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オンラインなNPC~NPCの一人旅~  作者: 湯たんぽ
第一章 叛逆(殺傷愛)
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プロローグ ある冒険者視点

一応初投稿です。

NPCが水戸黄門する話です。(嘘です)

とりま読んでみて、つまらなかったら感想でこき下ろしてってかまいません。

嘘です、作者の豆腐メンタルが粉々になるのでやめてください。


新規の方、読み返しの方はこちらをご覧ください。

https://ncode.syosetu.com/n9698fo/


「ヤァッッ!!ハアァ!!」

「フッ!シッ!」


 男の振り下ろしを半身になって避け、手首を捻り繰り出してきた逆袈裟懸けには、上体を反らしながら逆手に持つ短剣で剣を滑らせる。



 貴族の息子の鍛錬。そう聞いてここに来た俺は、思わず自分の目を疑った。

 貴族の息子の鍛錬と言えば、誰も真面目に相手をせず、適度に相手を勝たせて終わりのはずだ。

 しかし、これは違った。

 誰もが本気で勝ちに行っている。

 護衛の、訓練相手の騎士も。

 貴族の息子も。

 そしてその技量はかなり高かった。

 今も騎士団の団長とほぼ互角に渡り合っている。貴族の息子の方がリーチが短い分、騎士団団長の方に分があるが、かなり強い。

 このまま順調に育っていけば、英雄と呼ばれる傑物になるのは間違いないだろう強さ。

 というか、騎士団団長と戦っているお方がどっからどう見ても少女(・・)なのですが。

 あれ、ホントに男?


「何者……?」


 思わず口からこぼれ落ちた呟きに、隣にいた騎士がこちらを振り向いた。

 しまった。さすがに高貴なお方に対して何者はマズかったか。


 しかし、俺の予想に反してその騎士は笑って言った。


「だよな、そうなるよな」

「は?」


 俺が思わず間の抜けた声を出すと、その騎士は不思議そうな表情で首を傾げていった。

 甲冑を被っていて表情なんて見えないが、首を傾げていたから良いんだよ。


「ん?さっきの何者って、若さまのことを言ったんじゃないのか?」


 やっぱり若さまなのか。


「いや、そうですけど……」

「じゃあ、どうした?」

「いえ、貴族の跡継ぎに向かって、何者とか言っちゃったから、てっきり殺されるんじゃないかと」

「はっはっは。そんなんで殺してたら、この町の防衛力が致命的になってしまうよ」

「そうですか」


 皆似たような反応してるんですね。


「うちの若さまは強いからね。あんまり魔術は使わないけど、魔術もかなり使えるんだぞ?」

「へぇ。そうなんですか。ところで、どうしてあんなに強くなられたんですか?」

「小さい頃から、身分とか関係なくビシバシ鍛えてきたからね。若さまご自身の要望で」

「それは何故ですか?」

「強くなりたかったんだと」


 何故そんなに強くなりたかったのだろうか。


「あれでもお二方ともまだ本気出してないんだけどな」

「えぇ!?」


 だんだん激しさを増していく戦いを見る。


 騎士団長の突きには体を斜め前方に投げ出し、そこからの横薙ぎ、いや、回転斬りは屈んで回避する。

 そして脇の鎧の隙間を縫うようにして短剣を突く。

 騎士団長は回転斬りの勢いを利用して体を前に倒し、片手で持った両手剣を逆手に持ち替えてさらに切りつける。騎士団長に張り付くようにして避け、そのまま顔に短剣を突きつけるが、騎士団長は頭を振って短剣を避け、そのまま体当たりをして相手を押し出す。


「ハァッ!」

「クッ!」


 振り下ろされた袈裟懸けは、剣の腹を右足で蹴り飛ばして軌道をそらし、そして地に着けた右足を軸足にして回転、左、右、とステップを踏んで右手を切り飛ばした(・・・・・・・・・)


「グゥッ」

「ハッ!」


 そしてそのまま喉に短剣を突きつけた。


「そこまでっ!勝者、ケイデン様」

「よし!」

「いやー。負けた負けた。強くなられましたな、若さま」


 地面に突き刺さった大剣と、それを未だ握っている右手首。

 それを放置したまま騎士団長は地面に大の字になった。

 そしてそれを見て小さくガッツポーズする、美少女にしか見えない、中性的な顔立ちの若さま。


 ……なんだこれ?



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