<奴隷は妹でメイド!?>
俺達が家に着いた頃にはもう辺りが暗くなっていた。盗賊騒ぎなどで多少疲れていた俺達は簡単な食事を済ませると早めの就寝をした。
朝目覚めると一通り身だしなみを整えてから、奴隷の女の子の部屋に向かった。
一応ノックをしたが返事がなかったので部屋に入ると奴隷の子はまだ寝ていた。馬車などの時とは違い穏やかな眠りだった。
熱も無事下がり穏やかな顔を見て俺は安心し部屋を出ようとした。
「っんん~、あれ~ここは何処?」
いきなり目覚めたのに少し驚いた。
「………誰ですか?」
女の子の声にふと我に返った。
「コウ=アレキシスだ。君は昨日の事覚えているか?」
「昨日の事………イヤァーーーー来ないで」
昨日の事を思い出し俺を盗賊の仲間と思ったのだろう。急に叫びだした。
「落ち着いて。俺は盗賊の仲間じゃないよ。君を救出した側だ」
「あっ………」
周りを見て自分が丁寧に扱われてる事やあまり歳の変わらない俺が居る事でようやく理解したらしい。
「とりあえず、ここまでの経緯を説明するね」
ここに至るまでの経緯を簡単に説明した。
「それで、君の事も教えて欲しいんだけどいいかな?」
「うん。アルカ=フロント、五歳」
「アルカだね、いい名前だ。歳は俺の三歳しただな」
俺より年下であの境遇は辛かっただろうな。
「それで、さっきの続きだけどアルカはこれから頼る親族とかいるのか?」
「いない。親族なんか知らない」
頼るどころか親族自体がいないのか!?
「そっか。なら、これからどうしたい?」
「どうしたいって、私は奴隷だから決めれないよ」
「なら奴隷から解放されたい?」
「それなら解放してあげるよ」
「えっ…………」
俺の言葉に驚きを隠せず固まっていた。
「アルカが望むなら奴隷から解放できる。アルカの居た奴隷商は盗賊に殺され、盗賊は俺が倒したから今のアルカのご主人様は俺って事になっている」
「それじゃあ………もしか……して!?」
希望が見えてきてアルカの表情が柔らかくなる。
「俺が解放するって言えばそれで奴隷からは解放できる。だがその後の生きる為の術をどうするかが問題だ」
俺の言葉にアルカは一気に沈む
「私何もできない」
「仕事を斡旋してあげたいが王都では俺は何の伝手もないし、一緒に探してあげるけどもうすぐ学園が始まるからずっとは難しい」
「そうなんだ………」
「まぁ、仕事が決まるまではここに居てくれて構わないからゆっくり探せばいいさ。それじゃあみんなが起きてきて準備が出来たらさっそく解放するために奴隷商の所に行こう」
俺はそう言って部屋から出て行こうとすると。
「待ってコウ兄」
アルカは大きな声で俺を呼びとめた。大きな声で呼び止めた事にも驚いたが何より驚いたのが呼び方である。
「コウ兄?」
「うん。年上でなんかお兄ちゃんみたいだし、この呼び方はだめ?」
上目づかいで言われると断れない。
「まぁ、呼び方は好きにすればいいけど、なんだ?」
呼び名はスルーして呼び止めた理由を聞く。
「奴隷のままでいいから、このままコウ兄の所に居たらダメ?コウ兄専属のメイドになって夜伽だってするよ」
五歳児が上目づかいで夜伽をするって………俺はロリコンじゃないぞ……。
「アルカは夜伽って意味を知ってるのか!?知らなくて使ってるだろ?」
俺はおませなやつがただ大人の言葉を真似てるだけだって思う事にしてアルカに聞いた。
「知ってるよ。いずれお前も夜伽の練習をしてやるって私に色んな事教えてたから………」
あの奴隷商は糞だな。死んだのも天罰だな。
「知ってるなら、余計に嫌だろ?それに盗賊達に捕まった時そういう事があるってわかってたから必死に抵抗したんだろ?」
「うん。でもコウ兄ならなんかいいかなって思った。それにまた知らない人の所に行くのも、奴隷商の人のとこに行くのもヤダ!!」
「まぁ、俺は子供だから夜伽はいらんが、別にここで働きたいなら奴隷から解放されてからでもいいんだぞ?」
「ううん、いいの。私は今はなにもできないし。だからコウ兄の奴隷のままでいいからここに置いて」
そこまで言われたら置くしかないよな。今までアルカの容姿について何も言わなかったが、狐耳に狐の尻尾の獣人で小動物のような愛らしい美幼女だ。
こんな子にここまで言われて断れるやつはいないだろう。
「わかった。とりあえず、俺専属のメイドとしてこれからよろしく頼むよアルカ」
「うん、ありがとうコウ兄!!」
アルカの極上スマイルと共に俺は専属奴隷妹メイドを手に入れた。
姉さん達になんて説明しようか………この後の展開に不安を隠せないがアルカの笑顔を見れたからまぁいいかなと思った。
活動報告に乗せてたイベントで募集したキャラが登場しました。
色々と変更して登場になりますが、ステータスなどは後々公開していく予定です。