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オルビア国物語  作者: バルカン
第2章
32/72

激闘2

ジェイドの一撃と共にアッシュとフィリアを乗せた馬が駆け抜け、戦場を離脱する。


タイタンクレイボアは2匹残っているが、その内の1匹はジェイドによって鼻先を潰され虫の息だ。



____ザッ!


樹の上からずっと見ているだけだったマルクスがようやく地面に降りてきた

先程までの薄ら笑いを浮かべたような表情は消え、見下すような冷たい顔をしている。



「さて、観念しぃや!

クレイボアごときに遅れはとらへんで!


大人しく、こっちの質問に答えてもらおか??」


武器を構えたまま詰め寄るジェイド

しかし、マルクスは引く事は無く、落ち着き払った表情を保ったまま口を開いた。





「_____ふぅん・・・


思ってたよりもやるもんだね…




ますます、不愉快だ…


正直あまり気乗りはしないんだけど

まぁ、でもたまには自分でやるのも悪くないか…









ラウム

取ってこい…」


ラウムと呼ばれたカラスが肩から飛び立ち

鼻先を潰されたクレイボアの頭上で旋回する


___クエェェェとひと鳴きして翼を折り畳み

瀕死のクレイボアに突っ込んでいった。




_________バシュッッッ!


と音がしてクレイボアの体をカラスの魔物が突き破る。

派手に血を撒き散らしながらクレイボアの体から出てきたラウムの嘴にはドクドクと脈打つ心臓が咥えられていた。




立て続けに、最後に1匹残ったクレイボアの方に向かうラウム…


群れのボスを失って、あわてふためいていたクレイボアは為す術無くラウムに体を貫かれる。

ピクピクと数回痙攣してタイタンクレイボアは動かなくなった。



血濡れになってマルクスの肩に戻ったカラスの魔物の嘴にはまだ動いている心臓が2つ咥えられている。





「ご苦労


さて、しょうがない

僕がお前らと直接遊んであげるよ


後悔すると思うけど、お前らが悪いんだからね!」



と言って、マルクスはラウムから受け取ったタイタンクレイボアの心臓を2つとも



__食べた






「うへぇ…気持ち悪いなぁ

いくら新鮮と言われても、生の臓物は勘弁やで……」




「ジェイド、ふざけている場合じゃ無いぞ

様子がおかしい…


___________ッ!!!」



突如としてルナの目の前に尖った爪のような物が飛んできて、顔に直撃する寸前でギリギリかわす。



飛んできた爪はそのままルナの背後の木の幹に突き刺さる。

__________ジュュウウウウウ!



派手な音がして、木の幹が溶け

そのまま、メキメキと音をたて折れてしまった。




「_____なっ!」




「ふぅん、避けるんだ

目が良いね



でも、死ぬのは時間の問題だよ

僕が相手なんだからさぁ!」




クレイボアの心臓を食べたマルクスは見た目から変容していた。

黄色い目をして瞳孔が開き、


体格も先程は小柄な男というイメージだったのに対し

今は180センチ程まで身長が伸び、筋肉もしっかりついている。


肌の表面には鱗のような紋様が浮かび上がり

細長い舌がチロチロと口の端から出入りしていた。


爪は鋭く、真っ直ぐな3角形をして先が尖り

爪の先から液体が滴り落ちている


液体が落ちた地面からは


___シュュウウウウ

という音と共に煙がでていた。





マルクスが腕を振るうと

辺りに3角形をした爪が飛ばされ、同時に毒を撒き散らし、直ぐに次の爪がはえてくる。


滴り落ちる毒液による煙はジェイドとルナの視界をだんだんと奪っていった。




「さて、今度はこっちの番だね!」




煙の中から突如として殴りかかってくるマルクス

ルナは手持ちの武器が無いためシルフの力を借り、バックステップで距離をとる。


一方ジェイドは戦鎚で敵の攻撃を受け止めた。




________ギィィィン!!!



と鈍い音がして、ジェイドとマルクスは拮抗するが

次の瞬間………



バシッッッ!

敵の攻撃を戦鎚で受け止め、組み合っていたはずのジェイドが吹っ飛ばされる。



「ジェイド!

大丈夫か?」


ルナが駆け寄る


「モウマンタイ………

と言いたいところやが、そうもイカン


マズイで………

アイツ、魔物を取り込んでしもたみたいや…」




「なっ!そんな事できるのか?」



「正直、オレもようわからへん!

こんなん初めて見るで………


アイツ………腕がグネングネンに…曲がって…伸びよった…

全く、どない…せぇっちゅうん……じゃ」




「___??

ジェイドどうした?本当に大丈夫か???」



「…ア、アカン……

さっき…殴られた時に、毒喰らったみたい…や

痺れる………」




「これでは、分が悪い

一旦引くぞ!」




ジェイドを馬の背中に放り投げるルナ

自分も馬に飛び乗り、フィリアたちが走っていった森の深部目掛けて、駆け出すのであった。


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