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<模擬戦後>

俺は少し憂鬱になりながら姉さん達の所に戻る。


「少しやり過ぎたわね」


戻った俺にシルフィーから痛恨の一撃を受ける


「うぅ、まぁやり過ぎたと言えなくはないかな…………」


反論してくても、事実なのだから受け止めるしかない。


「まぁこれでバカみたいに絡んでくる奴も減るからいいんじゃない?」


「そうかもしれないわね。初日から騒がし過ぎたけど、後々の事を考えればこれで良かったかも知れないわね」


姉さんとシルフィーはやり過ぎについてはそんなに気にしていたかった。そう”二人”は気にしていなかった。

そして、残りの一人と言うと……………さっきからこっちをジーーーーーーっと見てる。

俺は勇気を振り絞り話しかけた。


「レ、レティ、傷は痛まないか?」


「………コウのおかげで全く痛くないわ。使い手が殆どいなく、その中でも習得困難な治療魔法を、それに加えて一瞬で怪我を治療する高度な魔法を使ってくれたおかげでね」


顔は笑っているのにレティの目は全然笑っていなかった。

その訳はというと、まず治療魔法は光属性に分類される。その光属性はこの世界で物凄く希少であり、大きな国に十人いればいい方だ。

少ない光属性でもとりわけ珍しいのが治療魔法だ。ただでさえ少ない光属性の中でも治療魔法を使えるものは百人に一人の割合なのだ。

そして治療魔法を使える者でも小さな傷を治すのが精一杯だ。大きな傷も治すことが可能だが傷の大きさによって時間が変わってくる。

レティの傷も大きい怪我とまではいかないが、それでも一瞬で怪我を治すのはほぼ不可能である。それをしたコウはレティからすればさっきの戦闘など、どうでもいいくらいな規格外と感じているだろう。


「…………あなたの家に行けばさっきの事についても教えてもらえるのかしら?」


レティは教室での事を思い出しそう言ったのだろう。


「さっきも言ったけどレティ次第だね」


いくらレティといえども簡単に情報は漏らせない。


「……そう、わかったわ。聞くのはあなたの家まで待っててあげる」


レティはそう言うとさっきまで俺を穴のあくほど見ていた目をやめた。

その後は実技テストが再開し、まだ受けていない姉さん達も受けていく。

レティは良い戦いをしたものの負けてしまった。姉さんとシルフィーはもちろん勝った。まぁ勝ち負けが重要ではないのだから気にする必要はないんだけど。


「今日は濃い一日だったな~」


学園からの帰り道に俺はそう呟く。


「そうね。でもまだ今日は終わってないみたいよ」


姉さんは楽しそうに言う。


「きっちりと色々説明してもらうからね!!」


レティが息巻いてる。俺は思わず立ち止まってしまう。


「ふふ、コウは模擬戦よりこっちの方が疲れるんじゃないかしら?」


「確かに…………。ドラゴンとかと戦ってる方がマシかもしれない………」


俺はそう思わず言ってしまう。


「へぇ~、あなたの家に着いたら覚悟するのね」


レティはとても冷ややかな笑みを浮かべる。

姉さんは苦笑しながら俺の肩を叩いた。


「あ~らら、怒らせちゃったわね。帰ったら頑張りなさい!でも、レティなら仲間になってくれるんじゃないかしら」


「そうだといいけどな。まぁ、ならなかっても友達には変わりないしな」


俺達は”仲間”と”友達”と区別している。仲間は俺の秘密等を知っている信頼できる者で、友達は秘密等は知らないが仲の良い者という感じに分けている。

これは俺の為だけでもなく、情報を知っている場合その情報を狙ってくる者も居る為、周りの人の安全面も考慮し俺達の中で誰が知っていて誰が知らないかを明確に分からせるのである。


「家はどの辺なの?」


急にレティが喋りかけてきた。


「学園から十分程だからすぐ着くよ」


俺はそう言って歩き出した。

レティシアは果たして仲間になるんでしょうか?

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