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オンラインなNPC~NPCの一人旅~  作者: 湯たんぽ
第一章 叛逆(殺傷愛)
64/135

63.水蒸気爆弾


「今のを防ぎきるとは思わなかったぜぇ。成長したじゃねぇか、私生児」

「それはどうもありがとうございます。あなたは成長せずに、しばらく前から停滞しているのではないでしょうか」

「そんなことはねぇよ」

「そうですかね」


 正直どうでもいいですが。この時間稼ぎにつきあう義理もありませんし、今度はこちらから行かせて貰いますか。


「あなた、治安保持部隊の切り札って知ってます?」


 脅威度をAと判定した者にのみ使う切り札。


「いや、知らねぇな」


 足下に《水たまり(プール)》を作り、《(アイス)()(アロー)》を投下します。

 レベルは上がりませんでしたが、『氷雪属性』魔術のスキルレベルが上がったので。《(アイス)()(アロー)》が使えるようになりました。


「そうですか。そういった勉強もしておいた方が良いと思いますよ」


 氷の一歩手前まで温度の下がった水を使って《水泡(ウォーター)()(ボール)》を作ります。


「領主にはそういった知識も必要でしょうから」

「はぁ?必要ねぇだろ」


 短剣を順手に持ち替え、アレクセイへと切っ先を向けます。

 高速で《水泡(ウォーター)()(ボール)》を飛ばし、直後に《火炎(ファイヤー)()(ボール)》を飛ばします。『狙い撃ち』スキルを最大限に活用し、アレクセイの目の前で《水泡(ウォーター)()(ボール)》を押しつぶします。


 直後、爆発。


「水蒸気爆弾と言うものです。治安保持体の切り札の水素爆弾は再現不可能でしたので、模倣(トレース)して作りました」


 いつか再現出来ると良いのですが、水素を作り出せないのですよね。本当に、どうやっているのでしょうか。


「私の得意技ですよ」


 水蒸気爆弾がではありません。模倣(トレース)が、です。この前、妙なスキルも獲得してしまいましたしね。

 立ちこめる煙と閃光の中、満天のMP回復ポーションを飲み干しながら、アレクセイのいた場所へと魔術を飛ばします。


「《火炎(ファイヤー)()(ボール)》、《鎌鼬(ワール・ワインド)》、《(ランド)()(スパイアー)》」


 火と風刃を押しのけて、石の床を突き破って土の尖塔が天高く聳えます。

 その尖塔に弾かれるように人が一人宙を舞いました。


「あれはアレクセイですね。ちゃんといましたか」


 取り敢えず追い打ちを掛けます。


「多数展開《(ランド)()弾丸(バレット)》、一斉掃射(フルバースト)


 丸い土の球がアレクセイへと飛びかかり、彼の体を貫きます。

 ですが、まだまだ終わりませんよ。


「《(エア)()爆発(ブラスト)》、爆発(ブラスト)、合成魔術《飛電(ライトニング)》《(ウォーター)()弾丸(バレット)》」


 雷電魔術がスキルレベル2になって習得した《飛電(ライトニング)》で、《(ウォーター)()弾丸(バレット)》を加速させ、さらに体内にまで侵入するそれを帯電させ、内側からも外側からも感電させるという合成魔術です。いずれ、一つの魔術に纏めてみたいですね。確か合成魔術ならばSP1で出来たと思いますし。レベルが10くらいになったらやってみますか。


「まだですよ。《魔術効果範囲拡大化(インラージ・マジック):《(ファイヤー)()絨毯(カーペット)》》」


 アレクセイの落下予測地点一帯に《(ファイヤー)()絨毯(カーペット)》を敷きます。


水蒸気爆弾とか本当にできたら面白いですよね。

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