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このサイトで投稿する初の小説ですので、至らない点多々あるかと思いますが、温かい目で見てやっていただければ幸いです。
ばっどえんど予定ですので、ご注意ください。
「行ってきます。」
そう言って、右手を不格好に額へと掲げたあなたのことはよく覚えている。朝、私が着させてあげた見慣れない軍服も。肩にかけられた「大日本帝国万歳」のたすきも。唇を噛み締め、いつもと変わらず真っ直ぐに私を見つめたあなたの視線も。「必ず生きて帰ってくるから。」と、強い意志をひめながら言ったあなたの震えた声も。私の胸にこみ上げてきた得もしれない悲しみも。それを抑えるために無理やり張り付けた私の不格好な精一杯の笑顔も。
あの時、もしもあの時、「主人は病気なのです。」と、お国の方に私が言っていたのなら。
あなたに、「いかないで、死なないで。」とすがっていたのなら。
あなたは今、私の隣にいたのでしょうか。
今、私の手の中に、この残酷な紙は、なかったのでしょうか。
「陸軍少佐
○○○殿ノ名誉ノ戦死ヲ悼ミテ弔意ヲ表ス
昭和二十年三月二十四日
陸軍大臣下村定」
それは、蝉の声が鳴り響く、まだまだ暑い日。陽炎に包まれながら、静かに、激しく、泣いていた。
私の涙を拭ってくれる人も思いを受けてくれる人も、もう、いないのだ。
いやはや・・・疲れます真面目な小説は()
サイトの方ではおちゃらけた二次小説ばかりやってるので(すいません)こっちでは真面目な小説しか書かないつもりです。絶対。
まだまだ続きますので、頭の片隅にとどめておいていただけたりなどしたら幸いです。