘ですがお断りします。Dランク様(笑)のあなた方と私たちでは釣り合いませんので。」
男たちは断られるとは思っていなかったみたいなのか、俺の煽りが効いたのか顔を真っ赤にして黙って睨みつけてきている。
逆に周りは俺の煽り方が面白かったのかみんな大笑いし、中には男たちに野次を飛ばすものまでいる。
率先して女性たちが汚い言葉で野次を飛ばしていたのは聞かなかったことにしよう……。
男たちを無視して外に出ようと歩き出すと、ララは俺にぴったりと寄り添うようにして隣を歩く。……ララさん近いっす。フードで顔は見えないけどすげぇ近いっす。
ちらりと男たちを見るとかなり殺気立っている様子で大声で俺に向かって何か言っている。いちいち返すのも面倒なので無視して歩く。
……こりゃ襲ってくるな。
俺は大きくため息をついた。
やってしまった。揉め事は起こしたくなかったんだけどな…。
「ララ、もしあいつらが襲って来た場合は返り討ちにしても問題はないよな?」
「もちろんです。その場合たとえ殺してしまっても問題はありません。」
俺の質問にララは鼻息荒く答える。やっぱり、腹が立っていたのだろう。
当然か、ララは直接暴言を言われたわけだし。
「あー、ごめんなララ。ララの方がムカついてただろうに。」
「そんな!ご主人様が謝らないでください!悪いのはあいつらです!それに昨日言ってくれたじゃないですか、ご主人様が私を守って下さるんでしょ?」
そう言ってとろけるような笑顔を俺に向けて覗き込んでくる。
……可愛すぎる。
俺、この子に惚れても良いですか?勘違いしちゃっても良いですか?
俺たちは屋台で昼食を買いつつ、街の外へと出るため門に向かって歩いた。
ご視聴ありがとうございました。
ブクマ、評価ありがとうございます!




