60.ウィルヘルムという名の騎士
「久しぶりですね、騎士擬き」
「……」
「チッ!話の途中に攻撃してくるなんて、私生児はやはり性格が悪いな!いや、私生児が、じゃないか。兄さん。おまえの性格が悪いんだよ!」
「ふぅ。攻撃の予測も出来ず、さらに慢心していた責任を他者、それも敵に求めるなど、やはり嫡出児は頭の出来が悪いですね。いや、嫡出児が、ではありませんね。アレクセイ。あなたの頭が悪いのですよ」
嫡出児全体なら、クレイボンにサリーとエウリウスはともかく、姉様も含まれてしまいますからね。姉様はあれでかなり賢いです。アレクセイなんて目じゃないほど。
理由はわかりませんが、普段は愚かなフリをしているだけでしょう。極東にそのような英雄がいたと聞きます。愚かなフリをして、他人を油断させたと。しかしその巧妙すぎる演技によって本当に愚かだと勘違いした部下に殺されてしまうのですけれどね。結局その有能な部下が全軍を掌握し、極東統一を成し遂げたと聞き及んでいます。
まあそれはいいとして。
「その騎士擬きはどなたですか、アレクセイ?」
問いかけながら『鑑定』を発動させます。
「俺の騎士だ。ウィルヘルムという」
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名前:ウィルヘルム
性別:男
種族:人間
年齢:28
レベル:38
カルマ値:-150《悪》
ファーストクラス:暗殺者 セカンドクラス:剣闘士 サードクラス:拳闘士
SP:0
ステータス欄
HP:1010/1010
MP:855/855
STR:502
AGI:506
DEF:583
MAG:211
ENT:416
HAN:144
スキル欄
『剣術Lv.20』『真剣術Lv.15』『魔剣術Lv.12』『体術Lv.20』『拳術Lv.20』『気術Lv.5』『鋼身Lv.10』『隠密Lv.20』『不意打ちLv.20』『闇属性魔術Lv.20』『暗黒属性魔術Lv.20』『影纏いLv.0』『闇纏いLV.0』『詳細鑑定Lv.0』『偽装Lv.20』『変声Lv.20』『演技Lv.20』『竹篦返しLv.20』
称号欄
暗殺術を修めしもの:『詳細鑑定』入手。
暗きもの:『闇属性魔術Lv.20』かつ、『隠密Lv.20』、『不意打ちLv.20』の場合に獲得。『暗黒属性魔術』、『闇属性耐性』入手。
未発達:いずれは強大な力を持つものとなるだろう。得られる経験値が1.1倍となる。
反撃は倍以上:竹篦返し入手時、隠密を獲得していた場合に獲得。竹篦返しのスキルの効果でステータスが上がる時、さらにステータス上昇《小》。
耐性欄
『物理攻撃耐性』『状態異常耐性』『闇属性耐性』
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中々面白いステータスをしていますね。それとも、偽装してこれなのでしょうか。
「へぇ。確かに父様がいない間の騎士の任命権はあなたにありますが、ちゃんと騎士団長に相談はしたのですか?さもないと彼は騎士団に入れませんよ」
「はっ!あんな時代遅れの騎士団に入れるよりも、直接俺の下で働いた方がいいってのは誰にでもわかる話だぜ」
「そうですかね」
少なくとも私にはわからなかったのですので、誰でもではないでしょう。
私が鑑定結果を眺めていた目を当のウィルヘルムに移すと、彼はこちらをまっすぐ見ていました。
顳顬を疼かせた予感を信じて、地面を蹴って体を横に投げ出します。すると、今までいた場所を短剣が飛んで行きました。
「危ない人ですね。全くもって騎士などとは言えないではないですか」
「チッ!今のを避けやがるか」
当たり前ですよ。
『統率者』の本気の出し方については、いずれ触れます。システムの穴を突いた良い方法だと思います(作者談)。
余談ですが、章設定について。
すべて○○愛にするようにしていこうと思います。
一番重要なこと(個人的にそう思っているだけかもしれない)ですが、しばらくお休みさせていただきます。と言っても、八月の頭頃にはまた元気に続きを出すとは思いますが。




