準備
「姉さん、SSSが初探索から無事帰還したそうだよ。」
「そうか。しかし、君はダンジョンに入らないのかい?君なら監視の目を掻い潜るくらい造作もないだろう?」
「確かに可能だけど、せっかく地球に帰れたのにまたファンタジーはもうお腹いっぱいだよ。しかし、どこの国もまるでかけっこする小学生みたいに必死だね。確かに、ダンジョンから得られるものは今の地球にとっては価値が計り知れないものばかりだけど、それらを獲得するにはもう何年かかかるんじゃない?」
地球に住まう人類の順応性次第だとは思うけど。
「仙人は腹は減らないんだろう?」
「比喩だよ。比喩。
さて、これからどうしようかな。」
聞けば、国は対策法に基づき、探索者協会を設立するそうだ。
探索者協会とは所謂ギルドと同意でS〜Eランクで階級を設けて貢献度を見える化し、福利厚生として様々な特典を得られる場所だ。
満18歳から登録資格を得ることができ、当面は体力試験と面接、カウンセリングを経て探索者となる事ができる。
取り敢えず僕達は試験を受けることにした。
後日。
結論から言うと当然の如く2人揃って合格した。
そして、ダンジョン出現から1年後、遂にダンジョンが一般開放された。