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オルビア国物語  作者: バルカン
第1章
13/72

~リチャード王子~

~成人式前日 王宮内 ギデオン王私室~



成人式を明日に控え、ギデオン王は難しい顔をして報告書を読んでいた。

「ロディール、この報告は確かか?」


「残念ながら…夜鷹(よだか)からの報告ですので…間違いないかと…」


「くそ、忌々しい…

よりにもよってボールドウィンの所の小娘が…

しかし、こればかりはどうにもならん……



ロディール、貴様は他に関係者がいないか調べろ。

経過は逐一報告するように…


では、下がれ…









_______アルフレッド!!」





苛ついた声を出してアルフレッドを呼びつける



「お呼びでございましょうか?」

私室の扉が開かれ、アルフレッドが入室してきた。




「リチャードを呼んでこい、明日の事で話がある

あぁそれと、以前命じたリチャードの花嫁候補の3人には手紙を送っただろうな?」




「はい、勿論

ギデオン王より仰せつかったその日の内に三通ともだしております」



「よろしい

では、リチャードを呼べ」



「承知致しました」













____________コンコン!



「リチャード様 アルフレッドでございます」




「どうぞ」



リチャードの部屋があいてアルフレッドが入ってきた。




「リチャード様

明日の事でギデオン国王よりお話があるそうです

私室まで来るようにとおっしゃられましたので、お迎えにあがりました」



「父上が・・・・・・・・・・・・わかった」


しばらくの沈黙の後、リチャードは返事をするがあまり嬉しくはなさそうだ。





リチャードを(たずさ)えギデオンの私室に向かう途中アルフレッドに尋ねる

「父上は用件はなんと?」





「存じ上げておりません

リチャード王子を呼ぶようにとしか仰られませんでした


ですが、花嫁候補のお話をなさっておりましたのでその件やもしれませんな」





「くそ……

何でもかんでも勝手に決めて……

また、その話を蒸し返す気か」



「お気をつけくだされ…どこに耳があるかわかりませんよ」




「そう言うんだったら、アルフレッドから父上に進言してくれよ

信頼されてるお前の言うことなら、父上も少しは耳を傾けるだろ?


いつだって、俺は父上の良いように扱われて…

結婚の相手も時期も自分で決められんのか!!」



「リチャード様、私にも立場というものがございます


信頼を頂いてるのは光栄なことではございますが

そのような進言をしたら、私は明日には打ち首でしょうな


その辺で収めて下さい、もうすぐそこですよ」







_____コンコン!





ギデオンの私室をリチャードがノックする。




「父上、リチャードが参りました」


「入れ…」


「失礼致します」



「リチャード、明日の準備はどうだ?」


「………問題ありません」


「そうか、それは何よりだ


では、本題だが____

お前の花嫁…やはり変更だ

相手は、ボールドウィン家の小娘とする

以上だ」




「父上!!!

いきなり何ですか!!!


前日にいきなり呼び出して、そんな大事な事をあっさりと!

意味が解りません。

だいたい、私は婚姻には納得していませんよ!!!」




「・・・・・・そうか・・・・・・・・

言いたいことはそれだけか?」




「__父上っ!!!」


「他に用件がなければ下がるのだ

私は忙しい、明日はアルフレッドを特別にお前の護衛としてつけてやる


アルフレッド…任せるぞ」



「承知致しました」



「よし、では下がれ」



「失礼致します」



部屋にはリチャードとギデオンの2人しか残っていない



「どうした?早く出ていけ!忙しいと言っただろう?」



「いい加減にしてください!!!勝手に話を進めて!

父上はいつもそうだ!

何なんですか、突然結婚しろだの相手を変えろだの

ふざけるのも大概にして頂きたい。


良いですか?私はそんな話納得も了承もしていません


明日で私も成人として認められるんだ!

いい加減、父上の操り人形でいるのはウンザリなんで

勝手にさせてもらいますよ!!!」



リチャードが顔を真っ赤にして怒鳴る。

無理も無い、幼い頃から全て父親の言い付け通りにして過ごしてきた彼だ。


父親には愛情を持って接して貰った記憶は無く

ただ必要事項を淡々と伝えられるのみ、


我慢の限界だったのだろう。


リチャードは初めて父親に反発をした。




「・・・・・・フム

そうか」



静かにギデオンが立ち上がる




「リチャード、もう一度聞くぞ?

言いたいことはそれだけで良いのだな?」




ギデオン王は部屋の隅あるキャビネットから何かを取り出してリチャードに近づいてきた




部屋の空気が重い…

それに何だか、やたらと暗い気がする…


ギデオン王の影が肥大して部屋全体を覆っている…



怒り心頭で完璧に頭に血が上ったリチャードは異変に気がつくのが遅れてしまったが

ギデオンは既に目の前まで迫っていた…………



「………用済みだな」




そう言って近づいてきたギデオン王の手には本来此処にはあるはずの無い


漆黒の王冠が握られていた。

リチャード王子の記憶はそこで途切れた。

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