夏の終わりに散った花火。
久々ですね、尖角の作品です。 宜しくお願いいたします。
夏の初めに、二人で見に行った花火。
君に想いを告げる僕。 少しでも一緒に居たくて。
ちっぽけな勇気だけれど、必死に振り絞って、君に答えを訊いてみた。
そしたら、君は僕に「いいよ」っていう答えを出してくれた。
互いに寄り添い、夢を語り合い、これからをって二人で考えていた。
いつも一緒にいた。 それが幸せだった。 そのことは、今でも覚えている。
いつも一緒に居てくれてありがとう。 君は花火のように散ってしまったけど。
あれから数年経った今では、君と過ごした昔のことは良い思い出で、
一度だけ君と見に行った花火を、今は他の誰かと毎年見に行っている。
君を幸せにできなかったお前がそいつを幸せにできるのか?って他人は言うかもしれない。
だけど、僕にとっては、今も昔も君と過ごした時間を後悔したことはない。
だって、今の僕がいるのは、昔の僕が君と一緒の時間を過ごしていたから、
一緒に過ごしていた時間があったから、今の僕が胸を張って生きることができるんだ。
誰もが皆 成長して変わっていくけれど、この思い出が色褪せることはない。
何度だって、何をしていたって、君と過ごしていた大切な時間を思い出す。
そんな一つ一つのことが君という人間を甦らせる。 僕の中で生き返る。
いつも見失っていた、二人が進むべき道。
これから先も、見失うことは沢山あるだろう。
だけど、今は道標がある。 君という人間が正しい道を教えてくれる。
だから、今の僕は君がいるから、胸張って前に進むことができる。
だから、新しい人との新しい道を笑いながら踏み出すことができる。
君は過去の人。 だけど、今の僕の中でも生きている。
僕は未来のある人。 隣にいる人を護らなくちゃいけない。
だから、僕は君との時間を思い出に、これからを生きていくよ。
ありがとう、前に進む勇気をくれて。 ありがとう、これからを教えてくれて。
これからは、先に死んでしまった君に恥じることのないように生きていく。
僕が死んだら、思い出話でもするよ。 夏の話だけじゃなく、他の季節も。
だから、それまでは見守っててくれ。 僕ともう一人を見守っててくれよ。