表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わくわく異世界冒険?  作者: りんごはるさめ
1章 あまり好きになれない国
19/102

12話 魅力的な少女4

どうでしょう、文章って長いですかね?

今回は試験的に1話を分割して投稿してみます。

どちらの方が見やすいか感想をお願いします。


10月30日改稿してます


 12話 魅力的な少女4


 俺は現在借りている宿の一室で一人の少女と向かい合ってベットに座っている。というか少女の方は全裸で土下座状態だが。

 彼女の名前はラナンキュラス。今日知り合ったばかりの俺の奴隷だ。

 さて、なぜこんなことになっているのかという説明の前に一言だけ言いたい。


 どうしてこうなった!!!


ーーー数時間前ーーー


 俺はラナンキュラスと共に商館を後にした。念のために言っておくが館を出る前に服と靴は着させたからな。……ボロい布切れと草履だったけど。

 外に出てまだ陽が落ちていないのを見て少しホッとした。

 実のところ、これからの行動は昼食の時にすでに決めている。

 奴隷のことを色々と聞いた時に、奴隷主は奴隷の衣食住の責任を持たなければならないと教えてもらっていたので、その準備が必要なのだ。


「じゃあまずは生活で必要なものを揃えに行こうか。これから歩くけどついてこれる?難しいなら手を引こうか?」


 俺はラナンキュラスに問いかけて見ると、彼女は一つ目の質問には頷き、二つ目には首を振った。

 やはり彼女は目が見えていないものの、きちんと歩けるようで別にフラフラとはしてない。ただ、彼女が歩く場所は俺の後ろで隣ではない。……俺の隣は嫌とか?


「うーん、俺の後ろを歩かれると逸れた時に困るんだよねー。できれば隣を歩いてくれるとありがたいんだけど。話もしづらいし。」

「!?……。(ふりふりふり)」


 ……案外声がなくとも分かるもんだな。めっちゃ驚いてる。今の彼女の反応を翻訳するなら『そんな恐れ多いこと私にはできません』って感じかな。


「……そうじゃないと俺が困るんだよ。んじゃ命令ってことで。隣を歩いてくれる?」


 俺が命令という単語を出したあたりで諦めたように一礼しておずおずと隣を歩き始めた。

 予想はしてたけど歩くだけでこれかぁ……先が思いやられる。


 そんなこんなありまずは服屋に行く。場所を聞いていなかったので探すのに時間がかかるかとも思ったが、もともと大きな通りに出ていたのですぐに見つかった。

 店の中に入ると女性の店員が迎えてくれたので要件を伝える。


「彼女の服を見繕って下さい。下着類もあれば一緒にお願いします。」


 そういってラナンキュラスを前に押し出すと店員は少し驚いたようだった。

 ん?一応店に入る前に洗浄魔法クリーンをかけてラナンキュラスを服ごと綺麗にしたんだけど……。商品を汚すとまずいし。


「どうかしましたか?」

「あっいえ、すみません。実はエルフの方を見るのは初めてでして。」

「なるほど。」


 まぁ人族至上主義のこの国なら珍しくもないか?……これは姿を隠す外套が必要かな?


「それでは改めまして。本日は服をとのことですがご希望はありますか?」

「一応今回は冒険者として活動するような……戦闘時に着れるような服と普段着るような服をお願いしたいんですが。」

「かしこまりました。」

「あと、ここって男性用の服ってありますか?」


 最後の質問はなぜかというと、御察しの通り女性服を沢山扱ってそうな店だったからでパッと見では見つけられなかったからだ。


「はい、数は少ないですが取り扱っております。ご案内致します。」


 店員はそう言って俺を男服ゾーンまで案内しラナンキュラスを連れ去った。曰く、下着のサイズを測定するのだとか。

 男物は数が少ないと言ってはいたがそれなりの量があり、あれこれ苦労しながらも選び終わった。

 因みに俺が選んだ服は黒っぽいシャツと同色のチノパンっぽいパンツだ。……うん、どうでもいいな。

 そこに測定を終え下着とお勧めなのであろう服を持った店員とラナンキュラスがやってきた。店員が前を歩きその後ろをラナンキュラスが続くといった形なのだが少し様子が変だ。というのも店員の鼻息が妙に荒い気がする。


「お待たせいたしました、測定が完了いたしました。」

「いえいえ、俺の方も今選び終わったところですから。」

「そうでしたか。それにしてもやはりと言いますか、お連れの方は奴隷だったのですね。」


 まぁ、測定時に服を脱ぐだろうし背中の奴隷紋も見えるよな。


「花の奴隷紋は珍しくとても綺麗ですが、何より素晴らしいスタイルでした。」


 ん?スタイル?


「出るとこは出て、引っ込むとこは引っ込む。かと言って下品に突き出ているわけではなく控えめに、しかし女性らしさをしっかりと主張する神々しいまでのバランス。」

「……。」

「それでいて完成された美ではなく、まだ成長の余地があるのでは?と感じさせる初々しさも併せ持っておりその未来も楽しくしてくれます。恐らく成長することはないでしょうが違うんです。それを感じさせるということが重要なのです。」

「…………。」

「そして、それらのシルエットをさらに引き立てるのがきめ細やかな白い肌。決して病的なものを感じさせず、もしろ健康さを感じさせるようなこの肌はまさしく瑞々しい果実のよう。」

「………………。」

「痣や傷は残念でなりませんが、それを差し引いても素晴らしさに相違ありません。いや、むしろそちらの方が背徳感があって妖艶さを醸し出していいのでは!?」

「……………………お、おう。」


 え?何この人?ドン引きなんですけど……。

 なんとか返事を返した俺はべた褒め?されているラナンキュラスの方を見てみると、案の定というか顔を真っ赤にして俯いている。

 

「えーと、下着でしたね。私のオススメはこちらの黒色の物ですね。白い肌をより引き立てくれると思います。」


 そう言って店員が出したのはフリルがあしらわれた物だった。そして驚いたことにブラジャーまであったのだ。

 基本的に中世っぽい時代なのにこんなものまであるのか……。

 因みに、このブラジャーは数百年前に召喚された勇者が発案したらしい。……俺の感動を返せ。

 ただこの世界にはゴムが存在していないらしく、全て絹っぽい素材でできていて下着というよりビキニの水着に近かった。


「じゃあそれを3着ずつください。」

「かしこまりました、こちらはすぐに着用されますか?」

「そうですね、一着はそうして残りは袋詰めしてください。」


 かしこまりましたと言って店員はラナンキュラスを連れて奥の方へと行ってしまった。

 エ?ドユコト?服は?手に持ってた服はなんだったの?

 店員の予想外の行動に驚きろくな反応もできずボケーっとしていると二人が戻って来た。

 一人はどこか見たことがあるような格好をして……。


「……その服は?」

「こちらは戦闘服ということをおっしゃっていたので。」


 着せ替え人形のように服を着替えさせられたラナンキュラスを見てみると、日本にいた時は毎日の様に見ていた服……所謂制服の様な格好をしていた。

 デザインは長袖の白色のシャツに黒に白色でチェックのラインが入っているプリーツスカート、スカートの丈は膝よりも少し上でその膝を隠すように黒いニーソックスを履いている。そして、首元にはリボンではなく、スカートと同じ色の細身のネクタイをしている。

 非常に似合っていて可愛いのだが、そうじゃない。


「戦闘服?ですか……。」

「はい、こちらはフォレト連合国の龍騎突撃兵の正式軍服を模造した商品でして女性冒険者にとても人気のある商品なんですよ。」


 これは後で知ったことだがその龍騎突撃兵には女性しかいないらしく、その制服も昔召喚された勇者が考案した服なんだとか。

 一応、それぞれに名前がついていて、シャツは男女ともに兼用できるから『バイシャツ』、スカートは突撃兵が着るのだからと『ブリッツスカート』と名付けられたらしい。

 ボケの発想が日本人らしいというか非常にアホくさい。

 因みに、ネクタイは普通に『ネクタイ』らしい。……ネタが思い浮かばなかったのだろうか。


「模造品と言いましても機能自体は同じものなので違いといえばカラーリングくらいのものです。機能についてのご説明は必要ですか?」

「……お願いします。」


 説明された機能は服としては最高のものだった。シャツは汚れても付与されている魔法でいつでも綺麗に汚れを落とすことができるみたいで、ネクタイに至ってはつけていれば温度調節をしてくれるため、真冬でも寒くないのだとか。

 悔しいが服としては非常に優れていると言わざるを得ない。

 え?スカートは?だって?……スカートにも魔法が付与されているみたいで内容は、『どんなに動いても下着が見えない』というものだった。

 くっだらねー!勇者チラリストかよ。まじかよ、いい酒が飲めそうだな。


 これだけの機能を詰め込み一式揃えてお値段10万ゴールド。

 正直高いのか安いのかわからない。

 10万、10万かぁ。そんな服スーツでしか買ったことないなぁ。あれ?スーツって服にカウントしていいのか?


 一応予備も含めて2セット買う。戦闘服と言っていたのでもっと野暮ったいものを想像していたがこれなら普段着としても使えなくはないと思い、寝巻きにおすすめだという薄手のネグリジェ?を数着俺の服類と一緒に買う。生ネグリジェとか初めて見た……。

 服で約30万ゴールドほど飛んで行ったがまぁ、買い物としては悪くなかったと思う。

 日本ではユ○クロとシ○ムラで済ませていた俺が言っていい台詞ではないが。


 因みに、試着で来ていた服はそのままラナンキュラスに着せて、もう一式を袋詰めにしてもらった。またボロ布を着せるのもなんだしね。

 新しい服を着た彼女はしきりにオロオロと俺を見て何かを伝えたがっていた。

 まぁ、金額だけ見れば自分よりも高い服を着せられれば驚きもするか。


 満面の笑みを浮かべる店員に別れを告げ店を後にする。そのあとは必要な日用品を人数分揃えたりとしているとすぐに夕方になり陽が暮れ始めた。

 買い物をして沢山の荷物を提げながら(実際には収納魔法で持ち運んでいるためハンドフリーだが)帰った。


 帰える途中すれ違う人からかなり見られた。

 まぁ気持ちはわかるよ。可愛い子がいたらちょっと見ちゃうよね。男の性だよね。

 ………違いますねはい。そんな浮ついた感じじゃなかったね。どっちかっていうと台所でG先輩を見たって感じだったね。そんなに多種族が嫌なのかぁ。


 ……宿とれるかなぁ。

 そんなこんな歩いていると鍵猫尻尾亭に帰ってきた。





ご視聴ありがとうございます

ブクマ、評価ありがとうございます!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
別作品の宣伝を少し失礼します
お時間がありましたらこちらもお願いします
私、勇者召喚に巻き込まれて死にました?
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ