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<酒場の一幕>

「それで姉さんどこに食べに行くの?」


ズンズン進む姉さんの後を追いながら俺は聞いた。


「この前兵達に聞いたんだけどおいしくて安い酒場があるらしいの!そこで初依頼達成とランクアップのお祝いをしましょう。お金は報奨金で支払うわ」


勝手に決めちゃってるけど・・・・まぁ別にいいんだけど。


「なんてお店なのかしら?」


シルフィーが聞いてきた。すると姉さんが立ち止り指を指した。


「ここよ!!旅の止まり木」


そこには結構な大きさの建物があった


「今更だけど酒場に俺達はいれるの?」


「酒場と言っても別にお酒だけじゃないらしいから大丈夫よ」


俺の疑問に姉さんがすかさず答える。俺は納得してドアをくぐる。


ガヤガヤガヤ


「人がいっぱいだな」


「でしょ?それだけいい店って事よ。あそこが空いてるから座りましょう」


俺達は四人テーブルに座り女性店員を呼んだ。


「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」


「この店のオススメを三つ頂戴」


姉さんが勝手に注文をする。オススメだからいいんだけど、俺らの意見は無視なのか。


「畏まりました」


女性店員は注文を聞くとカウンターの方に向かった。すると酔っぱらいの男がその女性店員の方に近づき尻を触ろうとした。

慣れているのか女性店員は手を叩き男に怒鳴ってたみたいだが、男が何か言うと顔を真っ青にしていた。

男はニヤニヤした顔つきで女性店員に迫っており、周りは見て見ぬふりだった。

だがそこにヒーローが現れた。姉さんだった。


「あんたいい加減にしなさいよ!この娘、嫌がってんでしょうが!!」


男と女性店員の間に割って入り、女性を庇うように男に怒鳴った。


「おうおう、嬢ちゃん威勢がいいなぁ~。嬢ちゃんも可愛いが後五年したら相手してやっからどいてな」


男は姉さんを無視して女性に手を出そうとした。しかし、姉さんが男の腹を思いっきり殴りつけた。


「グォッ、てめ~何しやがる。俺はCランクの冒険者だぞ!!手を出してどうなるのか分かってんのか?」


「どうなるなんか知らないわよ。あんたはとっととどっか行きなさい」


俺は男の殺気が膨らむのを感じてシルフィーにアイコンタクトを送るとシルフィーは姉さんと女性を庇う位置に俺は姉さんの前に飛び込んだ


「まぁまぁ、落ち着いてください。こんなとこで争っても何もならないじゃないですか。ここはお互い引きましょう」


俺は男を説得しようとする。男は俺とシルフィーを見た後また気持ち悪いニヤニヤ顔になっていた。


「何だガキ~。まぁ、俺様としてもやぶさかではないんだがな。そこの珍しくてべっびんのエルフのねーちゃんが俺の相手をしてくれるのならな」


次の狙いはシルフィーらしい。どこまでも下衆なやつだ。

俺は少しイライラしつつ


「シルフィーは俺の女なので手を出さないでいただきたい」


「お前のもんだと?ガキが何言ってやがる。ねーちゃん俺のとここいよ。毎晩可愛がってやるからよ」


そう言って男はシルフィーに手を伸ばしていた


「生憎と私はコウ様のものなのであなたみたいなのに指一本触らせるつもりはありませんよ」


シルフィーがそう言い放ったため男の伸ばした手が止まっていた。


「ならこの小僧を殺してお前を奴隷にしてやる」


俺はこの言葉を聞いた瞬間にキレた。同時に男はひっくり返り床に叩きつかれていた。

男も周りも唖然としていたが俺は構わなかった。


「おい、お前誰の女を奴隷にするって?うん?舐めてんの?」


殺気を放ちながら男に詰め寄った。男の顔は真っ青である。


「大丈夫ですからコウ、その殺気を止めてください」


シルフィーが俺を宥めてきた。俺は殺気を弱めつつも男に言った。


「とっとと勘定払って出ていきな。二度とその面見せるんじゃないぞCランク様」


「はっ、はいぃぃぃ」


そう言って男は金を置いて走って逃げて行った。

ワァァァァ

すると歓声が起こった。そんな中女性店員が俺の方に来た。


「ありがとうございます。あの方はあんな振る舞いが多く困っていました」


あいつはこの店で頻繁に同じような事をしていたがCランクの為なかなか手が出せなかったらしい


「いえいえ」


俺は苦笑しながら対応していた。なぜなら後ろで姉さんが拗ねていたからである。


「うー、私でも楽に倒せたのにコウに良いとこ持ってかれた」


と姉さんの言い分である。まぁ確かに最初に止めたのは姉さんだからいいとこ取りと言われても仕方がない。


「ごめんごめん。お詫びに魔法教えてあげるから」


「ホント?じゃあご飯食べたらさっそく練習よ!!」


機嫌がコロリと変わる姉さんだった。


「それにしてもコウの殺気すごかったわね」


「そんなにヤバかった?」


俺にはあまり自覚がなかった。


「普通に殺気で何人か気絶してたし。本当かわからないけどCランクが殺気一つで逃げ出すんだから相当よね」


「そっか。殺気なんて出したつもりはなかったんだけど気を付けるよ」


「まぁ、私の為に怒ってくれたんだから嬉しかったわ」


シルフィーは嬉しそうに言った。

そうこうしてるうちにご飯が来た。しかも料金はタダでいいらしい。俺達は舌鼓を打ちながら食べた。

サブタイトルが良いのが浮かばない。よければ提案お願いします。

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