4話 男にしか効かない吸引力の変わらないただ一つの……
ふざけたサブタイですが中身はいたって真面目です
ここから数話の間、説明会になりそうです
2017年10月30日改稿してます
11月3日に再改稿してます
2018年1月15日に再々改稿しています
1月19日に誤字修正、一部改稿してます
4話 男にしか効かない吸引力の変わらないただ一つの……
道に迷った!
……なんて事は無く無事にギルドについた。異世界で迷子とか洒落に何ねぇよ。
まぁ、日本でも人生の迷子だったし?異世界で迷子になってもそう変わりはないか?………今日は何だか冷えるなぁ。
「……意外とでかいな。」
ギルドと呼ばれる建物は思ったよりも大きかった。
周りにある建物よりもふた回りは大きく2階建だ。例に漏れず石造りで入り口に扉は無く西部劇に出てくる様なスイングドアが付いていた。
中に入ると朝にも関わらず賑やかで、屈強な男達が酒場になっているであろう一角で酒を煽っていた。俺が中に入っても特に注目される事もなく男達は騒ぎ職員達は職務を果たしている。
……それにしても流石腕っ節で食っている連中といったところかゴツい人が多い。俺もかなり筋肉質になったと思っていたが上には上がいるようだ。むしろ俺なんかはヒョロイ部類だろう。さっき見えた身長190cm台は超えていそうな前衛職と思しき男はもはや筋肉ダルマだ。
しかし、見た目に騙されてはいけないのが謎のファンタジー性。
この世界では魔法やステータスという概念が存在するので見た目少女が筋肉ゴリラより怪力だった、なんて怪奇現象があり得るのだ。
まぁ、魔法での補正も元の肉体が頑強な方が効果が大きいため、鍛えるのが無駄ということはないが……あそこまで鍛えるのは普通に無理だろ。(筋肉ダルマを見ながら)
入り口を塞ぐわけにもいかないので受付の方へと足を進める。受付にはお約束と言ってもいい様な美人な受付嬢がいた。
「おはようございます。すみません、冒険者の登録をしたいのですが。」
「おはようございます。登録ですね、少々お待ちください。」
そう言って登録に必要なのであろう書類を準備しに後ろの棚?へと離れていった。彼女を見てみるがデカイ!レティといい勝負だろう。いや、何がとは言わないが。
肩まで伸びる髪は赤みを含んだ金髪で、書類を探す目は燃えるように赤い。とても整った顔立ちは容易に異性を釘付けにするだろう。特に動く度に揺れる二つの山は嫌でも目に付く。
しかし、俺は学習する男なのだ!ダ○ソンのごとく視線を吸い込もうとする二つの山から必死に意識をそらす。女性は視線に敏感なのだ。
必死に表情筋を固く保ち真顔で視線を制御していた俺に声が掛けられた。どうやら準備が終わった様だ。
「お待たせしました。今回の登録ですが私エリエットが担当させて頂きます。」
「俺はハヅキと言います。よろしくお願いします、エリエットさん。」
俺は苗字は名乗らず名前だけ名乗った。理由は……
名前:エリエット
種族:人族
年齢:23
LV1
HP 62/62
MP 12/12
これだ。ぱっと見でわかるだろうか?名前欄に名字がないのだ。これはエリエットが特別というわけではなく、ギルドの中にいる人たちや街で見かけた人たちがみんなそうだった。
多分苗字を持っているのは貴族とか何か特別な人達だけなんだろう。もしここで苗字まで名乗ってしまうと何か問題が起こってしまうかもしれない。
ちなみにステータスもすこーし拝見させてもらったが、やはり俺のステータスはこのレベルでは平均的なようだ。
大体だが新人っぽい風貌の冒険者で平均100〜130といったあたり。それなりに鍛えてるやつで平均400〜500あたりだった。今まで見た中で最大数値だったのは例の筋肉ダルマでSTRが1288もあった。
これなら別にステータスの偽装は必要なかったかな?……イヤイヤ、ステータスは問題なくてもスキルがやばいんだ。万が一を想定しておくのは必要な事だろう。
「ハヅキさんですね、それでは早速ですがこちらの用紙に記入をお願いします。文字が書けない場合は代筆しますがどうしますか?」
一応この街に来てから文字が読めないなどの問題は発生してない。確かにみたことのない文字だがなぜか意味は理解できるし、声に出すこともできる。
しかし、わざわざこんなことを聞いてくるということはこの国の識字率は悪いのか?それとも冒険者って奴らが頭悪いだけなのか?
……なんか後者な気がする。誰でも登録ができ、その身一つで仕事ができ、完了すれば即金で報酬をもらえる。要は社会に適合できなかった者たちの最後の受け皿みたいなもんだもんな。お勉強が出来るやつなんて少数に決まってる。(やっぱり例の筋肉ダルマを見ながら)
「そうですね……難しそうだったらお願いできますか?」
「分かりました。それではこちらが記入用紙とペンです。分からないことがあったら聞いてください。」
俺は渡された用紙を見てみるがやはり文字はきちんと読めた。
とりあえず名前だけでも書いてみようと記入するとこちらも問題なく書けて大丈夫だった。
日本語で書いてるつもりが手が勝手に知らない文字を書いている、なんて珍事を問題無いと言うならだが……。
俺は文字が書けるのを確認して次々と記入欄を埋めていく。といってもあまり書く事はなくて、名前と年齢と種族あとは職業くらいだ。……ん?職業?
「あの?エリエットさん、職業とは一体なんでしょうか?冒険者と書けばいいのですか?」
「あぁ、そこはご自身のパーティー内での役割を書いて下さい。簡単にいうと得意なこと……ですかね。魔法が使えれば魔法使い、剣が使えれば戦士や剣士といった感じですかね。」
「なるほど。」
「今はパーティーを組んだりはしていないと思いますので、ご自身のアピールポイントを記入して下さい。その方がパーティーメンバーを集める際に便利だと思います。後でご説明することになるのですが、一定のランクになるまではパーティーで行動してもらう事になるんです。なので詳しいことが記入されているとメンバーを集めるのも楽ですし、集まらなくてもこちらで斡旋させて頂くことも簡単になります。」
なるほど。これは素直に全部書くなんてことは出来ないな。まさに昨日宿でシミュレーションしたような展開になりかねん。
俺は無難に剣士と記入してエリエットに用紙を渡す。まぁ背中に剣を吊るしてるし見た目的にもね?
「はい、お預かりします。確認ですがどなたかからの推薦状はお持ちですか?お持ちでしたら技能試験の後適正ランク……大体がCかDランクに最初から登録することができます。お持ちでない場合でもスキップ申請と言って適正試験の後にEかFランクに登録ができますが……。」
ふーん。推薦状ねー。こう言うのって賄賂とかがあったりするとまずいし普通は許可が下りないんじゃないか?どっちにしろ俺は推薦状なんて持ってないし関係のない話か。
あっ、念のため言っておくけどスキップ申請なんてしないよ?理由は言わずもがな。
「いえ、推薦状はないです。それとスキップ申請も必要ありません。」
「え?申請されないんですか?特に制限もありませんし、とりあえずで申請されても損はないのですが……。」
「いえ、必要ありません。」
「………かしこまりました。それではギルドカードを発行しますので少々お待ちください。」
訝しげながらもエリエットは了解し奥へと行った。
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