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オルビア国物語  作者: バルカン
第2章
23/72

ジョー・ドルイド4

____ハッ…ハッ…ハッ…____



暗闇の中をルナはひた走る。

前も後ろも完全な闇に包まれ、自分が今どこにいるのかもわからない。


でも、ルナは止まれなかった。

止まってしまうのが怖くてたまらなかった。

なぜだかは、自分でもわからない。



目的もわからぬまま走り続け、一体どれ程時間が経ったのだろう…



ぼやっと遠くに明かりが見える。

何かに導かれるようにルナは明かりに向かっていく…




「ルナ………

………ルナ………ルナ………」



遠くで誰かが名前を呼ぶ…




_______ゴウッッッッッッ!!!


突然回りが炎に包まれる

明かりだと思ったのは炎の光だった。




「あ____

これは………私…

そうだ、屋敷が…お父様…お姉様


________________アッシュ……」



なんとなく、思い出した。

皆を探していたような気がする…



炎の中をみんなの名前を叫びながら走る

「お父様ーー

ソフィお姉様ーー

アッシューー」



返事はない…

炎の中を再びひた走る。



______ジャララララララ!


「___ッ!!!!????」


突然、目の前に大振りな鎌が飛んでくる

ギリギリの所で回避し、後退りする。


目の前の炎の中から燃え盛る男が鎌を持って出てきた。


「ルナ………ルナ………ルナ……ルナッ…ルナッ」



燃え盛る男がルナの名前を呼びながら襲い掛かってくる。



「クッ!

何だこいつは?」



燃え盛る男から走って逃げる。

だが、男は追いかけて来た…

早い…………


全力で走っているつもりなのに、全く距離が開かない…



「ルナ………ルナ!!!」




燃え盛る男が鎖鎌の鎖を投げつけてくる。


「__________バシッ!」

「__________!」



脚に鎖が当たり、巻き付いてきて脚がもつれ、

その勢いのまま倒れる。


地面に伏した顔をあげ男の方を振り返ると燃え盛る男が鎌を振り上げる所だった。


(___やられるっ!!)




振り下ろされる鎌を防ごうと目の前で腕をクロスし防御の姿勢をとる。

最後にルナが覚えているのは振り下ろされる男の腕

燃え盛る手の甲に真っ黒な蠍の刺青

目を閉じ真っ暗な空間が広がる世界に逃避した後、今までより強くハッキリと名前を呼ぶ声が聞こえ


現実の世界に引き戻されるのであった。


______________


「ルナ!!!

しっかりしろ!」



「う、うぅ…?」



目を開けると、見覚えの無い部屋

簡素なベットに寝かされ、腕や頭には包帯が巻かれている。



「ルナ!!!

起きろ!悪いけど時間が無いんだよ!」




名前を呼ばれ、無理やり覚醒させられたせいで頭が少しぼうっとするが、目の前で自分を呼んでいるのは…


眼帯をしてはいるが紛れもなくアドニスだ。



「アド……ニス…様?」



「起きたか!

良かった!悪いけどゆっくり状況を説明している時間がないんだ

とりあえず、生き伸びる事優先だよ!


質問は今は無しだ。

生きてりゃ、後で情報交換しよう

今アンタがするべき事を説明するよ」



外では、遠巻きに爆発音

小さくだが、人の悲鳴も聞こえてくるが一切お構い無しにアドニスは説明を続ける。




「良いかい?

とりあえず、私達の現状は今お尋ね者だ。


王国軍の連中に見つかったり、捕まったりするのは死に直結すると思って行動しておくれ!


今、アンタがいるのはジョー・ドルイドの街

だけど今から街を脱出してもらう事になる」


「え……アドニス様

一体何をおっしゃって…?」


「質問は無しだ!

少なくとも今じゃない


黙って聞いとくれ!」



ルナ達がジョー・ドルイドの街に担ぎ込まれてから2日



アドニスは王国軍の情報収集と対策を精一杯考じたのだが、あまりにも時間が足りなかった。



ただ事では無い雰囲気を感じ取ってルナは現状を理解しようと質問は諦め、集中して話をきいている。



「王国軍の奴らが思っていたよりも足の早い連中でね、

まだ、街への侵入は許して無いが時間の問題だ


街が包囲される前までが勝負だよ。


目が覚めたばっかで酷だとは思うけどルナには隠れ里に向かってもらう。


アタシの部下を付ける

これでも頼りになる連中だから、護衛+連絡役だと思って役立てておくれ!

アッシュも一応は治療が一区切り付いているからね


自力で動くのは無理だろうからアタシの部下に運ばせるさ」



「アドニス様はどうされるのですか?」



「アタシは、アンタ達と真逆に逃げるさ!

なるべく目立つようにね


今のとこ、アタシが生きていることは王国に知られちまってるから、囮としては十二分だろう。」



「そんな!危険です」



「簡単にはくたばるようなアタシじゃ無いよ

アンタ達が生きてることまで知られるよりはマシさ


なるべく、王国軍の連中を引き付けてから身を隠す


アタシからの連絡を待っていてくれ!



ジェイド!フィリア!

準備の程はどうだい?」



「銀髪の兄ちゃんはええで!先に外で待っとくわ!」


「は、はい~頼まれていたもの持ってきました」



ジェイドとフィリアと呼ばれた二人組が部屋に顔を出し、

フィリアと呼ばれた女性は、着替えと一振の槍を持ってきてルナに着替えるように促した。


急いで準備を終え、救護施設の外に全員で出る。



「ルナ、今は訳わかんない事ばっかだと思う。

隠れ里に着いて落ち着いたらジェイドとフィリアから色々聞きな


話は通しておいてあるから、必ず生き延びるんだよ!



ジェイド、フィリア!お前達だけが頼りだ。

2人を任せたよ!」



「姐さんも死んだらアカンで!」

「や、約束ですよ」



「ア、アドニス様

__________どうか、ご無事で」




ルナ達にニコッと笑顔を向けアドニスは駆け出す。

背中に身の丈程もある長い大刀を背負い

腰には2本の脇差しを差し


ハンマ達のほか部下を30人程を引き連れ、馬に乗り王国軍の包囲を真正面からぶち抜いて行く。




囮としての効果は絶大で王国軍は直ちにアドニス達の追撃を開始するようだった。

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