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光の下へ
『これで終わりじゃないはずだ。用心しろ』
ラフェーロの言う通りだ。
流れていく後方の木々の隙間から、同じ速度で飛んでいるあいつの船が見える。
あの程度で引き下がる奴じゃない。
ここを抜けたら、また仕掛けてくるはずだ。
長く伸びている枝々の間をすり抜けるとき、当たらないよう船を左右に振る。
同じく、3匹の引く力の方向と飛ぶ速度も、変えなければいけない。
このような所では、無駄のない最低限の動きだけをしなければならないのだ。
木々の天高く広がる緑の向こうに、輝く切れ目がはっきりとしてきた。
俺の船は3匹のドラゴンと共に、木漏れ日の中から淡い太陽のもとへ飛び出す。