45/58
要らない称賛
『現在トップをいくのはソルベル・ホーリード。
駆るドラゴンは、アイル号、ハイル号、カイル号の3匹です。
元々ソルベル・ホーリードは観光飛竜艇用のドラゴン、競争竜の育成や、
引退したドラゴンたちの世話をしていたそうですが、
そんな若者が飛竜艇レースのトップ選手になるなど、誰が予想したでしょう。
しかしながら、飛竜艇文化の護り手が実戦の場で台頭できるのだと、
ソルベル・ホーリードは見事に実証しました!
現在ではトップ選手たちの活躍で、
各地で開催される飛竜艇の催しやドラゴン人気が過熱しているのを、
皆さまもご存知でしょう。
まさに彼は、ドラゴン人気の立役者となったのです!』
『だとさ。そこまで言われると、俺も鼻が高いね。
お嬢様も満更じゃなさそうだぞ』
レースの度に繰り返される、俺個人の実況の説明には、
少々うんざりしていた。
ラフェーロは、パトロンに気遣ってなのかどうかは分からないが、
決まってそんなことを言ってくる。