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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

マスクと血

作者: 那由多

殴られることなんて怖くない。


ただ単純に当たって痛いだけ。


痛いってことは慣れればなんてことない。


別に死ぬようなことじゃないし。


辛かったらそれを受け入れるしかない。


記憶や感情なんて突き詰めたら情報の一部でしかない。


変えようと思えばどうとでもなる。


心を閉ざせば楽になる。




だから俺は心を閉ざした。



俺は黒瀬宵千、高校生。皆からは陰キャと認識されている。


認識、されているのか。


それすらも分からない。


俺にも輝かしい青春はあった。でも今は学校生活なんてなにも感じない。


俺はマスクをつけている。ただのマスクだけど、外したところを見られたことは一度もない。


それには理由があるんだ。


中ニの頃、事件にあったんだ。


街で買い物をした帰り道、誰かにつけられてる気がした。


足音がする。それもだんだんと大きくなっている。


早足で歩くと足音も早くなった。


すると突然後ろから襲われた。当時俺を虐めていたグループのリーダー的存在のクラスメイトだった。


いきなり頭を金属バットで殴られ、俺は気を失った。


気が付くと俺はもう使われていない倉庫の中で縛られていた。


そこには虐めのグループ全員が居て、皆が色々な道具を持っていた。


ハサミ、ナイフ、針、バット、釘、金槌、ロープ、ライター、中には鞭を持っている奴もいたっけな。


そいつらは俺を囲むように立っていて....あとは分かるよな。


拷問された。椅子に座らされ、ロープで縛られて、道具を使ってひたすら


グサッ、グサッ...


痛かったな。俺はなんであんな事をされなければいけなかったんだろうな。


俺はその時に全てを悟った。虐めグループの奴らの考えや、気付いているのに止めてくれなかったクラスメイトや先生の気持ち。


そしてその時に気が付いたんだ。


慣れてしまえばなんてことないって。


俺はその日からマスクをするようになった。


自分の心を閉ざして。


ま、自分も悪いんだ。やり返さなかったから面白がって虐めを続けたんだと思う。


俺は高校に進学してから、出来るだけ目立たないように過ごした。


テストは毎回平均点。席は毎回理由をこじつけて一番後ろの端の席にしてもらっている。


弁当はいつも一人で校舎裏で食べる。


それが俺の学校生活。


これからは俺の学校生活を語ろうと思う。


暇なら聞いて言ってくれよ。



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