出立
ルナ達4人は手早く準備を済ませ、里の出口に向かう
里の出口には玉藻やかごめ薬師など世話になった人達が見送りにでてきていた。
「御主ら準備は良いようじゃな、
里をでるのは妾が同行しよう、霧の中で迷ったら助けられんからの
かごめ達とは、ここでお別れじゃ」
「皆様、短い間でしたが里の外の方との交流は楽しいものでした。
この先お気をつけて、いつかまた会えると良いですね」
普段は無表情なかごめだが、この時ばかりはほんの少し寂しそうな表情を浮かべていた。
ルナもなんだか寂しそうな表情をしている。
「かごめ殿…
親切な対応、本当にありがとう
お陰で快適な滞在だった
いつかまた、会いましょう」
「かごめ!! お前は俺に大切な事を気づかせてくれた!
この恩は忘れないぜ!ありがとう!! 」
やけに熱が入った挨拶を交わすアッシュ
? を浮かべ少し置いてけぼりなかごめの手を取り、固い握手をする。
「そうでした、お渡しするものが……
おいで、ポックル」
どこからか、かごめの方に小さい梟が飛んで来る
先程、玉藻が言っていた伝々梟のようだ。
「この子はポックルと言います
里にいる伝々梟の見習いではありますが、皆様のお役にたつはずです
ポックル、頑張ってね
ルナ様達のお役にたつのよ」
____ホホーッ
と一声鳴いてプルプルと頭を震わせる。
パタパタと羽ばたいてポックルはフィリアの肩に移動する。
最初こそビックリした様子だったが、フィリアの肩にとまったポックルを見て、満更でもない様子だった。
「よろしくね、ポックルさん 」
「それと、僅かですが食料と路銀を馬に積んで起きました、お役立て下さい」
「頂けませんよ、
里で良くしてくださっただけで十分です」
「いいや、ルナ
それは受け取っておくのじゃ
妾達ができる支援などたかがしれとるからの……
お主らに渡した武器も金も遠慮せず使うと良い」
重ね重ね礼を言い
用意してもらった馬に跨がり、玉藻の案内で里を出る
霧に呑まれて、姿が見えなくなるまでルナ達はかごめ達に手を降っていた
濃い霧に視界を奪われ、里に入った時と同様に玉藻の鈴の音が4人を誘う。
視界が開けた時、ルナ達は木々に囲まれ自然豊かな森の中を進んでいた。
キョロキョロと周りを見渡すと
アッシュ、フィリア、ジェイドが連なって続いているのが見え、前を先導していたはずの玉藻の姿はなくなっていた。
代わりに、4人の手の中にはそれぞれ手紙が握られており
木立を通り抜ける風に乗って微かに
「また会おう」
と、玉藻の声が聞こえたような気がした。
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~ダングフォート 闘技場 地下~
冷たい地下牢に奴隷達のうめき声が響き渡る
無機質な石造りの暗い部屋に鎖で繋がれ
親元から誘拐されてきた子供
凶悪な犯罪者
借金のカタに売られてきた男女様々が
これから向かえるであろう己の悲惨な未来を思うと絶望するしかなかった。
奴隷達が閉じ込められている牢屋とは別の一室
壁には口にするのも恐ろしいほどの残虐な拷問器具が並び
部屋の真ん中には女が1人、両腕を拘束され衣服をひん剥かれて鎖で吊るされていた。
黒い覆面を被った大柄な男が
女の背中に、一切の遠慮無く全力でムチを振るう
鋭い音が響き渡り、背中の皮膚は裂け鮮血が飛び散った。
「__________ッッ!!!!」
耐え難い、叫び出したくなる程の痛みが女を襲うが
太い猿轡を噛まされているため、悲鳴が掻き消される。
幾度と無く、襲い来る暴力に背中はズタズタに引き裂かれ
女はぐったりとする。
拷問官は猿轡を外し問いかける
「どうだ? 話す気になったか? 」
震える唇で女は答える
「………………誰が……あなた達なんかに家族を売るものですか……」
「そうか、まぁ好きにするといい
俺が楽しませてもらうだけだからな」
男はそう言って、猿轡とムチをその場に放り
部屋の角の暖炉に向かう。
パチパチと燃える火の中から真っ赤に焼けた火箸を取り出し
ニヤリと笑って言った
「頑張れよ、俺のアイデアとお前の根性
どっちが勝つか見物だな……」
女の元に向かって歩き出す拷問官
焼けた火箸をもつ手の甲には黒い蠍の刺青が見えた。
________ドサッ
ボロボロになった女が牢屋に投げ込まれる
ガタガタと体は震え、痛む全身を庇うように床にうずくまる女の背中越しに、先程の拷問官が声をかける。
「楽しかったぜ…
また、遊んでくれや」
そう言って、男は部屋を出ていく。
消え入るような小さい声で、女は呟く
「……ルナ…………助けて…………」




