<いきなり一触即発!?>
「もういいでしょ!?エリナもシルフィーも私もあなた達とは合わないわ。どんだけコウを貶そうが、どんだけあなた達に権力があろうが、私達は靡かないわ」
とうとうレティまでキレて参戦。
「なんだと!?ヘッジ様がこう言っているんだ。お前たちは黙って従ってればいいんだ」
今度は、メッソが参戦してくる。
「メッソの言い方は少し雑ですが、そんな奴より私についた方が得なのはまちがいないですよ。なんせ私はやんごとない生まれですから」
ヘッジはまたやんごとない生まれとか言い出した。完全に権力で相手をどうこうするタイプのクズだ。
「ええかげんにするのじゃ!!」
大きな声がこの場を支配した。みんなは声のする方に顔を向けた。
そこには桃色の髪をしたスレンダーな美少女がいた。その美少女が窓側の奥の席からこちらに向かってくる。
「やんごとない生まれならそれ相応の態度をせい。お主らの態度じゃその辺の夜盗と変わらんのじゃ」
その通り、よく言った。物理的な刃で脅すか権力という刃で脅すかの違いでやってる事は大差ない。
「この私が夜盗などと一緒だと………。貴様そんな口をきいてタダで済むと思うなよ。お前も後でたっぷり可愛がってやりますよ。その前に一発キツイの受けときなさい」
そう言って、桃色の髪の子に殴りかかった。
口調が変わってるし、本心だだ漏れだ。三流役者だな等と思いながら俺は動いた。
パシッ
「「「「「「「えっ!?」」」」」」」
そこに居た全員が驚いた。みんなが驚くのも当然で庇った女の子に一番遠かったのはコウだったからだ。
「こんなへなちょこパンチじゃこの子には当たらなかっただろうが、あんなくだらない理由で女の子に殴りかかるなんて背や体格や態度がデカいだけで、中身や器はチビだな」
実際俺が間に入らなくても女の子は攻撃が見えてたし、避ける動作をしてたからわざわざ庇う必要がないがやっぱり男なら助けに入らないとダメだよな。
「おのれ~。チビのくせによけいな、グワァッ」
喋ってる途中でヘッジが痛がる。俺が掴んでる拳を握る潰すほどの握力を加えたからだ。
ガチャ
「おまえら何をしてる?」
エリオット先生だった。
「いや~、みんなで自己紹介してたら盛り上がりましてね」
俺は平然と嘘をつく。ここで下手に目をつけられたくないのである。教師だから俺の情報がいってる可能性もあるがわからない以上は目立たずに過ごしたい。
「そうか、それならいい事だ。そろそろ時間だからついてこい。まずはホールに行く」
エリオット先生は教室を出ていく。
「ふん、命拾いしましたね。必ずお前達には私に逆らった事を後悔させますよ」
そう言ってヘッジはエリオット先生の後に続いた。
「命拾いしたのはどちらかのぅ。さっきは庇ってくれてありがとうなのじゃ」
「いえいえ、こちらも出過ぎた事をしました。普通に躱せてましたよね?」
「ほ~お、わらわの動きが見えていたのか!?大したものじゃ」
「コウ行くわよ!!」
姉さんに呼ばれる。
「それじゃあ、行きますね」
そう言って俺は彼女の元を離れた。その時の俺は後ろから獲物を見つけたような目がある事に気が付かなかった。
「おまたせ」
俺は姉さん達の元に戻りホールへと向かう。
「コウさっきの動きは何なの?」
「さっきの動きって?」
「コウの机からヘッジとか言う生意気な奴の前に出た動きよ」
姉さんは少し興奮気味に言う。
「私も気になるわ。あんな動き見た事なかったもの。どうやったの?」
レティまでもが聞いてくる。
「ここでは教えれないよ。姉さん気を付けてよ。情報も武器なんだから」
俺は姉さんに遠回しにあまり話し過ぎると色んな事がバレると伝えた。
「確かにそうね。じゃあ家に帰ったら教えてね」
意図が伝わったかわからないがとにかく学校で聞いてこないだろう。
「私はどうしたらいいのよ!!」
私の事を忘れるなと言う風に袖口を引っ張りアピールするレティ。
「帰りに俺達の家によれば良いだろ?」
「行っていいの?」
「いいけど、その前に俺も色々と聞かないといけない事もある。そしてそれ次第では教えれないかもしれない」
「え~どういうことよ!?」
「まぁそれも含め全部帰ってからだな」
「わかったわ。納得のいく説明をしてもらうわよ」
俺は乾いた笑いしか出なかった。納得できなかったらどうなるんだろうな。
話しながら歩いていくといつの間にかホール前まで来ていた。
いきなりの問題発生。学園生活は大丈夫でしょうかね?