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World.Dragon.Ship.Classic 飛竜艇世界選手権  作者: 万彩雨虹
過去の乗り手たち
29/58

加速。

『気を抜くな。前にデカいのが来てるぞ』

 その忠告が届くころ、背の高い木が迫ってきていた。

 木々の感覚は広いが、一本一本が塔の様に太く長い。

 さしずめ、巨人の牢獄とでも言えようか。

 差し込む木漏れ日は、小さい滝ほどの大きさがある。

 急な上昇ではあったが、滑空で得た速度はさほど死んではいない。

 俺は3匹に指示を出し、思いっきり羽ばたかせた。

 一気に船が引っ張られ、座席に背中が押し付けられる。

 アイルもカイルも冷静ながら力強く、そしてハイルは嬉々として、翼を目一杯動かす。

 俺も僅かながら帆を動かし、船の飛ぶ先を決める。

 少し狭いが、木々の間から一直線に光が差し込んでいる部分があった。

 俺は迷わず上昇しつつ、その木々の間を行くことを選ぶ。

 すぐ下のあいつはバランスを崩しているようだ。

 同じ経路は飛べず、体制を直しながら、別の木々の隙間に消えていった。


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