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オルビア国物語  作者: バルカン
第2章
26/72

1日目

「ふぅ、とりあえず今日の移動はここまでやな」



荷解きをし、ジェイドは周囲に魔物避けの香を炊いてまわり、フィリアは夕食の準備

ルナはアッシュを馬から降ろし、様子を見ていた。




すっかり日も落ち

夕食を終え、各々状況整理の為に集う




「さぁてと、とりあえずはお互いの状況整理や

今、俺らのおかれとる現状を話しとかんとな

フィリアも情報が十分じゃないやろ?


聞いときや」




互いに、小さい焚き火を囲み

話を始める。



「まずは、コレをみてや」


といって、ジェイドはルナにアドニスの手配書を渡す。


ルナは1通り手配書に目を通し、驚いた顔をする。


「なっなんだこれは?

こんなものが?」




「残念ながら、本物や

これがオルビアの国中に既に貼り出されとる


内容については追々アンタに聞くとして、

今はアドニス姐さんがお尋ね者や、

当然部下である俺らも同様に指名手配やろうな


アンタをロレイン川で拾ってから2日間

どっから漏れたんか知らんけどな…

王国軍の連中、アドニス姐さんがジョー・ドルイドにおること知っとるみたいやった…


思っとったよりも早く、新しい辺境伯とやらが決まって街に通達が来たもんやから時間が無かったんや。


それで、この無茶苦茶な計画が姐さんから提案されて、姐さん自信が囮になって行ってしもうた…





そこでや…


アンタ一体何者や?

アドニス姐さんが命かけてもアンタら2人を逃がすって言って聞かんかった!


どういうことや?

きっちり答えてもらうで!

姐さんと俺らの仲間の命掛けとるんや!」



最初こそ、冷静に話し始めたジェイドだったがアドニス達の安否が気になる事や

自分達がお尋ね者という重圧にイラついていたのだろう…



言い終わる頃には、ほとんど怒って怒鳴っているようにしか聞こえなかった…



「ジェ…ジェイドさん

そんなに怒っちゃったら話しにくいよ…


ルナさんやアッシュさんだって大変なんだから

今は協力しないと…」



オロオロしながらもフィリアがジェイドをなだめる



「フィリア………ありがとう

それからジェイド、巻き込んでしまってすまないと思っている。


君の怒りが収まるかどうかは分からないが答えられる範囲は全て答えよう」



それからルナは、

自分とアッシュの事について

アドニスとの関係

今までの経緯等を話した。



自分は王都出身の貴族であること、アッシュは自分の護衛であること

成人式の日に父親の親友であるアドニスと家族と宴会をしている所を賊に襲われた事


アッシュに庇われ、裏庭の崖から飛び降りて王都の真横を流れるロレイン川に飛び込み

気を失った事




「ア、アドニス様が言ってた事と大体同じだね

ジェイドさん、やっぱりルナさん達も巻き込まれただけだよ?」



「すまないフィリア…大体同じとは?」




「__アドニス姐さんが言うには

最初から犯人を姐さんに仕立て上げるつもりやったんちゃうかって話やった。


賊に襲われた所までは今のルナの話と姐さんが俺にしてくれた話と一致しとる


王国の対応がおかしいのはその後や…

襲撃事件があった日の翌朝には、姐さんが犯人やっちゅう手配書が貼り出されとったらしいんや


それに、賊の連中も妙な連中や言うとったな

見た目だけ小汚い軍人みたいな奴らって話やったで」






「それは多分…アドニスの言う通りかも知れないぜ…」


小さくうめくような弱々しい声が聞こえて、皆一斉に後ろを振り返る。

そこにはうっすらだが、確かに目を開けてこちらをみるアッシュの姿があった。




「アッシュ!

起きたの?大丈夫??」



ルナがすかさず、駆け寄る。



「あぁ、傷は痛むが問題ねぇ


それよりなんとなく話は聞かせてもらったが

連中は間違いなく、ただの賊じゃないぜ」



「驚きやな…

まさかあの怪我でこんなに早う目覚めるとは思わへんかったわ


アンタも十分只者や無いように思えるねんけど

どういう事か聞かせてもらおか?」



「簡単な話さ…

賊にしては、装備が充実し過ぎだったんだよ


屋敷の中で何人かとやりあったんだが、弩やら斧槍を持った奴らと戦闘になった


軍人や騎士の装備だぞ?



屋敷も火種無しにいきなり爆発、からの炎上だ


おそらく、強力な魔術の類いだろうな



それにそもそも、俺らがいた屋敷は王都の貴族街の一番奥だ

金が目当てならもっと入り口に近い貴族の家を狙うだろうし、屋敷が燃えているってのに王都憲兵隊が全く駆けつけてこなかった…


アドニスは都合よく犯人に仕立て上げられたんだろう」






「なんやそれ!?

どっちにせよ俺ら

とばっちりやないかい」



「ジェイドさんっ!!」



「ま、ええわ

姐さんと隠れ里まで送る約束はしてもうたし


明日も早い、予定やと隠れ里に着くのは明後日や

俺はもう寝るわ…


アンタらも明日に響かんようにしといてや」




スッと立ち上がって、ジェイドは火を囲む輪から離れていってしまう。



「ルナさん…アッシュさん…

ホントにごめんなさい


あんな酷い言い方して・・・」



「あぁ、構わないよ

どんな経緯にしろ巻き込んでしまっているのは事実だからね…」



「あ、あのっ

信じるのは無理かも知れないんですけど、本当はジェイドさん優しくていい人なんです


多分、いまはアドニス様と一緒にいけなかったことに憤りを感じていて、

それをどうやって発散していいか方法が分かんなくて


混乱してるんだと思います。

ジェイドさんだって、ルナさん達が悪くないのは分かってるはずなんですけど…


ジェイドさんはアドニス様の事がすごくすごく大好きだから…


だから……その………」




「____ありがとうフィリア


大丈夫、彼の優しさは今日1日で十分伝わっているよ

君の優しさもね


それにしても南部の人は、アドニス様の事が本当に好きなんだね

本当に驚いた。


だからこそ、私に苛立ちをぶつけたくなる気持ちも…

よく分かるよ」




「ルナさん…」




4人はなんとなくギクシャクしたまま

1日目は終わっていくのであった。

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