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月の魔法  作者: Libra
3/13

3月の満月

あの日、ふたりで歩いていると、高校生に戻ったような感覚になった。離れていた時間を埋めるように言葉が溢れてくる。樹が実家の前まで送ってくれた。

まだ話し足りない。


「じゃあ、またな、連絡するよ

あ、連絡先、高校の時から変わってないから。」



   『暗証番号はりさの誕生日のままだよ』

   『暗証番号は樹の誕生日のままだよ』



ふたり心の中で独り言。


うふふ。



あの日から、樹と連絡をとりあっている


仕事が忙しくても樹とのこの時間がとても楽しい。


樹から


『3月7日こっち来れるか?』


と連絡が入っていた。


『その日は大丈夫だよ。』


『じゃあ、駅着いたら連絡してくれ。

そろそろ寝るわ、おやすみ。』


『うん、おやすみなさい。』


こんなやりとりだけでも嬉しい。




3月7日


駅に着いた。

樹の後ろ姿が見えた。今日はいつもと違って、黒いコートを着ている。長身の樹にとてもよく似合っている。

カッコいい!


「樹!お待たせ。今日は、どこ行くの?」


「車で来てるから、とりあえず車乗ろう」


車を運転している樹、何か雰囲気がいつもと違う。

なんだろう?

車が駐車場に入った。あ!ここは高校の頃よく樹と放課後来ていたファミレスだ。


「ドリンクバーふたつとポテト。」


樹が注文する。


懐かしい。いつもこのメニューだった。


樹がコーヒーを持ってきてくれた。

ポテトもきた。久しぶりに食べるポテト美味しい。

パクパク食べていると、樹が真面目な顔で


「りさ、覚えているか?ここで俺は、こっちの大学に行く事に決めた。と言った。ホントは、りさにもこっちに残って欲しかった。でもそんな事は言えなかった。」


「りさ、俺ともう一度付き合ってくれ。今日、この場所で言いたかった。」


ゴホゴホ!ポテトが喉に詰まった。


「水、水、!」


「えー!もう私達付き合ってると思ってた。」


「・・・・・」


「はい!よろしくお願いします。」


窓の外にはミノムシかブラブラと木にぶら下がっている。

お月さまも笑っているようだ。


「あ、今日はワームムーンだ。」














家のベランダから満月が綺麗に見えています。

皆さまの所はどうですか?



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― 新着の感想 ―
[一言]  満月の度に距離が近くなって行く二人。  今度は離れないでいて欲しいですね。(o^-^o)  詩のような小説のような不思議な作品ですね。  とても雰囲気があっていいなあ。( 〃▽〃)
[一言] 読ませていただきました。 Libra様のお月様のお話とても好きです(*ˊ˘ˋ*) 二人がまたお付き合いする事になって良かった! また来月も楽しみにしております! ちなみに昨日の満月は北海…
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