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オルビア国物語  作者: バルカン
第2章
29/72

夜襲

馬に飛び乗る飛び乗ると同時にフィリアは炎の魔術を空に向かって放つ。



大きな火の玉がぼんやりと辺りを照らし周辺の状況が明らかになった。



野営地を囲むように焚かれた魔物避けの香は握り拳ほどの大きさの石で壊されており


野営地に向かって多数の岩のような球体が多数ゴロゴロと転がって来ていた。


「ヒヒダルマや!

囲まれたら分が悪い


森まで逃げるで!」


ジェイドが青ざめた顔をして叫ぶ。


こちらに向かって転がって来る岩の正体はヒヒダルマと呼ばれる魔物であり

2メートル程の大きさの球体をしている。


猿のような顔に、頭と2本の腕のみといった異質な見た目をしており、敵と見なしたものには転がって体当りをしたり押し潰したりといった攻撃をしかける。


球体の身体を転がしての平らな地での移動スピードは凄まじく、群れで襲ってくる事も相まってコミカルな見た目に反して非常に危険な魔物だ。



フィリアは前方に向かって2発立て続けに魔術を放ち、

森までの最低限の視界を確保する。



キィキィと叫び声を上げながら襲いくるヒヒダルマを牽制しつつ、一向は夜の平原を疾走するのだった。







安寧の森の端に1番にたどり着いたのはフィリアだ

直ぐ様馬から飛び降り、振り返って後続を援護する。


ジェイドやルナとアッシュを乗せた馬は今にも追い付かれそうだ。



フィリアは'バレットスプラッシュ'を放ち、

3人に迫りつつある魔物の一団に直撃したように見えたが、

ヒヒダルマ達の凄まじい回転により、体表面で弾かれてしまった。




「_____なっ!


だったら、これで…」


効果が無いとわかったフィリアはすぐに別の魔術に切り替える。


「大地に宿りし命の友よ 出でよ!

'グレートウォール'」




フィリアが魔術を唱え、地面に杖を突き立てると

土でできた大きな壁が多数隆起しヒヒダルマ達の行く手を阻むようにそびえ立った。



土の壁はヒヒダルマ達の回転の勢いに負け砕け散るが

それでも回転の威力を弱め、ジェイド達が森にたどり着くまでの時間を稼ぐには十分であった。



「ようやったフィリア!

森に入ればこっちのもんや!」



平坦な地では圧倒的な速度を誇るヒヒダルマも森の中のような足場の悪い場所では思うように転がることができないため大きく戦闘能力が落ちる。

このためこういった場所に誘い込んで戦うのがセオリーであった。




ルナ達を追って森に飛び込んできたヒヒダルマ達は木にぶつかったり、落葉で滑ったり等して回転を止める。



「今や!

こうなったら奴らは大したことないで!!!」


ジェイドたちは馬から飛び降り反撃を開始する。

回転がとまったヒヒダルマ達を倒すのは容易で、

森に飛び込んできた最初の数匹を倒した所でキィキィと鳴いて残りのヒヒダルマ達の群れはあっけなく退散していった。




「み、皆さん大丈夫ですか?」


「ふぅ__危なかった…

フィリアの魔術とジェイドの知識に助けられたよ


ありがとう」



「ああ、

せやけどおかしいのう

奴等は夜行性の魔物やないで…


昼のケイブベアといい、この辺の魔物の行動はおかしな事ばっかや…」




「ふぅん、案外博識だね…

まぁヒヒダルマ達は君たちを追い立てるために利用しただけだから別に良いんだけどさ…」




「誰だ!!??」



突然、頭上から声がして

ルナ達は声がする方を見上げた。





樹上に佇む黒装束の男が1人

肩にカラスの魔物を留まらせルナ達を見下ろしていた。


魔物避けの香

傭兵達が携帯する魔物を遠ざけるためのお香

魔物の血液に数種類の薬草を混ぜて乾燥させて作る


一度焚けばしばらくは魔物が嫌がる煙を出す効果があるが火をつけてから効果が表れるまで少しだけ時間がかかる


その為、戦闘中や逃走の際に使用するのではなく野営を張る時に使うのがごく一般的である。

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