18.デート(?)の約束
自室のベッドにダイブしていた私は、こんなことをしている場合じゃないと気付き、ぼんやりとしてきた頭を振って目を覚まします。
その足で姉様の部屋を訪ねました。
コンコンコンコン。
「姉様、少しお時間よろしいでしょうか?」
「ふぇ!?カッド?ちょ、ちょっと待って」
ガタンッ!ガタガタゴトンッバタバタ!
「……」
姉様は何をしていたのでしょう。
そして、どうやったらこんな音が出るのでしょう。
……それから一分ほど後。
「いいよ」
「……お邪魔します」
急な運動をして疲れたのか、少し息が上がって、ほんのりと顔を赤くさせた姉様が扉を開けてくれました。
「カッド、ちょっと変わった?」
「いいえ?何も変わっていないはずですが」
「ちょっと大人っぽくなってるよ?」
大人っぽく?まあ、今はそんなことどうでも良いです。早速本題に入らせていただきます。
「姉様は、明日、何か予定はありますか?」
「ん?特にないよ」
そうですか。それは……良かったのか、悪かったのか。
「姉様には、命に代えてでも守り抜きたい大切な人はいらっしゃいますか?」
「えっ?え、ええと、その……」
あ、この反応はいますね。
「い、いるよ……」
「そうですか。それは、この城の人間ですか?」
「……そうだよ」
それは少し困りましたね。
「それは騎士の誰かですか?」
先程の騎士もどきのように、弟側の人間じゃないと良いのですが。
「ううん。違うよ」
「……そうですか」
ますます困りましたね。
騎士の誰かならば一緒に外に逃がすことも出来たでしょうに。
「まさか、アレクセイですか?」
「ち、違うよ」
「では、クレイボンですか?それとも、エウリウスですか?」
「違うよ」
順に他の弟の名前を出してみましたが、否定されてしまいました。
「ひょっとしてサリーですか?」
これはないと思っていたのですが……。まあ、もしそうだとしても立派な姉妹愛だと言うことですし……。
「ち、違うから!」
「あ、そうですか」
さすがに違いましたか。
妹はないですよね。弟ならまだしも、妹ですし。あ、差別じゃないですよ。区別です。
しかし、そうなると誰でしょう。料理人の誰かか、魔術研究室の誰かか。
まあ良いです。ダメもとですが、姉様のことは嫌いではありません。一応誘ってみましょう。
「姉様、明日、一緒に町を回りませんか?こっそり二人で抜け出して」
「行く行く!一緒に行こ!」
食い付いてきましたね。これは想定外です。一応次善策も色々と考えていたのですが……。まあ、本命に越したことはありませんからね。
「そうですか。では、明日は早起きしてくださいね。姉様はよく寝坊をなさいますから」
「う!……わかったわ。明日は早く起きる」
「日が昇る頃には起きておいてくださいね」
「え!?もう少し遅くて」
「駄目です」
「ても、も……」
「駄目です」
「わかったわ。覚悟しておく」
「……それほどのことですか」
姉様は朝に弱いですからね。私もそうでしたけれど、もう慣れました。
「それでは、私はこれで」
「うん、また明日ね!」
アレクセイ君とキャトリン以外の兄弟は初出。モブですが…。




