8月の満月
俺は8月生まれ。
小さい頃から野球ひと筋で、中学、高校と野球部だった。
坊主頭でキャッチー、甲子園にはいけなかったけれど、それなりに楽しい学生生活だった。
高校に入ってからは、りさと樹と3人でよく出かけるようになった。何故かうまがあった。
高校3年の夏のある日、樹から「俺、りさに告白する」と聞いた時は別に驚きもせず、「頑張れ!」と一言言った。
でも、いざふたりが付き合い始めると、俺は何とも居心地が悪くなった。
俺はりさのことが好きだったのか?とも思ったが、それは違う。樹が好きなのか?それもなんとなく違う。
りさばかり目で追うようになった。
りさの持ち物、仕草、気になる。
俺は、りさに憧れてる。異性としての感情ではなく、俺はりさみたいになりたいんだ。
高校を卒業して、りさはここを離れた。
俺は、樹に俺はどうも女の子になりたいみたいだと相談した。樹はびっくりはしたが、わかった。と一言言ってくれた。俺は応援するぞ。
それから俺(私)は、頑張って女の子になる努力をして、今にいたる。
私は、女の子も好きだし、男の子も好き。
それが恋愛感情なのかは分からないけれど、清水くんと一緒にいる時間は楽しい。
憧れのりさといる時間も楽しい。
そろそろ清水くんとの待ち合わせの時間になる。
走ってこっちにきてるわ、あ!つまづいた、転びそう。うふふ、かわいい。
「お待たせしました」
「汗かいて、さぁ、今日はスタージェーンムーン、チョウザメの満月の日、キャビアでも食べに行きましょう」
「はい!」
今日は、私の話しを聞いてくれてありがとう。
読んで頂きありがとうございます。