<神殺し誕生>
「ケケケケケケケ、笑かしてくれる。俺を殺すなんて無理に決まってる」
「そうでもないさ。割と簡単に塵一つ残さずに殺せるさ」
「ケケ、やれるもんならやってみろよ。そんなお前が何もできず絶望するさまはごちそうの予感がするぜ」
そういうと邪神は大量の魔物を何処からか呼び出し俺に向けて放った。
「その程度で俺を倒せると思うな『アースクエイク』」
地面が揺れ下から上へと地面が槍のように突き刺さり魔物を一掃する。
「ケケ、結構出鱈目な奴だな。だがそれでも俺様に敵うわけがない」
「コウ逃げて!いくらコウでも危険よ!!」
奴の言葉に姉さんが反応して叫んだ。
「姉さんあとでみんなからお仕置きがあるから覚悟してね」
俺は姉さんの方を向いて笑顔で言った。
「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!でも本当にみんなの所に帰れるなら何でも覚悟するわよ」
姉さんは泣いていた。
「ケケ、俺を無視して話してんじゃね~よ」
邪神は俺に向かってまたまた魔物を放った。
「『アイスエイジ』そこまで言うなら俺からのお仕置きは覚悟してね。姉さんの今回の行動はかなり頭にきてるし」
片手間で魔物達を氷漬けにしながら姉さんと会話する。
「いっ、いいわ。どんな事でも受け入れるわ」
俺の本気度を感じたのか少し引きつりながら言った。
「いい加減にしやがれ!!」
さすがの邪神もこの扱いには納得いかないようだ。
「おいおい、人を馬鹿にしたような態度が崩れてるぞ。お前の言うところのゴミにこんなに手こずってるんだからまぁしかたないことか」
俺は邪神を挑発する。
「ケケ、そこまで言われちゃあ仕方がない。俺様の本気で跡形もなく消し飛ばしてやる」
邪神は大きな黒い塊を掌に出すとそれがどんどん大きくなり次第に形が変わりブラックドラゴンになった。
「また、ブラックドラゴンか……。それは昨日俺が倒したことは知ってるか?」
俺は挑発し続ける。
「ケケケケ、あんなものと一緒にするな。あれはその辺の弱いブラックドラゴンを操っただけだ。こいつは俺様特製で一から俺の力で作ったブラックドラゴンだから桁が違う」
「そうかそうか。ならそれを消したらお前は俺に打つ手がないわけだ」
「ケケケ、強がりも大概にしな。ゴミ如きに消せるわけがない」
「反論はしないって事は事実っぽいな。ならひとまずそのブラックドラゴンを消してお前を絶望に落としてやるよ」
「ケケ、やれるもんならやってみやがれガキが。やれブラックドラゴン」
邪神はブラックドラゴンに命令を出した。
「さぁ、ここからが本気だ!!お前如きに本気を出す必要はないが俺は心底ブチ切れてるの。お前のせいでどれほどの人達が苦しんだろうか………そして、俺の大切な人まで苦しめた。その怒りを俺は今まで抑えていた…………」
その瞬間、俺から凄まじい魔力が噴き出した。
「なっなんだこの力………」
さすがの邪神も驚きブラックドラゴンも俺の魔力の風に踏ん張るのが精一杯だった。
「おいおい、この程度で驚いてどうする。これでも一割も出してないぞ」
俺の力は天井知らずの様にどんどん上がっていく。
「ありえない。そんなのありえないぞガキ!!!これが一割も出ていないというならたとえ上位の邪神と言えども………」
邪神が必死に否定しながらしかし事実だった時の凄まじさに言葉尻が萎んでいく。
「さぁ、そろそろ仕上げだ『理の戒め解き放たれし 森羅万象よ 我が力 我が身となりて 災いを消し去らん 神の魂すらも打ち砕く 金色の刃 今此処に顕現せん 神殺剣』」
俺の手にはエクスカリバーとはまた違う感じの黄金の剣があった。
「なっ、やっ、やめろ!それを俺様に向けるなっ」
邪神は本能的に感じ取ったのであろう。この剣の力を。
「消えてもらうぞ邪神」
俺はそう言って剣を大きく振った。すると剣先から巨大な刃が飛び出しブラックドラゴンをあっさり真っ二つにしそのまま勢いが劣るどころか加速させ邪神も真っ二つにした。
「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーー」
大きな叫びと共に邪神もブラックドラゴンも塵一つ残さずに消え去った。
「姉さん終わったよ。これで何も心配いらない」
黄金の剣を肩に担ぎニッコリと笑いながら姉さんの方に向かった。
「コウ!!」
姉さんは走りだし俺に抱きついた。ちょうど朝日が上がりこうして暗い夜は明けた。
まさしく俺らのパーティ名通りだななんて考えながら姉さんを抱き締め返した。
「さぁ家に帰りましょう」
シルフィーの言葉に頷き、俺達は家の前に転移した。そしてみんなに届くように魔法を使い。
「姉さんを連れて帰ったよ」
と言うと、一斉にこっちに向かってくる足音が聞こえ玄関が開く。
割とあっけなく倒しましたが普通の人では倒せない相手でした。
そしてその相手を一瞬で倒した新しい魔法。これにはいったいどんな力があるのかその内明かされます。




