<学園へ>
昨日あの後大変だった。最初に姉さん達に話した時はどういう事かきっちり説明しろと怒りの形相で言われた。
アルカ自身からここに居たい理由などを聞いた後はこれからはコウが兄なら私は姉よと言ってアルカを物凄く可愛がっていた。
それからみんなで街に出てアルカの私物を買ったり学校で必要な物を買ったりと何だかんだと忙しかった。
そして、ようやくこの日がやってきたのである。そう今日は学園の入学式だ。
これから入る学園サンライト学園は、戦い方や魔法を教える学園である。普通の知識を教える学園は街などに一つはあるけれど戦い方や魔法を教える学園はこの王都にあるサンライト学園唯一つである。
「それにしても遅いな……」
俺は玄関前でそう呟いた。何が遅いかと言うと姉さん達を待っている。なぜか先に出て玄関前で待っていろと言われたからである。
「「おまたせ!!」」
文句を言ってやろうと振り向いた時だった。
「なにやっ……………」
そこには可愛い制服姿の美少女が二人いた。
「どう?似合うでしょ?」
固まってる俺に、くるりとスカートを翻しながら回りドヤ顔で姉さんが言う。
「私だって似合ってるでしょ?」
負けじと、シルフィーもアピールしてくる。
「あ、あぁ。二人ともよく似合ってて可愛いよ」
そんな二人に顔が火が出るほど熱くなるのを感じながらそう答えた。
「キャーー可愛んだから!最近はカッコいいとこしか見てなかったから特に可愛いわね」
姉さんはそんな事を言いながら俺に抱きついてくる。
「姉さんそんな事より早く学校へ行こうよ」
「そんな事ではないけど、そろそろ行かないとね。それじゃあ行ってくるから留守番よろしくね、アルカ」
姉さんの言葉に俺は驚いた。姉さんの視線の先にはメイド服を着たアルカが居たのだ。
さっきから居たみたいだけど姉さん達の姿のせいで目に入ってなかった。
「アルカもメイド服に合っていて可愛いな」
アルカに気づいた俺はすぐさま服の感想を言った。
「コウ兄、褒めてくれるのは嬉しいけど気づくのが遅い!!」
アルカは頬を膨らませながら可愛く怒っている。
「ごめんごめん。帰りに何か買って帰るからそれで許してくれ」
「ホント!?約束だよ!!」
「あぁ、ちゃんと買って帰るよ。それじゃあ行ってくる」
俺はアルカの頭を撫でながらそう言って手を頭から放す。
「いってらっしゃい。学校頑張って」
アルカは名残惜しそうな顔をしながらも笑顔で見送ってくれた。
「「「いってきます」」」
三人同時に返事をして俺達は歩き出した。
サンライト学園は歩いて家から十分程の所にあり、割と近所である。
門の前に着き辺りを見回す。
「ここがサンライト学園ね。大きい所だわ」
「五年制の学校だからこれくらい大きくないと入らないんだろ」
「とにかく入りましょう。中に入ってみないと外からじゃわからないわ」
シルフィーが先を促す。
「そうだな。それじゃあ、この一歩から学園生活がスタートだな。いくぞ!!」
全員で一歩を踏み出し門の中に入った。
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体調を崩してしまい短いですがなんとか更新です。
このままだと次の更新止まるかもしれません。