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納得できない状況
「……本当に、大丈夫なんでしょうね?」
ジュリが、不安そうに聞いてきた。
「もしダメでも、あのドラゴンたちなら、船を引っ張り上げて飛んで戻ってくるなんて簡単ですよ」
「別に、あの子たちを疑ってるわけじゃないけど……」
ジュリは、納得したのかどうかは分からないが、双眼鏡を覗き込んだまま唸っていた。
そう問題は無い。
無いはずだ。
しかし、敢えてあるとするなら、それはソルベルにではない。
あいつの船に、同じようにして急激に滑空して近づいてくる、あの一隻だ。