ジョー・ドルイド3
「_______ッ!
ア アドニス姐さん!なにやってはるんや?
ケガはもうええんか?」
真夜中、突然の意外な人物の訪問に動揺しまくるしジェイド。
「あぁ、おはよう
おかげさまでずいぶんと良くなったさ。
あんがとな」
顔はニコッと笑っているが、全身に巻いた包帯が痛々しい。
左目には眼帯を巻いており、強がってはいるがあまり顔色は優れない様子だ。
「それにしても、なんや突然!
聞きたいことが山ほど____ッ!」
「シーーーーーー!」
口を手で塞がれ遮られる。
「声が大きいよ!
アンタにこっそり訪ねてきた意味が無くなっちまうじゃないか!
そんなに時間も無いんだ、手短に伝えるよ」
それからアドニスに伝えられた内容はジェイドにとって衝撃の連続であった。
旧友ボールドウィンと共に呑み明かしていた所を賊に襲撃を受け戦闘になったこと。
火事の中ボールドウィン家の者とはバラバラになってしまって安否が不明なこと。
追手を振り切るため夜通し排水路に潜み
朝になってみると、すでに自分が犯人に仕立て上げられ手配書が街中に貼り出されていたこと。
御者もお供の者も殺されており
1人で王都から脱出を計り、衛兵達と戦闘になったこと。
命からがらの脱出劇を演じジョー・ドルイドの街に裏からこっそりと入った所で記憶は途絶えていること。
耳を疑うような驚きの連続であったがジェイドは黙って聞いている
「___とまぁこんな感じで目が覚めたらベットの上だったって訳さ
どうだいここまで聞いて、
おかしいとは思わないかい?」
「なんちゅーか…話が出来すぎやな…」
「だよな?
もちろんアタシは賊の連中とも知り合いじゃないし、殺されかけたんだ!
犯人扱いされちゃ、たまったもんじゃないよ
それに、賊の連中…
格好は汚ならしい身なりだっけど、あの動きは統率の取れた軍隊並だった…
手配書だって次の日の朝には貼り出されてたんだ
ろくに調べもしてないだろうに…
アンタの方は何か知ってることあんのかい?
王都をでてからは身を隠しながら帰ってきたから、王国がどこまで手を回しているか全くわかんないのさ」
ジェイドは自分が知っている限りを話す。
街の人間は手配書の事を知っている事
ハンマを中心に情報収集にあたっている事
残されている時間は不明だが、そう多くはない事
南部には新しい辺境伯が来るというウワサや
憲兵隊が向かっているウワサの事も含め、
洗いざらい話した
「そうか、アタシがジョー・ドルイドに帰ってきてるってことは?」
「ハンマのおっちゃんと相棒のフィリア
救護施設の一部の連中しか知らんハズや…」
「なら、そのまま他言無用で頼むよ
こうなった以上、アタシの居場所はなるべく知られないのが一番だからね」
「了解や
アドニス姐さんは
これからどないするんや?」
「アタシは、一旦救護施設に戻るよ
いなくなって騒ぎになったりしたら、アタシが街にいることがバレちまうからね
とりあえず、ハンマと連絡を取るのが優先かな
どうしたらいいか考えないと
まぁ、辺境伯の身分に未練があるわけでもないから、
しばらく身を潜めて、のんびり暮らすってのも悪くないかもねぇ~」
「何言うてんねん!
街の皆困ってまうやろ
姐さんが始めた俺達の為の街や、もうちょいだけ付き合ってもらわんと…恩の1つも返せんやないか」
「___________そうか…
良い仲間を持ったみたいだな…アタシは…
ありがとな………
さて、そろそろ救護施設に戻るよ!
行方不明になったアイツらも探さないといけないしな…」
「あ………あぁそうやった____!」
ジェイドは朝方に貴族のような格好をした男女2人をフィリアと共に助けたことを思い出す。
「何?
そいつら、いま救護施設にいるのか?」
「そうやな、さっき見に行ったときはまだ目覚ましてへんかったからまだ何にも聞けとらんのやけど、かなり重症みたいや、そう簡単に動かれへんと思うで!」
「わかった。
そっちはアタシがあたってみよう、生意気そうな顔した銀髪の長身野郎と茶髪の超絶美人女だな?
予想が当たってれば、多分ルナとアッシュだ
アイツら…………生きてたんだね………………」




