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<秘密と隠蔽に説明と加護と神と>

「全員無事か!?」


「父様、コウのおかげで全員無事よ」


「そうか!それはよかった」


父さんは心底ホッとした顔を見せた。そして顔を引き締め兵士達を見た。


「皆聞いてくれ!今日ここでの出来事はコウの為に秘密にしてほしい」


「「「「えっ!?」」」」


兵士達一同は皆驚きを隠せなかった。そんな中一人の兵士が手を上げ立ち上がった。


「アーサー様お言葉ですが、命の恩人の為ならそのような事ぐらい我らは断わりません。それにコウ様の為なら尚更です。しかしながら軍まで出動していてこの件自体を秘密にするのは無理なのではないでしょうか?」


「そうよ、父様!街の人達なら薄々何かあったとは感じているはずよ。それに街の人達なら黙ってくれるかもしれないけど行商人や冒険者なんかにまで秘密にはできないわ」


「それもそうか・・・どうしたものか?」


父さんは考え込んでいた。

そこに姉さんが思いもよらない話をぶち込んできた。


「出来事自体は隠せないけど魔物達を倒した人を隠す事ができるわ」


「それはどうするんだい?」


「勇者が助けてくれたって事にするのよ!勇者なら強くても不思議ではないし私達からしたらコウは危機を救ってくれた勇者みたいだったから嘘はついてないわ」


なんか新手の詐欺みたいな話だな。


「確かにそれならコウがやった事に対しての隠蔽にはなるか。後はもしバレた時の事だな」


「それは簡単よ!冒険者ギルドに登録してランクを上げまくれば大丈夫よ」


「それがどこが大丈夫なんだ?」


父さんは苦笑していた。


「この歳でAランクくらいあればすっごく強いからそんなこともできるんだろうぐらいで済ませれるはずよ」


「おぉ、確かにそれぐらいのランクがあれば何とか誤魔化せるか!!よし、ギルドマスターは知り合いだから連絡しておくから明日にでも登録してきなさい」


俺の話なのに俺が口出しする暇もなく話が進んでいく。まぁ、元々冒険者ギルドには登録するつもりだったからいいんだけどな。

登録するつもりなら、なぜ今まで登録しなかったかというと年齢的なのもあるが、洗礼を受けステータスを見せられる状態じゃないと登録できないんだ。

俺は洗礼する前でも見せれたがめんどくさくなる事間違いないから今日まで我慢していた。


「父さんの知り合いでしたらスキル関係については話しておいた方がいいですよね?」


「そうだな。その方がおまえも動きやすくなるだろう」


「それじゃあ、明日に向かうよ」


一通りの事が決まりようやくみんな家路についた。しかし大変だったのは家に着いてからだった。


「あなた、コウおかえりなさい。そしてエリナ無事でよかったわ」


母さんは姉さんに抱きついた。


「コウのおかげで助かったわ。母様ただいま」


姉さんも母さんに抱きついていた。

そして、二人の抱き付き合いが終わった後、姉さんはこちらに向かってきて。


「さぁ、全部説明してもらうわよ」


姉さんからマシンガンの如くの質問攻めにあいながら全部を話した。


「なるほどね。これでコウの強さの秘密と私のステータスの意味がわかったわ」


「「「ステータスの意味?」」」


俺、父さん、母さんでハモった。


「みんなには今まで黙っていたけど私の加護の欄にコウの加護ってのがあったのよ」


「「「えっ」」」


またまた見事に三人がハモった。


「よくわからなかったけど、コウの魂が創造神クリエに近いものだから神の加護として私のステータスに表示されたみたいね」


マジか!?俺なんもしてないのに加護が勝手に付くのか。これはなかなか問題だぞ!俺の正体がばれ易くなる。

こうなったら最終手段を使うしかないな。


「みんな聞いて!俺は加護を付けようと思って付けたわけじゃないんだ。もしこれが勝手に付くのならこれから色々と問題になる」


「そうだな。まずコウなんて神はいないしコウなんて呼び名も珍しすぎるしな。でもなぜか名前を決めるときその名前が浮かんだんだ。今思えば神様からのお告げだったんだろう」


俺は思わず苦笑いした。まさしくクリエの爺さんからのお告げだろうな


「てことで、それに関する対処をするために俺は最終手段を取ろうと思う」


「「「最終手段?」」」


今度は姉さん達でハモった。


「クリエの爺さんに聞く」


「「「えぇぇぇぇ」」」


もう家族の前では遠慮せず俺は使えるものは使うことにした。ゲームとかなら制限プレイも嫌いではないがこれは現実なのだからあらゆる事に制限はつけたくない。

俺はアイテムボックスからスマホを取り出した。


「それはなに?」


姉さんが聞いてきた。


「基本的には前世の持ち物で遠くの人と会話できるものなんだけど、今はクリエの爺さんと話す用かな」


「遠くの人と話せるだけでもすごいのだけど、神様と話ができるなんて神器じゃないの!?」


「そうなのかな?とりあえず爺さんに聞いてみるよ」


プルルルルルプルルルル。

ガチャッ。


「おぉ、コウかどうしたのじゃ?」


音声をスピーカーに切り替えみんなに聞こえるようにする。


「今家族みんないるんだが俺についてはすべてを話した、そして爺さんの事もな。それでこの会話もみんなに聞いてもらってる」


「そうかそうか。疑り深く注意深く人をあまり信用せず冷めたコウがそんなにも信用しているのだな」


「「「えっ?」」」


みんなが驚きまくっていた。まぁ今の状態だとあまりにも違うからな。まぁ本質は変わっていないんだけどな。


「いらない事は喋らんでいい」


「まぁ、そんな事言わずにのぉ~。コウの家族の者達よコウはわしにとっては孫みたいな感じじゃ。これからもコウの事よろしく頼むのじゃ」


「はっ、はい勿体ない言葉ありがとうございます」


父さんは緊張しまくりながら答えていた。父さんのこんな姿初めて見た。


「それで本題なんだけど、姉さんのステータスになんかコウの加護ってのがあるんだけど、俺は何もしたつもりはないんだがどうなってる?」


「加護は基本的に気に掛けるってだけでつくのじゃ。普通は神界から地上を見てて良さげなのを見守っていると付くんじゃけど、コウはずっと一緒に居て見守ってたんじゃないのかのぉ~」


あぁ、それなら心当たりがあるわ。


「鍛錬とかでここ四年間ずっと一緒だったし鍛錬の時とかは気に掛けてたからそのせいか」


「おそらくそれじゃな。気に掛けるっていってもちょっとしたことぐらいではすぐに加護なぞつかんから大丈夫じゃよ」


「そうか。それならよかった!ついでにこの俺の加護はどういう効果があるんだ?」


「コウは特に何か決まった神ではないからと言うか現時点では神ではないからのぉ~特に決まった効果はないはずじゃ」


「じゃあただの称号みたいなものか」


「そうじゃ。しかし、常人より成長が早かったりなどの効果ならあるかもしれないのぉ~」


「まぁ、問題ないならいいや。ありがとう爺さん」


「な~に久しぶりに喋れてよかったのじゃ。またいつでもかけてくるのじゃ」


ガチャ。

そう言って電話は切れた。


「問題ないみたいでよかったね」


みんなに声を掛けたがみんな固まってた。しばらくすると・・・・。


「「「はぁ~~~~」」」


「みんなどうしたの?」


「どうしてコウは平気だったのよ?」


「なんかあった?」


「あった?ってなんか声を聴いてるだけでも威圧がすごかったのよ。息するのもしんどかったわよ」


姉さんが言った事に全然心当たりがなく俺は頭を傾げるだけだった


「恐らくだがクリエ様の御威光みたいなのが声からでも感じられたんだと思う」


父さんの仮説に俺はなんとなく理解した。なんとなくなのは俺には全く感じられなかったからだ。


「なるほど。まぁ、とりあえず問題は解決したし後は明日冒険者ギルドに行くだけだね」


「そうね」


こうして、激動の一日を終えた。

いよいよ冒険者登録!

ここから戦闘もちょこちょこ入ってきますのでお楽しみを

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