表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オルビア国物語  作者: バルカン
第2章
20/72

ジョー・ドルイド

~ジョー・ドルイド~



活気づいた街のメインストリートを糸目の男が歩く

動きやすさを重視した身体の弱点部分を重点的に守る

軽鎧を着用し、背中には大型の戦鎚を背負っている。


タバコをふかしながら視線のみでメインストリートのあちらこちらを物色しつつ傭兵の詰所へと歩いていく。



詰所のドアを開け中に入るが、まだ朝早い時間のため人は少ない。



(なんや…しょっぱいのぅ

アドニス姐さんも帰ってこんし………


ほな、今の内に装備のメンテでもしよか…)




「おぉうハンマ!

商売あがったりやな!そんな閑古鳥がなく鍛冶屋にジェイド様が来たったでぇ!

武器見たってや」



「なんでぇ?ポンコツジェイドよ

お前ぇにゃあこのハンマ様が暇してるように見えてんのか?

開いてるか閉じてるかわかんねぇような目ならくりぬいてやろうか?」




「冗談キツいでぇ

今日は朝はよから仕事終わらせて来とるんや


厄介者まで拾てしもてヘトヘトやねん」



「ほぅ、お前さんが朝早くから依頼をこなすたぁ珍しい事もあるもんだ!


よし、武器出しな!


そういえば、フィリアの嬢ちゃんはどうしたんだ?

厄介者てのは何の事でぇ?」




「そういっぺんに聞きなや

女にモテへんで!

ちゃーんと説明したるがな


まぁアレや、依頼の帰りに馬車の中で優雅な一時を満喫しとった時や

ロレイン川の河岸で倒れとる奴らがおってな

フィリアが見つけて、さっさと走っていってまうねん。

オレも、相棒をほっとくわけにイカンやろ?



見に行ったんやけどビビってまったわ!

大分長い距離流されてきたんとちゃうんかな?

身体中ボロボロやねん!


格好だけは2人とも立派な服装しとったわ

どっかの貴族の家出とニラんでんねんけど…」




「そいつぁ妙だなぁ

仮に貴族だとしてもロレイン川の上流に貴族が住んでるような街が近くにねぇだろうよ」



「王都があるやんか?」



「王都だぁ?おめぇさん王都からこの辺までどんだけ流れが早いと思ってんだよ?

ムリだね!ムリ!!

王都からジョー・ドルイド付近まで泳いでたどり着くなんて現実的なじゃねぇ!

普通だったら死んでるよ


で、それとフィリア嬢ちゃんがいないことになんか関係あんのか?」



「ん?ああ、フィリアのやつな

救護施設の治療室の前で座ってんねん

アホくさ!

やれることはやった!!

後はアイツら次第やって言っても聞かへん。


なんや、心配らしいわ!!

助けた私にも責任があるので!とか言っとったのう」




「そうか、それでフィリアの嬢ちゃんを置いてきたって訳だな

まぁ優しいあの子らしいっちゃらしいな」




「ところで、アドニスの姐さんはどないしてもうたんや?

もう王都に向かって8日目や

5日程で帰る言うてなかったか?」



「あぁ?アドニス様か?

そういややけに遅い気もするが、古い友人と会うとか言ってたから呑みすぎてんじゃねぇのか?」




____________バタン!!!


「おい!

大変だ!誰かいないか!

これ見てくれ!」



突然、詰所の扉が開かれ1人の傭兵が入ってくる。

手には、一枚の紙



「なぁんや、騒々しい奴ばっかやなぁ

これだから田舎もんってイヤやねん」


「ふざけてる場合か!

俺達にも関係あることだぞ!」



そう言って、持ってきた紙を机に拡げるとそれは手配書だった。

回りからもぞろぞろと詰所にいた少ない連中が集まってくる。




ー手配書ー


先日、王都で発生した

賊による貴族街襲撃事件の首謀者としてアドニス・ブラッドレイを指名手配とする。


ブラッドレイ氏の辺境伯 爵位は取り消しとし

以後、オルビア国法一級罪人として扱う。


生死問わず、連れてきたものには賞金が支払われる。


~なお、必ず本人と確認できるような状態でなければ賞金は減額されるので注意の事~


見つけた者は王国騎士団もしくは王国軍へ必ず報告する事。

匿ったり、協力した者には

アドニス・ブラッドレイ同様の刑が無条件に適用されるものとする。


以上。







アドニス・ブラッドレイが指名手配

ジョー・ドルイドの街の人間にとってこれ程衝撃的なニュースは無かった


ジョー・ドルイドだけでは無い、オルビア南部で暮らしていほとんどの者達はこの手配書の内容を鵜呑みにはできないであろう。





「なんやねんコレ

自分、冗談ヘタやなぁ

あんまりウケへんで…特に南部ではダダ滑りや」



「バカ野郎!!

こんな冗談かますとおもうか?

本物だよ!本物!!


中央平原の依頼で王都近くの街までいったらこれを見つけたんだ!

今、国軍の憲兵隊が各地方に向かって手配書を持って回ってる!

それだけじゃねぇ、ジョー・ドルイドには新しい辺境伯と憲兵隊の本隊が捜索に来るってウワサだ!」





信じがたい内容の手配書を前に黙りこくってしまった。





「・・・」

「・・・」




___長い、沈黙を鍛治師のハンマが破る。



「とりあえず、アドニス様に話を聞かんことにゃあ始まらんだろうな…


てめぇら、余計な想像膨らまして勝手な事すんじゃあねぇぞ!

アドニス様は、儂らを見棄ててくたばるような人でも無ければ、

こんな下衆いコソ泥みたいな真似する人でもねぇ!


それは、てめぇらも良くわかってる筈だ!


必要以上に騒ぎ立てんじゃねぇ。

各々、まずは情報収集だ!


憲兵隊の連中に勘づかれるようなヘマするんじゃねぇぞ!


まだ来てねぇ、連中にもそう伝えろ!

わかったな?」





「おぅ!」と皆それぞれ返事をし詰所を後にする。

残ったのはジェイドとハンマだけだ



「また、とんでもないことになってまったな


ハンマのおっちゃんのスピーチはシビれたわ!

流石やなぁ」



「よせ、からかってる場合じゃねぇぞ

お前さんの武器も見とくから、さっさと行きな」




「行くってどこへや?」



「救護施設だよ。

今の話、フィリアの嬢ちゃんにも伝えてやりな!


あと、例の運び込まれた2人ってのがどうにも怪しく思えてな…

タイミングが良すぎる

もしどっちかでも意識が戻ってたら、ちょいと話を聞かにゃならんかもな」





「救護施設か…

アタシも…連れてって貰おうかな」

________ギィィ



突然、声を掛けられ扉があく音がして2人は黙る


盗み聞きされた?

誰が?

いつからだ?







目配せして

2人は手近にある武器をとって声のする方へ振り返った



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ