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月の魔法  作者: Libra
2/13

2月の満月

いつきと再会してから1週間がたった。

あの時は「またね」なんて言ってしまったけど、、、

私と樹は、高校3年生の夏に付き合い始めた。

受験生だからデートというデートもした事が無くて、学校帰りに一緒に公園でおしゃべりするくらいだった。その時間がとても楽しかった。

一緒に東京の大学に行く予定だったけど、樹のお父さんが倒れて樹は地元の大学に進学、私は東京の大学に行って、そのままなんとなく終わってしまった。




2月の満月の日、駅に向かう。駅ビルは、バレンタイン一色になっている。チョコレートの甘い香りが漂ってくる。

電車に揺れながら、ボーッと窓の外を眺めていると、樹との楽しかった思い出が浮かんでくる。

空を眺めると大きなまるいおつきさまが微笑んでいるようだ。


樹ホントにいるのかなぁ?


ドキドキしながら、丘の上の公園に足が向かう。

だんだんと足が速くなって行く。

公園に着く頃には、ハアハア息切れしていた。

樹が微笑んで待っていた。寒そうに


「りさ、寒いと思って、温かいコーヒー買ったけど、冷たい方が良かったかな?」


「もう、コーヒー冷えちゃってるよ。」


「だいぶ前に買ったからな。アハハ」


「樹、そういうところ、変わんないね。」


そういうところが好きだった。


ふたりでベンチに座って、冷えてしまったコーヒーを飲みながら、近況報告やとりとめのない話しを時間が経つのも忘れて話した。

帰り際、


「ちょっと早いけど、チョコレート、ハイ!」


「お!ありがとう」


駅ビルで買ってきて良かった。


空を見上げると、白いものがヒラヒラと舞っていた。


「今日は、スノームーン」


樹が独り言のように呟いた。



ふたり 遠い月を眺めながら自然と手と手が重なった。



読んで頂きありがとうございます。

今月のお月さまは1年でいちばん遠くに見えるそうです。

皆さまの住んでいる所は、コールドムーン見えましたか?


寒い日が続きますが、お身体に気をつけて下さいね。

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― 新着の感想 ―
[一言]  離れていた時間が感じないほど、熱々なんですね。  ゜+.゜(´▽`人)゜+.゜  月に導かれた恋人同士。  これからどんな物語を紡いで行くのか楽しみです。  (o´艸`o)♪
[良い点] 最後のところが、特に素敵で好きです(^^) 雰囲気が好きです。
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