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<side エリオットの受難 2>

~side エリオット~


「まずは私を罵倒した罪で燃えて頂きます『炎よ 灯れ ファイヤーボール』」


ヘッジ=モンテローゼはコウ=アレキシスへと魔法を放つ。

コウ=アレキシス悠然と構えていた。


「コウ何かする気ね」


「でしょうね。どんな事をするのかしら」


「あなた達、何を呑気に言ってるの!?あのままじゃ、コウが大変な事に」


「いいからよく見なさい。レティの為に怒った私の弟は本当にすごいのだから」


横にいるエリナ=アレキシス達の話を聞くにコウ=アレキシスは今からとんでもない事をやらかすそうだ。

あんな接近してる魔法に対して一体何ができるのだろうか。


「「「「「「…………………」」」」」」


俺達はコウ=アレキシスの行った所業に只々唖然とするしかなかった。


「コウあんなこともできたのね。私達の訓練の時には見せなかったのに!!」


「まぁ、敵にあんな芸当ができるようなのがいるなんて殆どないからでしょうね」


「二人は何を呑気な事言ってるの!?コウが何したかわかってるの?魔法を斬ったのよ!!」


「そんなことわかってるわよ。それぐらいコウならできて当然じゃない」


「できて当然って………。エリナ、そんな事出来るのなんて伝承にある勇者とか神とかしかいないのよ!?シルフィーもなんか言ってやって」


「そうね。魔法を斬る事自体はあまり驚かないけど、普通のショートソードでも斬れる事には驚いたわ」


コウ=アレキシスが行った所業はそんな軽く流していいもんじゃない!もし、あれが体得出来るのであればこの世界の戦い方が変わってくるレベルだ。


「ようやくお目覚めかな?敵の目の前で呆けるなんて、さすがやんごとない生まれの方ですね」


「くそっ!!チビの癖に!!これならどうだ『炎よ 穿て ファイヤーランス』」


「『ファイヤーランス』」


「無詠唱だと!?」


「チッ、互角ですか………」


「何処が互角なんだ?」


「ぐあぁぁ、貴様何をしたっ!?」


「何をしたって、俺の魔法の方が強いからお前の魔法を貫いただけの事だが」


「なんだと!?貴様如きが私の魔法より強いわけがあるまい」


「そう思うならどんどん使えばいいんじゃないの?」


「ならこれでどうです!『炎よ 射抜け ファイヤーアロー』」


「『ファイヤーアロー』」


「互角なのは癪に障りますがやはり私より強い魔法なんて出鱈目だったようですね」


「ぐはぁっ、一体どうなっているんだ……………」


「だから言ったじゃないか。俺の魔法の方が強いからお前の魔法を貫いていると」


俺は目の前で起きている事が信じられなかった。ヘッジ=モンテローゼは性格はともかく現時点では上位の実力だろう。なのにその実力者がコウ=アレキシスによって赤子の手を捻る様に弄ばれてる。

それに、さっきから使う技や魔法どれをとっても一級品だ。あの歳でこれほど完成された実力を持ってるなんて、恐ろしい…………。


「完全にコウの掌の上で転がされてるね、あいつ」


「そうね。あの戦い方は完全に相手の心を折る戦い方だわ」


「コウってこんなに強かったんだ………。それにさりげなく、全部の魔法が無詠唱だし………」


「私達だって、得意魔法は初級くらい無詠唱できるわ」


「うそっ!?あなた達いったいどうなってんの!?」


「コウの鍛錬メニューをこなせばこれくらい簡単よ?むしろこれくらいできないと付いていけないわ」


「一体どんなメニューなんだか………」


エリナ=アレキシスの話を聞いて納得した。コウ=アレキシスもう教える立場にあるのだと。

そして、自らの実力だけでなく教えるという事に関しても才能を遺憾無く発揮しているのだと。


「調子に乗り過ぎだ!!貴様はもう消えてなくなってしまえ!!『炎よ 粉砕し 吹き飛ばせ エクスプロージョン』」


「炎の中級魔法!?逃げてコウ!!」


「この程度の魔法で俺を殺せると思ったのか。せめてドラゴンを一撃で屠れる魔法ぐらいないとな」


コウ=アレキシスは一体何度俺を驚かせれば済むのだろう。他人の放った魔法を素手で受け止めるなど、もう人間業ではない。


「フハハハハ、どうだ。ビビったか。お前はチビだからさぞかしこのワイバーンがデカく見えるだろう」


俺は驚き過ぎて意識が飛んでたみたいだ。周りを見渡せばなぜか演習場にワイバーンがいた。

辺りを見回すとヘッジ=モンテローゼが持つ黒い球が目に入る。あれは確か魔物封じの球!?なら、このワイバーンを呼びだしたのはヘッジ=モンテローゼか。


「お前は、そんなクズに使われてていいのか?」


俺がようやく現状を把握できそうな時にコウ=アレキシスいきなりワイバーンに話しかけていた。

確かに高位のドラゴンは人語も操ると言うが、ワイバーンには操れないから話しかけても無駄だ。そう思っていた。


「お前が負けたのは別の奴だろ?」


「なら俺があの黒い球を壊せば何もせず故郷に帰るか?」


「あぁ、邪魔できるもんならやってみろ。一瞬で終わるからな」


「勝負!!」


一人で話してるだけに見えるがなぜか、ワイバーンとちゃんと会話しているように思えた。


「くっ、くるな!!」


「最初の時点で俺の勝ちは決まってた」


詳細な動きは見えなかったがコウ=アレキシスがヘッジ=モンテローゼの持つ黒い球に掌底を放ち、黒い球は砕けヘッジ=モンテローゼは吹っ飛んでいった


「これでお前は自由だ!勝者の言う事は聞くんだろ?」


コウ=アレキシスがワイバーンにそう語りかけると、さっそうとワイバーンは飛び立っていった。


「これでお前の切り札もなくなったが、まだ続けるか?」


全く反応を返さなくなったヘッジ=モンテローゼに俺は駆け寄って生死を確認した。


「気絶している。よって勝者はコウだ」


俺は勝者の名を告げる。


「「「「「「「ワァァァァァァァァ」」」」」」」


残りの者も滞りなく実技テストが終わり、俺は職員室と向かう前に保健室に向かう。


「あら、エリオット先生どうしたんですか?ヘッジはまだ目を覚ましていませんよ」


救護室の先生が先ほど連れてきたヘッジの様子を見に来たと思い気を利かせて教えてくれる。


「今回は別件で俺の治療をお願いします………」


「あら大変。それじゃあ、そこに椅子に座ってください」


俺は傷ついた体を動かし椅子に座る。


「これは見事にやられてるわね。どうしてこんなになったの?」


「実技テストで二人の女子生徒に負けた………」


「えっ!?お相手は今年入ったばっかりの生徒でしょ?」


「あぁ、その生徒に負けた」


「なんて有望な生徒なんでしょう!!」


「有望すぎる…………。これからあいつらと一年は付き合わないといけないと思うと俺は心配で倒れそうだ」


「優秀な生徒を持つ事は教師として誉よ。しっかり頑張りなさい!!治療は終わりました」


救護室の先生に励まされたりしたが、やはりあのクラスを受け持つ自信は今日だけで粉々に砕け散った。

意を決し治療を終えた俺は職員室に向かおうとしてた足を学園長室に向けた。


コンコン


「入ってよいぞ」


「失礼します」


「お~エリオット先生か、どうしたのじゃ?」


俺は大きく息を吸い、心を落ち着けた。


「お願いがありましてここに来ました!!」


「担任を降りたいという件か?」


「なぜそれを!?」


「ほっほっ、Sクラスを担任するものはよくその件で来るからの」


「それならお話が早くて助かります。それで降りさせていただけるのですか?」


「そう急ぎなさんな。儂はお主が今でも適任と思うておる。本当に無理なのか?」


「とある三名がいなければ、まだ何とかできたかもしれませんが、その三名がいる限り自分では力不足です」


最悪、コウ=アレキシスだけなら何とかできたかもしれない。何とかといっても問題が起きないようにするぐらいだが………。

しかし、その自身もエリナ=アレキシスとシルフィー=アルバーナに打ち砕かれた。自分より強いのが三名もいるクラスをどう見ればいいのかもうわからない…………。


「公爵家の方々か………」


「はい…………。はっきり申し上げますと、シルフィー=アルバーナについては年齢的にも種族的にも問題点は特にありません。元々入学できる者ではないので納得できます。」


「ふむ」


「エリナ=アレキシスについては、特別な才能などは感じないのですが師事している人物によって異様な成長をしており、現時点で自分でも勝てません」


「ほ~それほどか!」


「そして最後にコウ=アレキシス。彼はもう天才や化け物って言葉すら生温いです。底が全く見えません…………。前評判通り実力も頭も飛び抜けてます」


「やはりの~」


「つけたしておくと、お孫さんがコウ=アレキシス達と仲良くしておりました。このまま仲良くなりコウ=アレキシスに師事等されるようになれば、エリナ=アレキシスの様になるかもしれません」


「なんじゃと!?」


「そういえば、先ほどの魔力測定や実技テストでの騒ぎについては何処まで知っておりますか?」


「大まかにそういう事があったぐらいじゃ」


「お孫さんがヘッジ=モンテローゼによって顔面を殴られた事は?」


「よし、今すぐそいつを殺すのじゃ!!!!!!」


学園長はお孫さんを溺愛しているのでこれくらいは想定済みだ。


「心配いりません。顔の怪我はコウ=アレキシスが何事もなかったのように元に戻し、そんな事をしたヘッジ=モンテローゼに怒り、ヘッジ=モンテローゼの身も心もズタズタにしました」


「さすがコウだな。そうでなくてはいかんの」


「学園長はコウ=アレキシスについて何かをお知りになっているのですか?」


「少しだけじゃがな。いずれお主にも話す時がくるかもしれない。今はまだ話せん」


「そうですか…………」


「もう少しだけ担任を続けてみてはどうかの?強さが異常だとしてもまだ七歳の子供だ。大人に頼る事もあろうて」


「コウ=アレキシスは十分精神的に大人ですよ?」


「接していればいずれ分かる。これは分岐点じゃ!!ここで逃げれば後悔するぞ」


「そこまでおっしゃるのならもう少し頑張ってみます!!」


俺は学園長の言葉に何かがあると思いもう少しだけあいつらを見てみようと思った。

果たして俺に教えれることなどあるのだろうか。

こうして、俺のとっても濃いそれでいてこれからこの出会いを感謝する事になる一日が終わった。


~side エリオット end~

なんかあまりうまい具合にならなかった気がします。


最近は色々とアドバイスなどを頂いて感謝しております。そのアドバイスをうまく生かせない作者の未熟はご容赦ください。

とりあえず四月いっぱいは突っ走ります。五月に入ってから色々と見つめ直したら模索したりイベントなどしていきたいです。


その内活動報告とかも更新させていきますのでちょくちょく確認してください。

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