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<新たな環境>

俺達は特別校舎に入り、教室のある二階奥の部屋に向かった。

しばらくして、ドアの所に1-Sって書かれたプレートがありここが俺達の教室みたいだ。

ドアの前で立ち止まりみんなの顔を見ると、三人共頷いた。


「それじゃあ、入るぞ」


コンコン


一応ノックをする。


ガチャッ


ドアを開けるとそこには結構な人数がおり、その目が一気にこっちに向いた。

俺達はそんな状況に少し戸惑いながらも、窓際の前の方が空いていたので適当にここに座った。

しばらくすると、先ほどの視線もなくなり、少し胸を撫で下ろした。


コンコン、ガチャッ


俺達が来てから何人かがここに入ってから事だった。


「席に着け!座席は適当だから好きな所で構わん。そこの立っている奴らも早く座れ」


大抵の者はすぐに座ったが、何人かは従わなかった。命令口調が気に入らなかったんだろう。


「いいから座れ。話が進まんだろうが!」


教師の少し怒気を含めた声に、渋々座りだした。

おいおい、ここは国賓待遇クラスじゃないのか!?この教師の態度からして鬼教官って感じがする。普通に国賓待遇レベルを任せる人選ではないよな。

それに、教師の言葉に多少不快なとこがあったとしても、反抗的な態度を取る奴が国賓待遇レベルってのも少しおかしい気がする。

もしかしたら、ただの国賓待遇クラスって訳じゃないのかもしれない。


「それじゃあ、ホームルームをはじめるぞ。始めに自己紹介をやる。俺の名前はエリオット=サイモンだ!今日からお前らの担任教師になる。ビシビシ扱くから覚悟しとけ!!」


マジで鬼教官だ。海兵式訓練とかなったらシャレにならんぞ。


「じゃあ次はお前らの自己紹介って普通なら言うんだが、俺はお前らの名前知ってるから時間の無駄になるのでしないぞ。自己紹介は各自でしとけ。それからこの学園では家名を名乗るの禁止だから自己紹介の時は家名は言うなよ」


この担任やばいぞ。自己紹介を各自でしとけってなんだ。なぜこんな対応なんだ。俺はパニックになりかけながらも必死に頭を回転させて状況を整理していた。

その時、一人のクラスメイトが手を上げ質問しようとしていた。


「先生質問です!」


「なんだ?」


「もし、家名を名乗ったらどうなるんですか?」


「楽しい事が待ってるぞ!!」


「ホントですか!?」


馬鹿正直に目を輝かして聞いている。あの担任の楽しい事が良い事な訳がない。そんなイメージが初めて会った時から現在までのわずかな時間で感じさせられた。


「あぁ、俺がみっちりルールを守らない奴は守るようになるまで付きっきりで教育してやるからな」


その言葉に質問してたクラスメイトの顔が蒼くなった。


「それじゃあ、ホームルームは終了だ。残りの三十分くらいは自己紹介でもしとけ。次の時間は魔力計測と実技テストだ」


そう言ってエリオットは出て行った。エリオットが出ていった事により緊張感がなくなった俺は、一息つけながら担任とこのクラスについて考えを巡らせた。

他のクラスメイト達はそれぞれ自己紹介をしていた。俺は年齢などの違いがあるため、ボロが出ないように自分からは行かないようにしていた。

俺が動かないので当然シルフィーも動かないし、姉さんも特に動く気配がない。三人が動かないためレティも動かなかった。

すると、向こうから三人組がこっちにやってくる。いかにもな三人組でこの後の展開がある程度読めて嫌になってくる。この国にも癌がありそうだ。


「はじめまして御嬢さん方。私はやんごとない生まれのヘッジで、後ろの二人は左がドッジで右がメッソです。これからよろしくお願いします。良ければ私達とお話ししませんか?」


おうおう、ナンパか。このクラスで姉さん達はトップクラスの容姿だから声をかけるのはわかるが、自己紹介にわざわざやんごとないを入れるのは暗に貴族でしかも上の方だから言うこと聞けよって言う脅しまで付けるとは気に食わない。


「自己紹介ありがとう。私はエリナよ。話は興味ないからパス」


「私はシルフィーです。私も結構です」


「レティシアです。いつか機会があった時に」


みんな一刀両断で断わる。その返答にこめかみをピクピクさせていた。

そして俺の方を見て睨んできた。俺は何もしてないのにいきなり睨むとはどういう了見だ。


「もしかして、そこのチビの男を気にしてるんですか?そこのガキみたいなのは気にしないで私達のグループに入ればいいんですよ。そんな奴何の役にも立たないクズでしょうから」


これは完全にケンカ売ってるよな。このケンカ買ってもいいが初日にいきなり問題を起こすのも面倒だし、かといってこのままこいつがちょっかいばっかかけてくるのもほっとけない。どうしたものかと考えていた。

すると俺より先にキレる人がいた。


「あんたにコウの何がわかるのよ。あんたみたいなのが百人いてもコウには敵わないのに調子乗ってんじゃないわよ」


「そうよ。他人を見下すことしかできないお子様には興味ないからとっととお家に帰りなさい」


キレたのは姉さんとシルフィーだった。姉さんは分かるけどシルフィーまでキレてその上毒を吐くとはそうとうである。


「私にそんな口答えしていいと思っているのか!?お前らなんかどうとでもできるんだぞ」


姉さん達の物言いにヘッジもキレて一触即発である。その口論と空気に周りもなんだなんだと集まりだした。

さっきのムカつきもどっかへいき今はこの騒動をどう収めるかを考えていた。でもなんか相手をするのが馬鹿らしくて机に顔をつけて窓の方を見ていた。


「おいチビ!!お前に関係ある話をしてるんだぞ!一人関係ないふりをするんじゃない」


ヘッジの横に居るドッジが俺に向かって怒鳴ってきた。うるさいなぁ~。

俺はだんだんイライラしてきてた。


いきなりの展開。この後どうなるのか!?

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