違和感
公園ということに間違いはない。但し、それは公園を公園たらしめるものがあるからそう断定した。
しかし、僕が知っている公園とは少し違っていた。姉さんにとっては何もかもが元の世界とは違うためとても混乱していた。
円柱形のロボットが数台公園内の清掃をしていた。
商品の宣伝を噴水の上で立体映像でしていた。
飛行船が飛んでおり、側面に付けられた巨大なスクリーンで臨時ニュースを報道していた。
これだけ見ればもう、僕が就活していた頃の時代ではないのは明白だった。
取り敢えず今がいつの時代なのか確認するためにコンビニに寄り、新聞を読んだ。
分かったことといえばあの頃から二百年以上経っており、電子機械技術があの頃よりもさらに発展していたことだった。衣食住に関してはあの頃とあまり変わりがない。あるとすればアシストロボと呼ばれるロボットがテレビの録画予約をしてくれたり音楽を流してくれたり、検索機能で料理のレシピを教えてくれたりなど、生活をより便利に快適にしてくれるものがあるというくらいだ。
お金に関しては紙幣に刷られている人が変わっていたし、硬貨もデザインが変わっていた。
まずはお金を得るために質屋に行き旧貨幣の歴史的価値の差額分を回収した。
戸籍云々の問題は魔法の力でどうにかした。もしバレたらまた魔法の力で何とかしよう。
そして僕たちはカプセルホテルに泊まりながら仕事を探すことにした。
日本
「機械、電子機器技術の発展は日本にとって有難い物だ。もちろん諸外国にとってもだ。しかしねぇ。」
「ええ、同時に電子データの改竄技術もそれに伴って向上しているのが問題ですね。密入国者や身分証偽造等の問題は未だに解決できる手段はありません。」
「天才ハッカー、天才クラッカーと呼ばれる連中たちが国の味方だったならともかく、敵にまわってしまった連中もいるから厄介だ。」
「対処できる手段の開発も急務です。」
「ああ、何とかしないとな。
それと問題はそれだけじゃない。」
「例の噂話の伝播ですか。」
「ああ、ゲームの中だけで十分だったんだがな。あれ。」
「しかし、中で発見されたものの中には新しいエネルギー資源になるものや治療不可能患者を癒すポーションも発見されています。迷惑な話ばかりありませんよ。」
「無論だとも。今は自衛隊が発見し次第秘匿してはいるが、時間の問題だな。法律の調整も進めてはいるがギリギリになるだろうな。早くせねばなるまいて。」
「ええ、諸外国も同様の問題を抱えているみたいですが。」
「どこの国も同じさ。但し、思想、宗教の違いで公表後はどうなるかは国次第だがな。特にアジア圏はきな臭くなるだろうな。」
「でしょうね。その辺りの警戒もしておきましょう。それにアメリカもですよ。」
「分かっている。」