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こぼれ話2 西園寺あおいの葛藤

今回は、翔太くんの憧れの人である優衣こと『西園寺あおい』のお話です。


それでは、どうぞっ!

「あおいちゃんもさ、ぶっちゃけ貯金とかは結構あるわけでしょ?」


 西園寺あおいは、突然投げかけられたその問いに思わず言葉に詰まった。


 質問の主は、愛洲くるみ。もちろん、本名ではない。彼女もまた、人気AV女優である。


 一見すると不躾にも聞こえるような質問だが、ここに至るまでには当然、それなりの経緯があった。


………

……


 昨今のAV女優には、アイドル活動という仕事もある。


 主に、人気のあるAV女優がユニットを組んで行われるそれは徐々に市民権を得てきており、深夜番組などでその姿を見ることも多くなってきた。


 あおいもその例に漏れず、あるユニットの新メンバー募集オーディションに参加し、そのメンバーの座を勝ち取った。


 その名も、『中目黒アップルズ』


 野球チームでも、スマートフォンの会社でもない。れっきとしたアイドルユニットである。


 このユニットの特徴としては、AV女優以外にもグラビアアイドルやモデルがメンバーとして参加していることが挙げられる。


 その人気は高く、深夜ではあるが地上波に冠番組をもつほどだ。当然、そのメンバーの座を狙う者は多い。


 事務所の社長である黒岩が勧める仕事は、基本的になんでも挑戦するようにしているあおいであるが、当初は、まさかオーディションに通るとは思っていなかった。

 

 なので、合格が知らされた時には喜びと戸惑いであたふたし、その直後からは、慣れない歌とダンスに四苦八苦している。


 現状、あおいの人気は高い。


 最近さらに洗練されてきたルックスはユニットの中でもトップを争うほどに美しく、それでいてかわいらしさもある。そんな美人が、明らかにぎこちない動きながら必死に頑張っている姿に、コロッといってしまったファンは多い。


 ただ、本人としては、自分の下手な歌と踊りがグループの足を引っ張っているのではないかと、かなり悩んでいるようであった。


 そのため、ダンスの時間が無い日であっても時間を見つけては、自主練を行うようにしている。この日はその自主練に、先輩メンバーであるくるみが付き合ってくれたというわけであった。


「あぁー! 疲れた! あおいちゃん、ご飯行こっ!」


 くるみのチャームポイントである、甘い声が響く。


 砂糖のように甘いその声と、童顔でこじんまりとしたルックス。くるみは、その愛らしさで激戦のAV業界を生き抜いてきた女優である。


 その容姿と言動から、ぶりっ子扱いされることの多いくるみだが、意外なほどに表裏が無い性格をしている。


 しっかりとした性格をしているのにも関わらず、よほど深く付き合わなければその本性が見えてこない。これもまた、魔性というものなのだろう。


「いいお店知ってるんだっ! 個室だし、料理もかわいくてボリュームもあるの!」


 ダンスで消費したカロリーの補給と、SNS用の絵力。その双方の要望を満たしてくれるうえに個室まで確保できるお店である。


 隠れ家的な、それでいて芸能人御用達のその店に、いつか後輩を連れていくのがくるみの夢だったのだ。

 

 そんなくるみの、いかにも楽しみです、というような様子に和みつつ、あおいもお腹をさするのであった。



 年頃の女性が二人、それも個室でお酒まで入っている。後からSNSにアップするための写真も既に確保しており、もはやなんの気兼ねもない。


 となると話題は、必然的に恋の話になってくる。


 とはいえ、一般的な女子会での恋の話に比べると、この二人の会話では圧倒的に下ネタの数が少なかった。


 無理もない。


 先ほどまであおいが、仕事に関する相談をしていたのだ。


 それは、職業上必要なスキルに関する事であり、一般的には下ネタに分類されるような話題である。そのうえで、プライベートな下ネタをおかわりする気にはなれなかったのだ。


「でもさぁ……ななみんの元カレが四十台のおじさんって聞いて、少し気持ちが分かっちゃったんだよね」


 レモンサワーで喉を潤しつつ、くるみが呟く。既に三杯目。かわいい声が、酒焼けしないことを祈るばかりである。


 酒の肴になっているのは、同じく六本木アップルズに所属するAV女優、川井菜々美が少し前までお付き合いをしていた男性の話だ。


 あおいよりも年上とはいえ、まだ二十代。そんな彼女が、四十台も中盤に差し掛かる男性とお付き合いをしていたという事実に、あおいは驚かされた。


「わたし達の仕事ってさ……人気が出れば、ありがたいことにお金がいっぱい貰えるじゃない? 同年代の普通に働いてる子からすれば、すごい額を貰ってるわけじゃん」


 一時期のように、AVに一本出演するだけで莫大な金額が手に入るような時代ではなくなったとはいえ、やはり人気のある女優の収入額は多い。


 それは、AV出演以外にも様々な仕事が舞い込むためである。現代の人気AV女優は、売れっ子の芸能人並みのスケジュールをこなすことで、高収入を得ているのだ。 


「でもさ。男の人って、わりと気にするじゃない。『彼女が自分より稼いでるのは嫌だー』って。そんなの気にすること無いのに」


「やっぱりそういうもんなんですね」


「そうだよー。それで勝手にイライラして、『お前は汚い仕事をしてるからなっ!』とか急に言い出すんだもんっ! ほんと、有り得ない!」


 どうやら体験談のようである。当時のことを思い出しているのか、くるみの酒のペースが進む。


「そういう恋愛を経験するとさ? 思うんだよね。男の人に求めるのは、包容力だなぁって。つまらないことで怒らない。いつも穏やかで、私を受け入れてくれる」


「いいですね」


「でしょ!? でも、それが出来る若い男の子って、いないの! だったらおじさんでもいいかなって思っちゃうじゃん」


 一概には言えないが、やはり人生経験というものは偉大である。


 社会人として長く働いてきたということは、それだけ多くの理不尽に耐えて来たということだ。ちょっとやそっとのことでイライラすることは無くなってくる。


 それを『丸くなった』というのかもしれないが、くるみにとってその変化は好ましいものであるように思えた。


「でも……やっぱりお父さんと同年代の人と付き合うっていうのは、想像出来ないですね」


 あおいがボソっと答える。


 くるみは残っていたレモンサワーを一気に煽ると、語気を強めつつ、声のボリュームを下げるという器用な叫び方をした。


「何言ってるの! お父さんよりも年上の人とエッチしたことだってあるでしょ?」


「それは……お仕事ですし」


「例え仕事でも! ヤッたことがあるかないかってのは大きいよ? 少なくとも、『おっさんに抱かれるなんて気持ち悪くて有り得ない!』って感情は薄まったでしょ?」


「それは……」


「悪いことじゃないよ。おじさんってだけでお付き合いの対象からは外さない。いい人がどうか、それだけで判断する。健全でしょ?」


 あおいは思わず言葉に詰まった。


 言われてみれば、確かに魅力的で優しい人が相手なら、年上の男性でもいい気がしてくる。また、仮に目の前にいるくるみが、年が大きく離れた男性と結ばれたとしても、嫌悪感はない。


 しかし、それでも恋愛は同世代としたいという“普通”の価値観が、あおいの心を蹴飛ばしてくる。


「やっぱり、女がお金を持ってるのはダメなんですかねぇ」


「そりゃあね。あおいちゃんもさ、ぶっちゃけ貯金とかは結構あるわけでしょ?」


「えっと……」


 あおいに貯金があるか否かを聞かれれば、答えはイエスである。


 とはいえ、あおいは自身の給料のおよそ半分を、実家に仕送りとして送っている。弟である卓也の学費と、実家の借金返済に少しでも役に立てるためだ。


 残りの半分が生活費となり、そこで節約した分が、将来のための貯金という形だ。


 そんな自分の事情を、あおいは面倒見のよいこの先輩に、既に話していた。


「あっ……あおいちゃんは、実家に仕送りしてるんだっけ?」


「……はい」


「私もなんだよねー。だけど、それでも溜まるでしょ?」


 くるみもまた、実家の家計の足しになればと仕送りをしている。ゆえに、あおいの気持ちは非常によく分かるものだった。


「お金でしんどい思いをすると、自然に節約しちゃうようになるから。だからいつの間にか、溜まっちゃうんだよね?」


「そうなんです! でも、これ以上仕送りを増やして、私の仕事が無くなったらどうしようって不安もあって……」


「分かるー! 人気商売だもん、いつまでお仕事があるかなんて分かんないもんね」


 二人の話は、お金と恋愛に関するモノから、仕事と将来への不安へとシフトしていった。


 そして三十分。一通り話したところで、くるみが呟く。


「えっと……なんの話だっけ?」


「……お金の話です。女が男よりもお金を持ってたらダメなのかって」


 そうだった、と握りこぶしを軽く自分の頭に当てるくるみ。恐ろしいことに、彼女は素でそのような仕草が出来てしまうのだ。


「男の子はさ……プライドが高いんだよ。かといって、プライドが全然ない人と探すと、今度はヒモになっちゃうし。若い子を相手にするなら、自分がお母さんになるくらいの気持ちじゃないとダメみたい」


「お母さんは嫌ですね……くるみさん、何歳(いくつ)なんですか?」


「もうっ! あおいちゃん、嫌いっ!」


 怒ったような演技をするくるみに、あおいもまた、冗談っぽく謝る。


 その後も、二人のAV女優による恋愛談義は、盛り上がりを見せるのであった。



「恋愛……か」


 くるみと分かれ、自宅に帰ったあおいは、ホッと一つため息をついた。


 思えば、最後の恋愛は高校時代。その恋は、自分がAV女優になると同時に終わってしまった。そして、あおいの恋に対する価値観はその時のままで止まっている。


 それはお金の絡まない、青春の恋の群像。甘酸っぱく、そして子供っぽい恋愛である。


「翔ちゃんも……やっぱりそういうプライドってあるのかな」


 思い浮かべるのは、一番身近にいてくれる幼馴染。自分に告白をしてくれた、年下の男の子。


 あおいには、翔太がつまらないお金のことで自分に嫉妬をする姿が想像出来なかった。むしろ、自分がお姉さんなのだから、ご飯くらい奢ってあげて当然だとも思っている。


 きっと、自分の価値観と翔太の価値観はそうはズレてないはず。


 そこまで考えた所で、あおいは頭を横にふった。


「なに考えてるんだ、私」


 自分は翔太の告白を断ったのだ。彼に弟のような存在でいて欲しいと告げたのは、自分自身じゃないか。


 ベッドに横たわり、見慣れた白い天井をぼんやりと見つめる。


「今はまだ……恋愛はいいかな。仕事を頑張ろう」


 目を閉じる。


 あおいが眠りに落ちるまでには、まだしばらく時間がかかりそうであった。


『香坂蓮の、twitterが面白いAV女優紹介』のコーナー!


いやぁ……お久しぶりです。今回も張り切って、紹介してまいりたいと思います。


さて、今回のテーマは新人女優さんです。まだデビューしたての女優さんが、試行錯誤しながらtwitterでファンと交流していく姿は、応援したいと素直に思えます。


今日は三名をご紹介。それでは行きましょー!


①戸田真琴 さん


通称、『まこりん』です。


クラスに居そうな……それでいて、本当にこんなかわいい子がいたら嬉しいなと思う女の子。後輩にいて欲しい!


そんな彼女は、優しく真面目な気遣いの人。


twitterで、ファンからのメッセージにマメに対応している印象があります。


最初は自撮り姿からも緊張が伝わってきましたが、今では本当に生き生きとした表情を毎日伝えてくれていますね。


等身大が彼女の魅力。知れば知るほど好きになる。


複数人を応援するのではなく、誰か一人を推したいんだっ! というタイプの方にお勧めの女優さんです。


②凰かなめ さん


圧倒的ビジュアル。一目見ただけで分かる、文句なしの美人さんです。


ですが、その中身は少し不思議。


謎の言葉を使う→フォロワーさんから突っ込まれる→「かなめ語録」として意味を説明する。


という流れが、彼女の不思議さを象徴しています。


それでいて、化粧品などを紹介する時は、とても分かりやすく丁寧な説明をしてくれるのだから、ギャップがあります。


あと、彼女はyou tube にもチャンネルを持っているので、動く姿が観たい方は気軽にチェックですね。


③橋本ありな さん


スタイル抜群の美人さん。脚長すぎ、そして顔小さすぎ。モデルさんレベルです。


こちらも、①のまこりん同様、ファンの方へのリアクションが丁寧な印象です。


そんな彼女ですが、香坂はどうしてもある一点が気になってしまう。


なぜか、彼女がアップする写真は『不適切なので非表示』にされることが多いんです。


普通にディズニーランドで撮った写真とかまで不適切扱いって……どうしたtwitter社!?(笑)


一応言っときますけど、写真はかわいらしいオフショットがほとんどですので、安心してください。


さて、今回はこの辺で!


他にも紹介したい人はいるんですが……無念。また機会があれば、紹介したいと思います。


さて、こぼれ話も残り一話の予定。


忙しいリアルに負けず、更新したいと思います。


以上、香坂蓮でしたー。

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