<入学式>
カーンカーンカーン
大きな鐘の音がなった。
前を見てみると一人の男性が舞台に上がっていった。
「これより第五十回サンライト学園入学式を始めます」
男性が言い終わると、競馬場のファンファーレの様な音が鳴り出す。
「最初に学園長からの御言葉です」
男性が下がると見事にホグ○ーツのダン○ルドアの様な爺さんが前に出てきた。
「オホンッ、儂はサンライト学園学園長のゼルド=べルシュタインじゃ。まずは入学おめでとう。じゃがこれが終わりではなく始まりという事を心がけるのじゃ。この学園は入口は広いが出口は狭いのでな」
この言葉に俺はレティの方を見たら、ぷいっと顔を赤くしながらそっぽを向いた。爺さんからの受け売りだったんだな。
「君達はここで平民も貴族も関係なく共に学び切磋琢磨していく。身分の枠に囚われることなく己を伸ばせていけると信じておるぞ。そして君達が次代のこの国を支えていく柱になるはずじゃ!!心して精進せよ。以上じゃ」
パチパチパチ
学園長の話と聞けば、意味の無い話をダラダラ話してるイメージがあったけど、レティの爺さんは簡素でいて心に響く挨拶だった。
「ありがとうございました。続いては教師陣の自己紹介です」
この学園は選択次第では一部の教師の授業をまったく受けないまま卒業する事もある。なので一応全員の前で自己紹介をして、担任はもう一回受け持ちの教室で自己紹介する事になる。
これにより通常授業の初回は毎回自己紹介タイムって状況をなくすためである。先生の方は初めて聞くからいいかもしれないけど俺達も自己紹介しなければいけないからかなりめんどうだからだ。
「長いな………」
思わず言葉が出てしまうほど長かった。しかしかなりの数の教師が自己紹介を終わり残り数人となった。
そしてようやく最後の一人の教師の自己紹介が終わった。
「教師の方々ありがとうございました。続きましてこの学園の卒業者で卒業後三年で騎士団副長まで登り詰めた天才。ウィル=アレキシスからの挨拶です」
「「「えっ!?」」」
俺達は驚いた。レティだけは驚いておらず俺達の驚きに首を傾げた。
「ただいまご紹介に与りました、ウィル=アレキシスです。一つ訂正ですが自分は天才などではありません。導いて下さった恩師達に偉大な先輩、頼れる心強い仲間達のおかげで今の私がいます。このどれか一つでも欠けていたら今の私はいなかったでしょう」
前で喋る人から父さんと母さんに似た雰囲気を物凄く感じる。名前で分かるがやっぱりあれは兄さんなんだ。
「だから、みんなには自分は特別だと過信せずに先生に導かれ、仲間と絆を深めて学園の五年間を過ごして欲しいと思います。これで私からの挨拶を終わります」
パチパチパチ
兄さんは正統派王子様って感じの雰囲気だな。金髪だったし、あの物腰の柔らかい感じが特に。初めて見たけどいい人そうでよかった。
「ありがとうございました。それでは以上をもちまして第五十回サンライト学園入学式を閉会させていただきます」
やっと堅苦しいの終わった。
「この後ですが、出口に係りの者がいますので番号札を見せ教室の場所を聞きそこで待機しててください」
と司会者の人からの声が掛かりみんなぞろぞろと動き出す。こうして入学式が終わった。
体調はまだ戻りませんが何とか更新します。
入学式は割と簡単に済ませましたが新キャラ二人ですね。学園長は前回からわかっていたでしょうけど、まさかの主人公の兄が登場。
作者がいつ出そうか悩んだキャラです。最悪の場合名前だけって事もあったかもしれません。