表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
World.Dragon.Ship.Classic 飛竜艇世界選手権  作者: 万彩雨虹
過去の乗り手たち
9/58

尊敬と眼差し

 兄と違う、私の伝統的な草花の文様を施した装束、

 伝統的な羽根を模した様式の船。

 そして、伝統的な血筋の2匹のドラゴン。

 時代の流れに逆行するようだけれど、これらを全て備えて飛ぶのは、

 エルフ一族の威信を示すための決まりごとなのだ。

 私の、私と兄の背中には、常にそれが圧し掛かっている。

 彼は、ソルベル・ホーリードは、何を思って飛んでいるだろう。

 普通、帆船は複数人で操るが、私達は二人で操舵する。

 それだけでも人間達は騒ぐのに、彼はたった一人で帆船とドラゴンの双方を操る。

 彼の初参加したその日、あまりにも自由に激しく、

 そして、あまりにも優雅に美しくドラゴンと共に空を舞う姿に、私は一瞬で心を捕らわれた。

 気がつけば今も、ずっと離れた所で開始の合図を待っているだろう彼の姿を、目で探している。

「気になるか? 彼が」

「べ、別にそんなこと……」

 兄の不意をつく問いに、頬が熱くなるのを感じた。

「私は気になるぞ」

「え?」

 兄の意外な答えに、私はすぐにその意味を飲み込めない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ